医院や病院で社員旅行を実行すると、結束が高まります。

住所
医療関連のコンサルティング
医院経営/病院経営コンサルティング > 看護師と社員を上手に操縦するためのルール作り > 医院や病院で社員旅行を実行すると、結束が高まります。
2017/11/30
医院や病院で社員旅行を実行すると、結束が高まります。

3年前ぐらいに大手の会社の何社かが運動会を開催していると話題になりました。最初は、従業員から「大人になってから運動会をやるなんて、思ってみなかった」とか、「そもそも、なんで50歳になって走らなきゃいないんだ」という意見が多かったそうです。

ところが、実際に運動会をやってみるとみんな本気になって、そのあとの結束力が高まったと言う従業員がほとんどでした。うちの会計事務所もこれに見習って、バレーボール大会とバトミントン大会を開催しましたが、人間には、もともと相手に勝ちたいという欲求があるので、試合自体も白熱して面白かったです。そして、そのあとの従業員の間のコミュニケーションがよくなったと思います。

普段だと仕事の話がほとんどですし、仕事で絡まない従業員同士は会話すらありません。でも運動会をやれば、連携するために必要な会話をしなければいけません。このような行事を開催する会社が増えたのは、「人材不足」ということが背景にあると予想しています。

人材を募集しても、なかなか面接に来る人さえ少ないという状況では、事業の拡大も制限されてしまいます。事業が拡大しなければ、新しいポストも与えられません。その中で今現在、働いている従業員が辞めないような制度を導入する一環として、運動会が開催されているのです。それと同じように、社員旅行を企画する会社も増えました。

医院や病院で運動会を開催するのは無理というケースも多いですが、社員旅行なら実行できるでしょう。病棟があったり、救急を受け入れていると難しいケースもありますが、無床の診療所であれば、閑散期の数日を使って社員旅行に行くことができます。
院長先生の中には、
「社員旅行に行ったから、看護師や従業員が辞めないというわけじゃないだろ」
という方もいます。

でも院長先生が看護師や従業員の福利厚生を考えているという心遣いは大切です。

そして社員旅行で親睦が深まることもあります。
先ほどの運動会と同じで、社員旅行を企画したときには、「私は、ちょっと嫌だな」「なぜ泊りで社員旅行に行かなければいけないんだ」という不満を口にする従業員もいるはずです。ただ社員旅行に行ってしまえば、旅行ですから楽しいはずです。実際に戻ってきてから看護師や従業員との関係が改善したと口にしている院長先生を何人も知っています。医院や病院が忘年会を開催するのは当然としても、今年は社員旅行を企画してみてはどうでしょうか。

このとき、税務上で注意すべきことがあります。

まず下記の3つのことを守らないと、医院や病院が社員旅行の経費を負担したとしても、それは看護師や従業員の給料とみなされてしまいます。

給料と認定されてしまえば、看護師や従業員に所得税と社会保険料がかかることになります。このとき、医院や病院が社員旅行の経費を負担すると明言していれば、看護師や従業員にその負担をさせることは通常できません。

そのため、医院や病院が増えてしまった所得税と社会保険料まで支払うことになるのです。これは無駄な支出ですから上記の3つのことは守るべきですが、②と③についてはもう少し詳しく確認しておきましょう。

 

1. 参加する従業員等の数が50%以上

社員旅行に行くのですから、看護師や従業員の半分未満しか参加しないのでは意味もありません。そのため、50%以上は参加するように、院長先生からも話をすべきです。このとき、医療法人は分院を出している場合もあります。できれば全員で社員旅行に行くのが理想ですが、分院だけで企画しても問題ありません。

その場合には、分院で働く従業員の50%以上が参加すれば問題ありません。

 

2. 医院や病院の負担金額が過大でないこと

医院や病院の社員旅行が国内ではなく、海外という事例も多いようです。その場合には、社員旅行の費用はかなり高額になります。費用について税務署と争った事例がいくつかあります。

以上から、医院や病院の負担が183,000円ならば問題ないと言っているわけではありません。医院や病院の負担は10万円であれば問題ありませんが、それを超えてくると税務調査で指摘される可能性は高くなるのです。たった10万円では海外旅行は無理と思うかもしれませんが、そこは看護師や従業員に個人負担してもらえば問題ありません。

例えば、医院や病院が10万円を負担して、看護師や従業員が10万円を個人負担すれば1人当たり20万円の社員旅行が企画できます。もちろん、看護師や従業員に10万円もの自己負担は難しいと思います。

その場合には、特別賞与などの名目で所得税や社会保険料はかかりますが、支給してあげればよいのです。

 

これ以外にも、社員旅行についてよく聞かれる質問があります。

1つ目が、MRなどの取引先の人たちと一緒に社員旅行に行くことはできるのかということです。
精神科などの診療科目によっては、医院や病院の看護師や従業員が2名~3名程度というケースもあり得ます。それならば、取引先への慰安も含めて一緒に行くということもあるでしょう。その場合には、社員旅行の費用は交際費となります。個人事業主の医院や病院であれば何の問題もありませんが、医療法人の場合には交際費は年間800万円までしか経費になりません。それでも医療法人は交際費が少ないと予想されるため、問題ないと思います。

2つ目が、社員旅行に行けなかった従業員に金銭を渡してもよいかということです。
例えば、医院や病院が社員旅行で1人当たり10万円を負担したとします。そのあと、参加できなかった看護師や従業員に2万円を渡すとすると、すべてが給料とみなされてしまうのです。社員旅行に参加できなかった看護師や従業員には、お土産を買ってくるぐらいにしましょう。

3つ目が、研修旅行であると主張する場合です。
国内や海外の医療施設を見学するなどすれば、研修旅行となります。研修旅行となれば、仕事の延長でその場所に行ったのですから旅費交通費となります。

研修旅行であれば、医院や病院の負担金額に上限はありませんし、看護師や従業員の50%以上が参加しなくても問題ありません。

ただ研修旅行と主張する場合には、現地での研修の様子を写真に撮ったり、看護師や従業員にレポートを書いてもらうなど、証拠を残しておく必要があります。

 

社員旅行についての注意点を解説してきましたが、慰安旅行であれば、ぜひ看護師や従業員に「ねぎらいの言葉」をかけてあげてください。医院経営や病院経営は院長先生だけで成り立つわけではありません。周りでサポートしてくれる人がいなければ、1人では何もできないのです。

facebook
twitter
google+