立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

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2020/12/10
立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

突然、院長先生から慌てた声で、

「普通に医院経営をしているだけなのに、突然、指導が来ることになった。どう対応したらよいのか、分からないので教えて欲しい」

という問い合わせをもらうことがあります。

ただし、よくよく聞いてみますと指導ではなく、立入検査ということがよくあります。立入検査とは、医療監視とも呼ばれますが、下記の医療法25条を根拠にした、医院や病院を対象にする検査となります。

立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

検査ということは、その検査で問題がなければ、何のお咎めもなく、問題があれば、適正化のための指導や行政処分が行われることになります。

上記のうち、医療法25①の検査が一般的であり、定期的に行われています。

医療法25①の具体的な内容については、各市町村が、「立入検査実施要綱」という形で作成していて、それぞれで内容が異なります。そのため、詳細を知るためには、自分の医院や病院が存在する市町村のHPからダウンロードしてもらうことになります。

例えば、下記は、千葉県船橋市の医療法25①についての「立入検査実施要綱」です。

http://www.success-idea.com/dl/202001012336.pdf

これを確認しますと、船橋市では、診療所には10年に1回の頻度で立入検査を行うと定めています。10年に1回しか行われないとすれば、医院や病院の院長先生が指導と勘違いしたり、立入検査というものに対して不慣れな理由も分かります。

この立入検査は、保健所が医療監視員を編成して行うため、潤沢に予算がある大都市は別にして、一般的に、診療所への立入検査はあまり頻繁には行われていないのが現状です。ここで、医療監視委員とは、医療法26条において定義されています。

立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

厚生労働省から公表されている統計データでは、医療監視員のうち、医師又は薬剤師、保健師、看護師などの技術系職員が3分の2を占め、残りの3分の1は事務系職員とされています。基本的には、国家公務員の採用試験に受かり、都道府県に設置してある保健所に配属されるのですが、大学卒業資格と公立医療機関での2~3年の勤務経験が必要とされています。それでも、十分な経験があるとは言えず、立入検査における指摘が間違っていることも多く見受けられます。

例えば、下記のような事項です。

【指摘内容】
診療所の管理者の届出をしている者は、医院や病院の診療時間中はかならず常勤していなくてはいけない。

【正しい理解】
医療法では、管理者が兼業してはいけないという記載はありません。基本的に、32時間以上勤務していれば、常勤医師と定義されているのです。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9538&dataType=1&pageNo=3

立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

そもそも、院長先生が学会に出席するときに、他の勤務医の先生に代わりに診療を行ってもらう代診は、よくあることです。

【指摘内容】
診療所は非営利な団体なので、コンタクトレンズやサプリメントを販売してはいけない。

【正しい理解】
医療法では、医療法人は非営利団体と定義されていますが、個人事業者の診療所まで非営利団体という定義はありません。

このように、医療監視員に指摘されたときには、それが医療法などどこに根拠があるのか、必ず、確認する必要があります。

特に、どこかのHPに記載してあるとか、前例でそうなっているという回答で納得してはいけません。法律や財務省令、厚生労働省からの通知、もしくは中央社会保険医療協議会(中医協)が作成した資料など、根拠元を問いただすべきです。

ということで、こちらも立入検査実施要綱を事前に読んで準備しておくべきです。

特に、先ほどの船橋市では、診療所に対する医療法25条①の立入検査は10年に1回としていますので、以前に立入検査の経験があったとしても、最新の情報を取り入れておくべきです。
厚生労働省医政局からは、毎年、「医療法25条1項の規定に基づく立入検査の実施について」という通知を公表しています。

「医療法25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」
http://www.success-idea.com/dl/202001019987.pdf
http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20200903_01.pdf

「令和2年度の医療法25条1項の規定に基づく立入検査の実施について」
http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20200903_02.pdf

そして、平成9年6月27日に公表された「医療監視の実施方法等の見直しについて」には、下記と規定されています。

立入検査が入るならば、事前に「立入検査要綱」を読んでおきましょう。

つまり、院長先生が朝、診療所に行ったら、玄関の前に医療監視員がいて、「今から検査を行います」ということはなく、「最長でもおおむね1週間から10日間前に事前通告を行う」とされているのです。1週間以上の余裕があれば、立入検査実施要綱も十分に読み込めるはずです。

なお、ここまで医療法25①の立入検査について解説してきましたが、医療法25②の立入検査もあり得ます。

それでも法律上、

「業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるとき」

と定義されています。

こちらは重大事件に発展して、テレビニュースになるような案件の立入検査となります。そのため、医療法25②の立入検査については、事前通告などなかったり、医療監視員以外の職員も行うことになります。これは、通常の医療監視員だけでは人数が足りず、大掛かりな立入検査に対応するためです。それでも、診療所が医療法25②に該当するような立入検査の対象になることはないはずです。

とにかく、医院や病院の院長先生は立入検査の通知があったら、市町村のホームページから医療法25①の立入検査実施要綱をダウンロードして、事前に確認しておいてください。

今回は立入検査の事前対応を確認しましたが、次のブログでは、立入検査の後の対応について、解説します。

 

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