診療科目別に確認する税務調査で否認されないための準備 ― ②

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2018/09/20
診療科目別に確認する税務調査で否認されないための準備 ― ②

前回に引き続き、院長先生が税務調査に対して、注意すべき項目です。
診療科目別ではなく、まだ全ての診療科目に共通する項目の続きとなります。

 

① 医師会費について

院長先生は、基本的に開業している地域の医師会に加入しているはずです。このとき、例えば東京都文京区で開業して、文京区の医師会に加入すると、自動的に東京都の医師会と日本医師会にも加入することになります。

そのため会費も、その地区の医師会、都道府県の医師会、日本医師会の3つから請求されます。

ということで、会費は意外と高額になります。
この理由から、医師会に加入しない院長先生もいます。

まず医師会に加入するときには、入会金と会館建設負担金などを支払います。入会金については、「同業者団体等に対して支出した加入金」に該当して、繰延資産として計上されます。つまり、支払ったときに医院や病院の経費にはならず、5年間で償却されていくのです。ただし最近では、地域によっては入会金がゼロとなったり、下がってきてはいます。

もし入会金が20万円未満であれば、個人事業主の院長先生も、医療法人でも、支出をした年に全額を経費として計上できます。

会館建設負担金についても同様に、20万円未満であれば、支出したときに経費に計上できます。ただ会館建設負担金が20万円以上となる場合には、その施設の耐用年数の10分の7と10年間の短い方で償却することになり、通常は10年間となります。これらの処理が間違っていると、税務調査で指摘されてしまいます。

さらに医師会の会費として、医師賠償責任保険料、団体の生命保険料、火災共済金などの保険料、会員の学会費や研究会費、医師会互助年金の掛け金などが徴収されます。これらがすべて経費として計上できるわけではないため、医師会費の明細を見て拾っていく必要があります。
下記は、その代表的な事例となります。

また院長先生は医師会とは別に、出身大学の同窓会に入っていて、同窓会費を支払っています。医師免許を取ったあと、医療技術を学ぶために医局にも加入して、その会費も支払っているはずです。

これらの同窓会費や医局の会費は経費として認められませんので、注意してください。

 

② 別荘などについて

院長先生から、「友人の医院や病院では、別荘やクルーザーを買っても経費に計上しているみたいだが、うちも可能なのか」と聞かれることがあります。基本的に、別荘やクルーザーは医院経営や病院経営とは関係がありません。

ただ看護師や従業員が公平に利用できるようになっていれば、福利厚生費として計上できるのです。

このとき、別荘やクルーザーを買った金額が減価償却費として計上できるだけではなく、その関連費用である、別荘の固定資産税や修繕費、クルーザーの係留料金なども経費となります。

ただし、注意すべきことが2つあります。

1つ目の注意点は単純に利用できる状態になっているだけではなく、実際に看護師や従業員が利用している実績がなければいけません。例えば、看護師や従業員から別荘の利用申請書を提出してもらい、それを事務局長などが承認したあと利用日に名前を書き入れてもらうなど、利用規定を決めておく必要があります。

経費として認めてもらうためには、それなりの努力が必要なのです。

医院や病院の場合には、看護師や従業員がシフトを組んでいるため、休日がずれていることが多いはずです。一般の会社に比べて予約が集中することは少なく、実績については問題ないはずです。

2つ目の注意点は、医院や病院で働く人が親族だけという場合には、どうやっても経費には計上できないということです。内科であれば、看護師や従業員のパートも含めると10名程度になることも多く、すべてが親族で構成されていることはないでしょう。

一方、精神科などは院長先生以外で、従業員が2-3名程度いればよい場合もあります。そのとき、

配偶者と甥や姪など親族だけで経営していると、別荘やクルーザーを利用している実績があったとしても福利厚生費としては認められません。

個人事業主の院長先生の場合だけではなく、医療法人でも同じです。これは、1つ目の注意点にもつながります。看護師や従業員が10名程度いても、別荘やクルーザーを利用している人は、そのうちの親族だけとなれば、やはり福利厚生費としては認められません。

 

それではここからが、診療科目別に注意すべき項目を見ていきましょう。

 

① 内科・小児科について

内科や小児科は、医業収益の計上時期を間違えてしまうことがあります。医師会や市町村から健康診断や予防接種を受託することがあるはずです。小児科であれば、学校医が順番で回ってきます。

委託される先によって、実際に診療を行ってから3ヶ月あとや4ヶ月あとで入金されることが多いのです。

その場合でも、診療行為は終わっていますので、未収金として計上しなければいけません。通常の社会保険診療報酬は、2ヶ月後の入金となりますので、それと同じサイトと勘違いしてしまうのです。

しかも個人事業主の院長先生であれば、12月末までの医業収益を3月15日までに確定申告します。それまでに通帳への入金がないこともあり、漏らしてしまうのです。医療法人でも決算日から2ヶ月後には申告を行うため、同じミスがありえます。

税務調査のときには、医業収益の計上時期のズレは「期ズレ」と呼ばれて重点的にチェックされる項目なのです。

決算日の3ヶ月後、4ヶ月後の通帳を見て未収入金の内訳と比べるだけで、期ズレがあれば、すぐに判明してしまいます。

 

② 耳鼻咽喉科について

耳鼻咽喉科では聴力が落ちてきた患者を、補聴器の販売会社に紹介することがよくあります。このとき、補聴器の販売会社は紹介1件当たりの手数料を支払ってくれるはずです。現金でもらっていることも多く、院長先生の中には申告していないケースもあるようです。

ただ販売会社は経費として計上していますし、支払調書を税務署に提出しています。最近ではその支払調書にマイナンバーを記載していて、絶対にバレるため、無申告は絶対に止めましょう。

この手数料の計上を忘れていることが税務調査のときに判明すると、売上の除外とみなされて重加算税という重いペナルティが課されることになります。

また現金ではなく、商品券などの金券で受け取っている場合もあるようですが、院長先生が個人でもらっているならば、その券面額を収入として確定申告しなければいけません。

商品券であっても、販売会社は交際費として経費に計上しているのです。

 

次のブログに続きます。

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