保険医年金を解約するならば、生命保険も同時に解約した方がよい?

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2019/08/10
保険医年金を解約するならば、生命保険も同時に解約した方がよい?

保険医年金とは全国で約53,000人が加入していて、積立金総額は1兆2000億円超にもなります。医師、歯科医師のうち、保険医協会の会員であれば74歳まで加入できます。かけ金は、下記のどちらかを選択できます。

予定利率(最低保証利率)は1.259%となっており、毎月の複利で運用されます。

さらに、毎年の運用を引き受けている保険会社の実績によっては、予定利率に配当が上乗せされるのです。依頼している保険会社は1社ではなく、数社あるとされていますので、一定のリスクの分散はされています。

また、保険医年金は確定年金の制度となっていますので、院長先生が積み立てたかけ金を原始に将来の年金を支払うことになります。

つまり、将来、年金を受給する医師や歯科医師が増えたとしても、予定利率で計算された金額が減らされることもありません。

ということで、院長先生が個人で銀行に預けているだけのお金があれば、保険医年金としてかけた方が得です。もし途中でまとまったお金が必要となったら、1口単位での解約もできます。

そして、最大の特徴は年金の受給を開始する年齢です。
院長先生が保険医年金に加入した時点で、いつから年金を受け取るか決めることは難しいはずです。そこで、加入した時には受給を開始する年齢を決める必要はなく、加入したあと5年経過したあと好きなときに受給を始めることが可能となっています。ただし、満期年齢は80歳です。

ここまでは、保険医年金の制度の説明でしたが、税金はどうなるのでしょうか?

まず、保険医年金のかけ金は、個人事業主の医院の経費には計上できません。それでも、一般の生命保険料控除の対象とはなりますが最大4万円ですので、他の生命保険に加入していれば、対象からは外れてしまいます。

そのあと、長男が医院や病院を継いでくれることになり、院長先生としても引退するのを機に保険医年金を受け取ることにしたとします。そのときには、利息相当額について所得税がかかることになります。

ただし、院長先生は1口ごとに一時金として受け取るか、年金として受け取るかを選択できます。
例えば、30口に加入していて、そのうち10口は一時金として、残りの20口は年金として受け取ることもできるのです。

 

(1) 一時金として受け取る場合

保険医年金を一時金として受け取るのであれば、利息相当額は一時所得となります。一時所得は、下記のように計算します。

一時所得では50万円を差し引くことができるため、利息相当額が50万円以内であれば、申告しても所得税は発生しません。また、50万円を超えたとしても2分の1をかけるため、それほど所得は高くなりません。

ただし、一時所得は他の所得と合算されて、所得税率をかけ合わせます。所得税率は累進課税ですので、所得が上がれば一気にかける税率が上がってしまいます。

例えば、長男が継いでくれたのが12月だとすると、1月から11月までの院長先生の医院や病院の利益と合算されてしまうのです。または、医療法人であれば、院長先生が辞めるまでの給料と合算するのです。

そこで、院長先生が保険医年金を解約して一時金としてもらうのであれば、年度をまたいで1月とした方が得になります。

さらに、知っておくべきことがあります。
それは、一時所得とは、生命保険を解約したときの返戻金や満期になったときの満期金も対象となることです。同じように、支払ってきた保険料の累計額を超えた部分から50万円を差し引いて、2分の1をかけて一時所得を計算します。

例えば、院長先生が個人で養老保険に加入していて、その満期が到来した日には一時所得が発生します。すると、先ほどの一時所得の計算では、1年間で50万円しか差し引けないとなっていますので、同じ年に保険医年金を解約すると合計されてしまうのです。

そのため、保険医年金からの一時金を受け取る日を1年間ずらすか、養老保険の満期日を延長できるのか確認すべきです。

一方、一時所得で損失が発生することもあります。
院長先生が加入している長期総合保険などは、元本割れしていることもあります。つまり、支払ってきた保険料の累計額よりも戻ってくる金額の方が低くなります。このとき、一時所得の損失と他の所得とは合算できないのですが、一時所得同士であれば合算できるのです。

そこで、元本割れしている長期総合保険などがあれば、保険医年金の一時金を受け取るときに、同時に解約すればよいのです。

さらに、生命保険を解約したり、満期になったりするときには注意点があります。それは、返戻金や満期金が入金された日が、一時所得が発生した日ではないことです。返戻金であれば、生命保険会社に解約の手続きをした日、満期金であれば、満期が到来した日となります。返戻金や満期金を支払った翌年の1月に、生命保険会社は2枚の同じ支払調書を作成して、院長先生と税務署に同時に送ります。

そこに、解約の手続きをした日や満期が到来した日が記載されていますので、ごまかすことはできません。いつ保険医年金を解約して一時所得として受け取るべきか、同時に他の生命保険を解約すべきか、もしくは満期の日を延長すべきかを、検討すべきです。

 

(2) 年金として受け取る場合

保険医年金を年金として受け取る場合には、下記のように計算します。

この年金は雑所得となり、やはり他の所得と合算されます。
そのため、年金型で受け取る生命保険に加入している場合には、それと合算したあとの所得に所得税率をかけます。

しかも、一時所得と違って2分の1をかけないため、所得税が高くなりがちです。それでも、個人事業主として開業していた院長先生であれば、勤務医時代は厚生年金かもしれませんが、それほど雑所得は高くならないはずです。

一方、医療法人として開業していた院長先生は、勤務医時代も含めて通算された厚生年金を受け取るため、雑所得も高くなります。

以上のことをシミュレーションして、保険医年金を解約する時期と、お金を一時で受け取るか、年金で受け取るか決定しましょう。

 

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