名義貸しで医院開業しても問題がなく、かつ成功する秘訣とは? - ⑥

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2021/04/30
名義貸しで医院開業しても問題がなく、かつ成功する秘訣とは? - ⑥

前回のブログでは、医療法人の社員に誰が参加できるのかを解説しました。社員として参加して、親族ではない医師に理事に就任してもらえば、経営と所有を分離できて、合法的な名義貸しの医院経営や病院経営が行えます。

今回は、名義貸しによるグループ経営の類型を見ていきましょう。

 

① 個人で医療法人のグループに出資する方法

個人が複数の医療法人の社員(株主のこと)に参加してはいけないという規則はありませんので、複数の医療法人を所有することはできます。

それぞれの医療法人の理事(=管理者)に運営させれば、合法的な名義貸しの医院経営や病院経営となります。ただし、管理者である理事は、必ず、常勤でなければいけません。

もし常勤でなければ、名義貸しという処分の対象となりますので、注意が必要です。それでも、院長先生が、いくつもの医療法人の常勤にはなれませんので、一般的には理事長を雇って、常勤とするはずです。

ただし、このグループ経営には、1つ大きなリスクがあります。
それは院長先生の相続です。

持分の定めのない医療法人(下記の図では、医療法人C)の社員の地位は、遺産分割協議の対象とはならず、後継者が、事前に社員として参加しておけば問題は起こりません。

一方、持分の定めのある医療法人(下記の図では、医療法人Aと医療法人B)の持分は、遺産分割の対象となりますし、遺言書があったとしても、遺留分の対象となります。

しかも、持分の定めのある医療法人の持分は、相続税も課税されます。これを防ぐためには、生前に相続対策を行っておく必要がありますが、まだ子供の年齢が小さかったり、兄弟のどちらに継がせるかなど迷っているケースもあります。そのうちに、時期を逸して相続となり、親族で争っているケースも多く見受けられます。

 

② 一般社団法人で医療法人のグループに出資する方法

一般社団法人が複数の医療法人の社員(株主のこと)として参加して、所有するのです。この場合も、医療法人は親族ではない理事(=管理者)に任せて、合法的な名義貸しの医院経営や病院経営が行えます。

こちらは、先ほどの個人で持分を所有していたケースと違い、院長先生に相続が発生しても、一般社団法人には持分がないため、遺産分割の対象となりません。

そのため、相続における親族の争いを防ぐ目的で、一般社団法人が頂点に立つという方法はあり得ます。それでも、そもそも、持分の定めのある医療法人(下記の図では、医療法人Aと医療法人B)を持分の定めのない医療法人に変えてしまえば、親族の争いは防げますので、そこまで需要があるスキームではありません。

とはいえ、将来、持分の定めのある医療法人(下記の図では、医療法人Aと医療法人B)を売却するつもりがある場合には、持分はそのままにしておくはずです。それならば、一般社団法人を設立するメリットはあります。

なお、遺産分割の対象とはなりませんが、一般社団法人の理事を親族が2分の1超を占めていると相続税はかかります。親族とは、「配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族」となりますので、一般的にこれ以外の第三者を、一般社団法人の運営に参加させることはないでしょう。

そのため、原則として、一般社団法人に相続税はかかると考えてください。

 

③ MS法人などにも、医療法人のグループに出資させる方法

個人の院長先生や一般社団が、複数の医療法人を設立するというケースは少ないはずです。
それならば、そもそも分院を立ち上げた方が早いからです。そのため、院長先生が複数の医療法人を経営している理由は、M&Aで買収してきたと想定されます。

買収してくるお金ですが、院長先生が個人で貯めるのは、不可能に近いのです。理由は、所得税率が最大で55%にも達するためです。

例えば、1億円で医療法人を買収しようとすると、2億2,000万円もの給与がないと貯まりません。また、一般社団法人も今から新たに設立するならば、お金がありませんので、院長先生が貸し付けるしかありません。

とすれば、院長個人のお金ですので、結局、所得税を支払って貯める必要があります。
一方、MS法人などの株式会社ならば、法人税率は33%ですので、1億5000万円の利益で1億円が貯まります。個人事業主として医院や病院を開業していた院長先生が、業務委託手数料などを支払っているケースが多く見受けられます。

というのも、個人事業主の所得税率は高いため、MS法人に手数料を支払うだけで、かなり節税となるためです。

また、MS法人の社長に配偶者などが就任していれば、給与を支払うこともできて、所得も分散できます。ということで、MS法人にお金が貯まっていれば、それを使う方法があります。

ただし、MS法人は持分の定めのある医療法人(上図では、医療法人Aと医療法人B)に出資できても、社員としての議決権がありません。それでも、院長先生が社員として参加するときに、出資は必要ありませんので、資金的な問題は起こらないはずです。

また、持分の定めのない医療法人(上図では、医療法人C)には持分がないため、MS法人は社員としては参加できません。その場合でも、買収してくるときには、MS法人からお金を貸し付けて、元理事長に退職金を支払うなどの方法を取ります。

ただし、このグループ経営では、MS法人の株式の相続について、親族で争う可能性があります。

そのため、MS法人を設立するときには、院長先生が株主ではなく、後継者を株主にすべきです。

もし後継者が決まっていなければ、相続税の対策として、最低でも配偶者を株主にしてください。最初にMS法人を設立するときには、資本金は100万円程度で構いません。後継者が未成年であったり、配偶者が専業主婦でも、院長先生が100万円を贈与すればよいだけです。1年間で110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりませんし、申告も必要ありません。

今回は、グループ経営を解説しましたが、医療法人をいくつも所有するのではなく、分院を出店することでも、合法的な名義貸しを行うことができます。次回のブログでは、医療法人の分院について解説していきます。

 

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