院長が医療法人の会長になるときに退職金を支払う場合に、必ずチェックすること②

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2018/01/20
院長が医療法人の会長になるときに退職金を支払う場合に、必ずチェックすること②

前回の記事では、持分のなしの医療法人で院長先生が理事長の座を子供に譲り、自分が理事または勤務医として働くとき(分掌変更したとき)に退職金を支払う場合の注意点を列挙しました。

例えば、院長先生の最終月額報酬が300万円で、勤続年数が30年であれば、最大で2億7000万円もの退職金を支払うことができます。

院長先生が理事や勤務医を退任するときに、理事長時代の分も含めて通算して退職金をもらえば何の問題もありません。

ところが分掌変更するときに退職金を一度受け取りたい場合には、税務調査で否認されない対策が必要です。

退職金は金額が大きいため、税務調査でも焦点になりやすいのです。しかも、院長先生が辞めていないという判断が下った場合、全額が役員賞与となり経費として計上できないことになります。この場合、退職金を経費としていた医療法人は法人税を過少に支払っていたとして、法人税を追加で支払うとともにペナルティの税金もかかります。

院長先生は安い所得税を支払っていたとして、所得税を追加で支払うとともにやはりペナルティの税金がかかります。さらに医療法人は退職金ではなく役員賞与であったとして、源泉徴収する金額が不足していたことになり、それに関するペナルティも支払うことになるのです。

そもそも退職金の金額が大きいため、ペナルティもびっくりする金額となってしまうはずです。これを回避するためにも分掌変更のときに退職金を支払う場合には、かなり慎重に対応する必要があります。

そこで前回の記事でも列挙しましたが、下記が、分掌変更するときの注意点となります。

理事長を辞めるのですから、名刺を捨てることも、ホームページから名前を削除するのも当たり前です。

理事長ではないのにホームページにそのまま載っていれば、監督官庁である都道府県からも指導を受けることにもなります。

そして上記の中でもっとも注意すべきことは、「融資などに伴う銀行員との面談」です。

院長先生が「自分の信用で借りているのだから、出席しないと」などと思って面談してしまうと、医療法人にとって融資は重要な経営上の意思決定事項です。

あとで、税務調査があったときに銀行に反面調査に入れば、銀行員は必ず報告書を作成していますので、それを確認して院長先生が同席していたことはすぐにバレます。それ以外にも、税務調査では看護師や窓口の従業員に聞き取り調査を行うこともあります。そこで、「院長先生はまったく以前と変わらずに、指導しています」などと回答されたら、経営に参加しているとみられてしまうのです。

実際に医療法人が分掌変更で否認された事例があります。

これ以外にも分掌変更で敗訴している医療法人の事例があります。

2つの事例を紹介しましたが、他にも医療法人が敗訴している事案があります。そもそも国税不服審判所や裁判で争う医療法人は少ないはずです。ということは、

現場ではもっと多くの医療法人の分掌変更の否認事例があるのです。

あなたも、これに該当しないように気を付けるべきです。

ここまでは、持分なしの医療法人のことを前提に解説してきました。次回の記事では、持分ありの医療法人の分掌変更について考えていきます。

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