海外の学会に出席した場合には、旅費交通費は全額が経費になるのか?

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2018/05/20
海外の学会に出席した場合には、旅費交通費は全額が経費になるのか?

院長先生が海外の学会に出席することもあり得ます。
例えば、アメリカのカルフォルニア州で行われる学会に出席した場合、その旅費交通費やホテル代はすべて必要経費として認められます。

医師が医業に関する学会に出席しているのですから、医院経営や病院経営の遂行上、必要である業務と認められます。

そのため、個人事業主で開業している場合であっても、医療法人であっても、同様に経費として計上できます。これは院長先生に限られず、勤務医の先生が院長先生の命令などで海外に出張する場合でも経費として計上できます。ただ実際に院長先生がアメリカのカルフォルニア州に海外出張すれば、まったく観光せずに帰ってくることはないでしょう。

院長先生の中には、
「海外の学会に出席している間は忙しくて、観光している暇などない」
と主張する人もいます。

それでも1週間出張していれば、平日は学会に出席していたとしても、休みとなる土曜日や日曜日は観光してくるはずですし、それがダメという訳ではありません。このとき当然ですが、観光で使った飲食代や美術館の入館料などは、個人事業主だけではなく、医療法人の必要経費にもなりません。それでは院長先生が観光していた場合に、海外への往復代の旅費交通費やホテル代はどのように扱えばよいのでしょうか?

実は、海外で滞在していた日数を下記の4つに区分します。

区分するときに注意点が2つあります。
1つ目は、1日のうちで午前中は学会に出席していたが、午後は観光することもあるでしょう。
その場合には、1日を8時間労働と考えて、0.25単位で集計します。
例えば、午前中の4時間を学会で使い、そのあと夜遅くまで10時間近く観光していた場合でも、①が0.5、②が0.5となります。

このとき院長先生によっては、そこまで正確に時間を測っていないという場合もあります。ただ海外出張の場合の旅費交通費は高額になることが多く、税務調査でよく指摘される部分です。こちらが学会に出席することが医院経営や病院経営の遂行上、必要であったことを証明しなくてはいけません。

あとで税務署ともめないためにも、海外でのスケジュールについてノートに記載しておくか、学会のスケジュール表などがあれば、それを保存しておいてください。

2つ目は、土曜日や日曜日に学会が開催されていた場合です。
海外の場合には、宗教の関係で働かない日が決まっていることもあり、土日は休みが多いはずですが、絶対にゼロではありません。この場合には、その日数を③としてカウントせずに、①の日数としてカウントできます。

そして、これをもとに下記の「業務従事割合」を計算します。

業務従事割合が計算できれば、その割合に従って、旅費交通費を経費と経費以外、つまり院長先生の生活費に按分します。

例えば、院長先生が水曜日に日本を出発して、木曜日に海外の現地に到着したがそのまま移動してその夜にホテルに入ったとします。その週は金曜日の1日だけ学会に出席して、土曜日と日曜日は観光しました。その翌週は月曜日と火曜日の学会に出席しましたが、水曜日は観光で1日中休みました。そして翌日の木曜日の朝から帰るための飛行機に搭乗して、日本には金曜日に到着したとします。この旅費交通費は往復代やホテル代も含めて、50万円かかったとしましょう。

上記の海外出張に関して、先ほどの区分通りに分けてみます。

これをもとに、業務従事割合を計算します。

そのまま、50万円に0.75を掛けるわけではありません。この業務従事割合を計算するときのポイントが2つあるのです。

1つ目は、業務従事割合は10%単位で区分することです。
10%未満は四捨五入してしまいます。先ほどの事例では、75%ですので、10%未満を四捨五入すると80%となります。

2つ目が、業務従事割合が90%以上であれば、もう100%とみなして区別せずに、全額を必要経費に算入してもよいことになっています。先ほどの事例では、80%ですので上記には当たらず、必要経費を按分計算する必要があります。

その結果、個人事業主の必要経費、または医療法人の経費に計上できる金額は下記となります。

なお国税庁から国際観光旅客税についてのQ&Aが発表されました。

国際観光旅客税は、観光のために出国する人だけではなく、ビジネスで出国する人も対象になります。

ここでも、取扱いが明らかにされています。
院長先生が医院経営や病院経営の遂行上、必要であると認められる海外出張であれば、個人事業主の所得税の経費として、または医療法人の法人税の経費として認められます。一方、医院経営や病院経営の遂行上、必要ではない海外出張であれば、所得税でも法人税でも経費となりません。

その中間として、医院経営や病院経営の遂行上、必要である部分と必要でない観光の部分がある場合には、同じように業務従事割合を計算して、国際観光旅客税を按分するとしています。

 

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