社宅に備え付ける家具の購入対価や水道光熱費を、医院や病院が負担してもよいのか?-その3

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2020/05/30
社宅に備え付ける家具の購入対価や水道光熱費を、医院や病院が負担してもよいのか?-その3

社宅に備え付ける家具の購入対価や水道光熱費を、医院や病院が負担してもよいのか?-その3

医師(医療法人の理事を含む)や看護師に対して社宅を貸与した場合、本人たちが負担する金額の計算方法について、その1で解説しました。そして、その2(前回のブログ)では、院長先生からよく聞かれる下記の2つの疑問について回答しました。

社宅に備え付ける家具の購入対価や水道光熱費を、医院や病院が負担してもよいのか?-その3

今回のブログでは、上記の続きとなります。

 

③ マンションの管理費も負担できるのか?

他人が所有しているマンションなどを借り上げて、社宅として貸与する場合があります。このとき、賃料とは別に、エレベーターの保守・点検費用、共用部分の電気料を管理費として支払うのが、一般的です。この管理費については、医師や看護師が負担すべき金額は、どのように計算すればよいのでしょうか?

これらの管理費は、社宅を貸与している理事、医師、看護師の個人的費用ではなく、マンションを社宅にしているため、自動的にかかる費用となります。

とすれば、この管理費も含めて賃料の総額と考えて構いません。

つまり、別途管理費を、医師や看護師から徴収する必要はないのです。

 

④ カーテンや家具、家電製品は無償で貸与できるのか?

他人の物件を借り上げて、それを医師や看護師に社宅として貸与する場合には、すでにカーテンや冷暖房設備が備え付けてあることがほとんどです。

ところが、個人事業主の院長先生や医療法人が社宅を新たに建設した場合には、カーテンや冷暖房設備を自分たちで設置するはずです。しかも、テーブルや寝具なども備え付けてあげる可能性もあります。この家具や家電製品を、医師や看護師に無償で貸し付けてもよいのでしょうか?

国税庁のHPには医師や看護師が負担すべき金額の計算方法が載っていますが、それはあくまで社宅に住むための対価でしかありません。

そのため、家具や家電製品を無償で貸し付ければ、本来であれば、そこから受け取るべき使用料(リース料)を免除していることになります。

つまり、無償の部分が給料とみなされないように、使用料を別途徴収する必要があるのです。

使用料の金額については、家具や電化製品を定額法によって減価償却して、これに冷暖房設備の清掃費用などの維持管理費用を加算して決定します。

上記のように加算するのが面倒であれば、医師や看護師たちの本人負担でカーテン、家具、電化製品を用意させればよいのです。そのあと退職や転職によって、その部屋を出ていくときに、それらを残したままで、次の医師や看護師が使うケースもあるでしょう。

そのときには、それらの使用料を負担してもらう必要はありません。あくまで、元の住民から現物を贈与されただけであり、個人事業主の院長先生や医療法人が負担したものではないためです。

 

⑤ 駐車場の賃料は、社宅の賃料の含めてよいのか?

個人事業主の院長先生や医療法人が、他人が所有しているアパートやマンションを借り上げる場合に、その賃貸契約書に駐車場や駐輪場の賃料が含まれると記載されているケースがあります。その場合には、社宅の賃料と駐車場や駐輪場の賃料を区別できませんので、全体で社宅の賃料とみなして構いません。

一方、賃貸契約書において、駐車場や駐輪場の賃料が、家屋の賃料とは別に記載されていることがあります。または、個人事業主の院長先生や医療法人が社宅を建設した場合には、家屋の賃料とは別に駐車場や駐輪場の賃料を設定できます。

このとき、駐車する車両が医院経営や病院経営で使う車両を置くというのであれば、話は別ですが、一般的には、医師や看護師が自分の生活でのみ使う車両を置いているはずです。

とすれば、駐車場や駐輪場の賃料については、本人たちから全額を徴収する必要があります。

このとき、その賃料の一部の負担を軽減できるような制度はありません。

院長先生からは、

「借り上げている場合には、駐車場や駐輪場の賃料は分かるが、自分たちで新たに社宅を建築した場合にはどのように賃料を決定したらよいのか? もしかして、自分たちで自由に決定できるのか?」

と聞かれることもあります。

個人事業主である院長先生や医療法人が自分で自由に賃料を決められるならば、安く設定するはずです。それは認められず、駅前の不動産会社などに問い合わせて、周辺の賃料相場を聞かなければいけません。それと同程度で設定する必要があります。

ただし、社宅の場所が郊外で土地が余っていて周辺には駐車場などなく、周辺相場は調べられないこともあり得ます。その場合には、駐車場を整備して、アスファルトという構築物を敷設していますので、そのコストを回収できる金額を受け取れば問題ありません。つまり、アスファルトの定額法の減価償却費に、毎年の管理費用を加算した金額を賃料と設定することになります。

とはいえ、駐車場と駐輪場を貸すことにメリットがないわけではありません。医師や看護師が車両を使って通勤しているのであれば、個人事業主の院長先生でも、医療法人でも、下記の通勤手当を支給することができるからです。

社宅に備え付ける家具の購入対価や水道光熱費を、医院や病院が負担してもよいのか?-その3

ここまで、院長先生からよく質問を受ける内容について回答してきました。医院経営や病院経営は、医師や看護師の転職が頻繁にあります。分院がある医療法人の場合には、分院長の転勤もあるかもしれません。

その都度、社宅の書類を作成したり、不動産会社とやり取りする必要があり、管理や手続きが煩雑になると考える院長先生も多いようですが、それを上回るメリットはあります。

特に、医院や病院は必ずしも、駅近のビルに入居しているわけではないのです。それに、私は、働く医師や看護師全員が社宅を利用すべきだと言ってるわけでもありません。実際に導入しみたら、利用する人は数名だったということもあります。

それでも、医師や看護師の人材が募集しやすくなり、かつ辞めないための助けとなる制度として、社宅はお勧めです。

そして、すでに社宅の制度を導入している医院や病院であっても、合計3回(その1からその3まで)のブログを確認してもらい、もし計算方法が間違っていたり、勘違いがあれば、今後からでよいので修正しましょう。

 

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