医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

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2020/01/20
医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

医療法人の設立の認可が取り消された事例があります。もちろん、医療法人が解散させられても、院長先生が個人事業主として医院経営や病院経営を続けることはできます。

ただし、新聞報道などで医院や病院の名称、さらには院長先生の名前が公表されると、周辺住民の知るところになります。また、院長先生が個人で保険医の登録のための申請をしても、受理されるかは分かりません。そのため、設立認可が取り消されないために、どのようなことが原因で取り消されてしまうのかを、事前に知っておきましょう。

 

① 医療法65条の規定を確認する

医療法65条において、下記のように規定されています。

医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

このことから、下記の2つのケースに該当すると、法令上、認可が取消となります。

医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

これらは、医療法に規定されていることですので、基本的には主務官庁である都道府県(政令都市は、市となります)は遵守します。それでは、都道府県の担当者は、どのようにして医療法人が休止していることを知るのでしょうか?

医療法人は決算日から3か月以内に、事業報告書を都道府県に提出する義務があります。そこには決算書の内容を記載したものを添付しますので、医業収益がゼロであれば、1年間休止であったことが分かります。

ただし、実際に休止している医療法人には従業員などは在籍しておらず、顧問税理士などもいないことも多く、そもそも事業報告書が提出されません。つまり、実務的には事業報告書が提出されないため、それについて医療法人の院長先生のところに直接連絡があったり、または立入検査などによって、休止している事実を把握するのです。

それでも、医療法人が正当な理由で医療施設の開設が1年以上遅れた場合には、都道府県は認可の取り消しはできません。

「正当な理由」の具体例としては、天災等の院長先生の責任に帰さない理由で、不測の事態で1年以内に開業できない場合などが挙げられます。実際に、医院開業しようと建物の内装を建築していて完成が近い段階で、台風による河川の氾濫によって浸水し、すべて使い物にならなくなったケースもあります。そのため、天災によって不測の事態に陥った場合には、すぐに都道府県の担当者に相談するようにしましょう。

 

② 医療法66条の規定を確認する

医療法66条において、下記のように規定されています。

医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

こちらは、漠然と医療法人が法令違反した場合に取り消すとしています。ただし、その場合でも、都道府県医療審議会の意見を聞くことになっていますので、医療法人の院長先生は、そこで弁明の機会は与えられています。とはいえ、法令違反には重大なものから、軽微なものまでありますので、どのような法令違反が取り消しの原因になるのでしょうか?

過去に医療法人の認可を取り消された事例を見てみましょう。

東京都は、平成18年11月28日に練馬区において介護老人保健施設である「すずしろの郷」を運営していた医療法人社団杏稜会の設立認可を取り消す決定をしました。

下記が、当時の報道内容です。

医療法人の設立認可が取消された事例から、その対策を考えてみよう

上記の報道内容では行政指導という部分が強調されていますが、どのような指導かははっきりしません。最終的には、医療法人において、医療法に定める自己資本要件である自己資本比率20%以上(現在はこの規定は廃止されている)が満たせず、決算の届出を提出していないという理由から、法令違反となり、それを根拠に認可を取り消しています。

医療法に違反していて、それを改善するように指導したのに、回復できる見込みがないので認可を取り消したということなのです。

ここで重要なことは、自己資本比率が満たせない、決算の届出の提出がないなど、院長先生から見れば、それほど重大な原因ではないように思えることが、根拠となっているということです。

院長先生の中には、

「これぐらいのレベルの医療法の違反であれば、問題になることはないだろう」

という発言をする人もいます。

上記の医療法人の認可の取り消し事例から分かることは、院長先生がその重大さを判断してはいけないということです。

例えば、立入検査のときに、いろいろと疑わしい行動が発見されたり、それに対して都道府県の担当者から指導があるにも関わらず、それに応じないという事実があったとします。それでも、疑わしいだけでは医療法人の認可を取り消すことはできません。ただし、そのときに「医療法違反」という事実が発見されれば、認可を取り消すための口実として使われてしまうのです。

そのため、医療法人として医療法は完ぺきに遵守するということを前提に医院経営や病院経営を行っていくべきです。

 

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