看護師や従業員からの雇用条件に対する不満を、真に受けてはいけない

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2018/11/20
看護師や従業員からの雇用条件に対する不満を、真に受けてはいけない

あなたがこれから医院開業する場合には、オープニングスタッフである看護師や従業員は数年で辞めてしまうことが多いと考えてください。実際に、すでに開業して何年も経っている院長先生であれば、現時点でオープニングスタッフは何人、残っているのでしょうか?

基本的に残っていないと予想します。
私の今までの経験からも、医院や病院のオープニングスタッフは早ければ1年、平均では3年程度で全員が退職するというイメージがあります。

確かに、医院開業したあとの資金繰りを銀行に見せるため、事業計画書を作成します。その中で人件費の総額を予想するのですが、できるだけ低めに設定することで資金繰りに余裕を持たせようとします。そのため、オープニングスタッフには一般的に厳しい雇用条件を提示していることが多いはずです。それでもオープニングスタッフは、医院開業を成功させるという共通の目標を持ち、少しぐらい厳しい雇用条件でもがんばって働いてくれます。

ところが医院開業したばかりのときには、銀行から借金の返済も多額にあり、医療機器のリース料を毎月支払い、最初から患者が多数来院するはずもなく、預金通帳のお金が減っていくのを見て院長先生は不安になってきます。その時点で患者が少ないのだから、看護師や従業員は暇なのだろうと勘違いしてしまうのです。そんなときに看護師や従業員から雇用条件について不満が漏れると、院長先生が怒ってしまい、お互いに険悪なムードになるのです。

ここで重要なことは、

「看護師や従業員が雇用条件に対して不満を口にしても、それは院長先生を批判しているわけではない」

ということを認識することです。

院長先生が決めた雇用条件かもしれませんが、本人たちも一度は納得して雇用契約書に押印しているのですから、看護師や従業員側にも甘さはあったわけです。それでも医院経営や病院経営でコストのうち、看護師や従業員に対する給料がだいたい半分を占めます。それだけ大きなコストであるため、どうしても増やしたくないと院長先生が頑なになり、思考停止しがちです。

例えば、診療時間の終了の間際に患者が多数来院する地域で、毎日、少しずつ残業が発生しているケースだったとします。毎日30分程度の残業であっても、1ヶ月間を合計すると10時間を超えてしまいます。この残業代を支払っていない場合、看護師や従業員から支払って欲しいと要求されたとします。

院長先生としては給料を増やしたくないため、「昼間は暇なんだから、ちょっとくらいの残業代はいらないはずだ」と言い切ってしまうのです。簡単に言えば、看護師や従業員の不満はおかしいと反論するのです。院長先生自身は「自分は事実を言っているのであって、間違ってはいない」と思うかもしれませんが、もう少し冷静に考えるべきです。

看護師や従業員が残業していることも事実であり、雇用契約書に「みなし残業代」を記載していなければ、法律的にそのちょっとの残業代も支払わなくてはいけないのです。それに、すべての看護師や従業員に残業代を支払っても、増えるのは月額数万円です。医院経営や病院経営の資金繰りに影響を与える金額ではありません。

それよりも不満を持った看護師や従業員が辞めてしまったら、何十万円もかけて求人広告を出して、院長先生も面接の時間が取られてしまうのです。看護師や従業員の主張が冷静に判断してもおかしいならば仕方がないですが、正しいことを主張しているならば、受け入れて楽しく働いてもらった方がよいと思うのです。

これに限らず、看護師や従業員から雇用条件に対する不満を聞いたら話し合いの場を持ち、一緒に解消していく方向に進むべきなのです。

また院長先生の中には、あげ足を取る人もいます。
例えば、「1ヶ月前に患者からクレームを受けたのは、君のせいなのに、なんで残業代を支払わなくてはいけないんだ」とか、「患者の保険証のコピーを取り忘れて、請求できなかったのに・・・」など過去の失敗を指摘するのです。

このような指摘には、2つの問題点があります。

1つ目は、1回から2回程度の失敗で給料を下げてもよいと就業規則にも、雇用契約書にも記載されていません。基本的には、重大な過失や故意によって失敗して懲戒処分を受けるほどでなければ、看護師や従業員の給料を減額する不利益変更などできません。

2つ目は、指摘された看護師や従業員は過去のことなので、もう修正することができません。回復できない失敗を指摘されても、どうしようもないのです。院長先生は将来に向かって修正ができることを指摘しなければいけないのです。

そのあと医院経営や病院経営が軌道に乗ってくると、院長先生も気持ちに余裕が生まれます。実際に、医療機器のリースなどは5年間で支払いも終わり、銀行からの借金も元本が減ってくれば、支払う利子も減ります。医院や病院の預金通帳のお金も増え始めます。そのため、院長先生も冷静に受け止めることができるようになり、看護師や従業員の雇用も安定してきます。

それでも医院経営や病院経営では、人件費への投資が大きいのですから、もっと効率よく動いてもらい、生産性を上げることに目を向けるべきです。

特に、一人一人は完璧に仕事がこなせなくても、チームワークでそれをカバーできるはずです。そのためには、長く働いてもらい業務に慣れてもらうことが大切です。院長先生の意向も汲めるようになり、仕事が効率よく回せるようなアイデアも出てくるようになります。それに患者にとっても同じ看護師や従業員がずっと働いている医院や病院には安心するため、再初診率も増えるはずです。では、どうすれば看護師や従業員の離職率を下げることができるのでしょうか?

最も大切なことは、院長先生とのコミュニケーションです。
1年に最低でも1回、できれば2回は看護師や従業員との面談の機会を持ち、話を聞いてあげることです。そのときに本人の目標を聞き、仕事の評価をしてあげることも必要です。ただそれ以上に、本人の悩みや要望を吸い上げて、何かしらに反映させることで、受け入れられたという気持ちを持てるようになります。

このようにコミュニケーションを持ったとしても、看護師や従業員が結婚や出産、またはキャリアアップのためにやむをえず、退職することもあります。そのときも、院長先生が思いやりを持った態度で退職をさせてあげることが必要です。

突然、1人が抜けると新しく雇って教育するまでに時間がかかりますし、裏切られたという気持ちになる院長先生もいるようです。それによって辞める看護師や従業員に冷たい態度を取れば、医院や病院の雰囲気が悪くなり、それは患者にも伝わります。院長先生は冷静で、かつ辞めていく従業員に対しても愛情を持って接することで、他の看護師や従業員にもよい影響を与えるのです。

なお、院長先生の中にはコミュニケーションが苦手という人もいます。
看護師や従業員とどうしても話をする時間が取れないこともあるでしょう。また明日から突然、コミュニケーションを密に取った方がよいと言われても、具体的に何をすべきか分からないことも多いかもしれません。特に院長先生は大学病院や大病院で働いていただけの経験しかないと、労務管理などの知識が全くないことが多いのも事実です。その場合には、

外部の労務コンサルタントに依頼して、看護師や従業員とコミュニケーションを取ってもらったり、人事評価を行ってもらうこともできます。

院長先生もその労務コンサルタントのやり方を見れば、具体的にやるべきことを学ぶことができます。

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