診療科目別に確認する税務調査で否認されないための準備 ― ①

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2018/09/10
診療科目別に確認する税務調査で否認されないための準備 ― ①

税務署は、毎年7月10日定期的な税務署間での人事異動を行い、そのあとすぐに新しい税務調査に着手していきます。当然ですが1人1箇所ではなく、3-4箇所を同時並行で税務調査を行っていきます。

そしてすべて12月末に一旦、税務調査を終わらせることを第一目標とします。12月末までに終わらない税務調査に関しては、翌年の6月末の終了を第二目標とします。もし6月末までに終了しないと7月10日の人事異動のときに、仕事の引継ぎを行わなければならず、無駄な労力が増えてしまい税務調査の効率化が図れません。

1年間のうちに、できるだけ多くの税務調査の数をこなすことも、担当官にとっては大きな使命となっているのです。

一方、実際に12月末に終わった箇所があれば、1月から新しい税務調査に着手できることになります。こちらも、その年の6月末までに税務調査を終わらせることを目標にします。ただし、1月からの調査は最初にお正月があり、次に2月16日から3月15日までは確定申告時期となります。

この時期は税務署の所得税課だけではなく、法人税課、資産税課など他の担当官も窓口で手伝いをしなければ、仕事が追いつきません。そのため、この期間は税務調査がほとんどないのです。ということは、1月以降に始まる税務調査は期間も短く、そこまでがっちり行われない傾向にあります。

ということで、7月以降で秋ぐらいまで、ハッキリ言えば今ぐらいから始まる税務調査がもっともがっちり行われる税務調査となります。

また通常は、個人事業主よりも法人の方が、税務調査は定期的に入りやすいという傾向がありますが、医院や病院の場合にはあまり関係ありません。個人事業主の医院や病院にも税務調査は定期的に入りますし、医療法人にも入ります。そのため、すべての院長先生が税務調査でチェックされやすい項目を知っておく必要があります。もし否認されそうだと感じた項目があれば、早急に見直すべきです。

まずは、全ての診療科目に共通して注意すべき項目を見ていきましょう。

 

① 私的な生活費について

院長先生や奥様の生活費は経費になりません。

院長先生は「それは当たり前だろ」と言うかもしれませんが、意外と勘違いしていることもあります。例えば、院長先生が医師、奥様が経理担当として2人で毎日、医院経営や病院経営に携わっていると忙しいため、自宅の家事ができません。その場合、自宅でお手伝いさんを雇っている場合もあります。

また子供が小さいと保育園に入れずに、ベビーシッターを雇っていることもあるかもしれません。医院経営や病院経営が忙しいから支払っている経費だと考えてしまう院長先生もいますが、これらは生活費として経費には計上できません。

さらに院長先生ではなく、看護師や従業員が働くために、子供を保育園に入れていることもよくあります。

この保育料を医院や病院が負担しても、やはり福利厚生費として計上することはできません。

保育園でサービスを受けているのは、従業員ではなく、子供だからです。そのため、保育料は給料とみなされて医院や病院の経費としては計上できますが、看護師や従業員には所得税がかかってしまうのです。

一方、医院経営や病院経営では人材の確保が必須です。
そこで医院や病院の近くのアパートを借りて、無認可保育として日中の働く時間帯に子供を預かるという条件で人材を募集したとします。このとき、保育料は無料としましたが、アパートの水道光熱費、お茶菓子などのおやつ代はかかるため、1日500円程度の利用料を取ることにしました。この利用料については医院や病院の収入となりますが、実費と相殺されます。

アパートの賃料の支払いや保育士を雇用することによる給料については、福利厚生費として認められ、看護師や従業員に所得税はかかりません。このように無認可保育を作って、かつ経費になるのであれば、子供を産んだことで辞めていった元従業員に声をかけて、戻ってきてもらうという方法もあります。

次に私的な生活費として経費に混ざりやすいのは、洋服です。
院長先生が診察のときに着る白衣は経費になります。医院や病院に通うときに着る私服は生活費なので、経費になりません。

問題は、スーツです。
会社を経営している社長が買うスーツは、経費としては認められません。というのも、会社が終わったあと友人と飲みに行くときにも着れますし、冠婚葬祭で着ることもできます。ビジネスで使っている時間と私生活で使っている時間を合理的に按分できないため、経費にはならないのです。

ただ院長先生の場合には、スーツを着る機会が講演会のときだけなど限定できる可能性はあります。それでも、同窓会や冠婚葬祭のときにも着るのであれば、経費にはなりません。

スーツを着る機会を講演会などに限定できるのであれば、医院や病院にスーツを保管して必要なときに着替えるのであれば、経費として計上できます。

 

② 高級外車の利用について

院長先生が高級外車に乗って通勤したり、分院の移動のときに使っていることがあります。この車の減価償却費、車検費用、ガソリン代、高速代なども通勤で使っているならば、経費として計上できます。

ただ休診日に家族でドライブに行くときにも使っているのであれば、全額を経費にすることはできません。ときどき、「税務調査のときに、1年前に車でどこに行っていたのかなんて分からないはずだ」と主張する院長先生もいます。

実は、税務調査の前に担当官は、院長先生の自宅のガレージの車の車種などを確認していることも多く、それが医院や病院の近くに泊めてあれば、通常の生活でも使っているのではないかと疑問視します。その上で車の走行距離やクレジットカードで決済されたETCの履歴などを確認されたら、通勤や分院間の移動だけではないことがすぐにバレてしまいます。それならば、最初からレジャーで使っている部分を合理的な基準をもとに計算して、抜き出しておくべきです。

ただ走行距離を正確に測って、経費になる部分と生活費の部分を按分するのは、かなり煩雑で手間がかかります。そのため、例えば平日は通勤や分院への移動で使って、休診日の木曜日と日曜日はレジャーで使っていると割り切って、7分の5だけを経費として計上しておけば、実務上は問題ありません。

ここで按分する費用ですが、減価償却費、車検費用、ガソリン代は当然ですが、ローンで買っている場合にはその利息や自動車税、自動車保険も忘れないように経費に入れましょう。

それでも高速代は按分することはできず、実際にどこに行ったときのものなのか、クレジットカードの明細で判明しますので、医院経営や病院経営のために使ったものだけを1個ずつ抜き出してください。

 

③ ゴルフの接待について

ゴルフが好きな院長先生もいます。
患者と行ったり、近くの病院の院長先生と一緒に行ったならば、交際費として経費になります。一方、大学のときの先輩、またはロータリークラブの仲間と行くと医院経営や病院経営には関係ないため、経費になりません。そのため、

誰といつ行ったのかをゴルフの領収書、またはスケジュール表に書いておいてください。

このとき、交際費なる理由も必要です。例えば、患者や近くの病院の院長先生と行って、ゴルフのプレー料金やクラブハウスでの食事代を負担した場合には、「患者を紹介してくれる」という理由と実際に紹介してもらった患者の数などを一覧にしておく必要があります。

 

次のブログに続きます。

 

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