介護医療院という新しい制度の医院に転換すべきなのか ①

住所
  • tel:03-3539-3047
  • 初回相談料の特典はコチラ
医院経営/病院経営コンサルティング > 医療法人制度の基礎知識と理事長がやるべきこと > 介護医療院という新しい制度の医院に転換すべきなのか ①
2018/08/10
介護医療院という新しい制度の医院に転換すべきなのか ①

医療法の39条が、下記のように改正されました。

「第三十九条 病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができる。」

医療法人の本来業務を規定する条項ですが、ここに介護医療院が追加されたのです。

そのため、今後、介護医療院という医院や病院が増えることを意味します。医院や病院といっても、個人事業主ではなく、病棟がある医療法人が介護医療院になると想定されています。

そもそも、療養型医療施設には、医療療養型医療施設と介護療養型医療施設の2種類がありました。名称の通り、医療療養型医療施設とは、医療の必要性が高い患者が入所します。一方の介護療養型医療施設では、病状は安定しているけど日常生活の上で医療が必要な要介護者が入所します。介護療養型医療施設といっても、医院や病院が運営していますので、医師や看護師の配置基準は介護保険施設の中では最も高く設定されています。

例えば、入居者48人に対して医師は1人以上が常勤、入居者6人に対して常勤の看護職員と介護職員がそれぞれ1人以上の配置が義務付けられています。そのため、胃ろう、カテーテル、インスリン治療、たん吸引などの医療ケアが常時必要な方や寝たきりの方にとっては利用価値の高い施設です。さらに一般病棟を併設している医院や病院も多く、容態が悪化すればすぐに一般病棟に移ることもできます。さらに専門的なリハビリ知識を持った理学療法士や作業療法士の配置も義務付けられていますので、機能訓練をしっかりと受けられる体制も整っています。

それなのに、入所の条件としては、原則として65歳以上で「要介護1」以上の介護認定を受けていることだけです。

しかも介護付き老人ホームなどと違い、入居一時金も必要なく、介護度が高くても入所できるなど、要介護者が入所しやすい介護療養型医療施設のはずでした。

ところが、実際には入所できない人があふれたのです。
まず下記は、厚生労働省が発表した介護施設ごとに平均在所日数です。
介護老人福祉施設は1,405日とダントツで長いですが、介護療養型医療施設でも484日もあります。介護療養型医療施設は、医院や病院のベッドですから終身利用権があるわけではなく、自宅に戻ってもらうことが前提でしたが、平均で1.3年も入所しているのです。

さらに、下記も厚生労働省が発表している介護施設ごとの退所者の理由です。実は、介護療養型医療施設に入所した人の47.2%がそのまま亡くなっているのです。これでは、自宅に帰ってもらうことが前提としての医院や病院とは考えられません。

結果、介護療養型医療施設は手厚い医療によって医療費の高騰を招いているのに、入所日数が長いことでベッドに空きがなく、入居できない人もたくさんいるという批判を受けました。1人当たりの医療費が高騰すれば、限られた予算の中で他の人に回せなくなります。

さらに長期間入所しているのに、医院や病院ですので行事やリクリエーションはなく、体操という余暇活動も少ないため、要介護者にとっても楽しいとは言えません。そこで、介護療養型医療施設は、昨年度の2017年度末で廃止されることになりました。

ただ突然廃止にはできないため、他の施設への移行期間を2024年3月末までと決めたのです。
そして、この受け皿として、介護医療院という施設を作りました。すべての介護療養型医療施設が介護医療院に転換されるわけではないですが、多くの院長先生が検討に入っているはずです。

厚生労働省の定義では、介護医療院とは、

「要介護者に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する。(介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は医療提供施設として法的に位置づける。)」

としています。

厚生労働省としては、あくまで医療提供施設と位置付けていますので、今までの医院や病院名はそのまま使えます。

介護療養型医療施設(療養病床)と決定的に違うところは、住まいの機能を持っている介護施設だということです。

そのため、日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れも積極的に行い、看取りや終末期ケアの機能も持つことになります。つまり、入居者にとっては「住まい=自宅」となるため、ずっと住み続けることが前提となります。ということで、医院や病院は個人のプライバシーの観点からも、個室にする必要があります。

もともと介護療養型医療施設は医院や病院のベッドです。
そのため、2人部屋や4人部屋の入院施設であれば、カーテンだけで仕切られています。基本的に、自宅に帰ることが大前提であり、居住する場所ではないからカーテンだけで十分なのです。これを介護医療院に転換するためには、医院や病院はベッドごとに壁を造るなど大規模な内装工事が必要となります。

それでも最初から投資基金額が大きいと転換を躊躇する医院や病院があると予想されるため、家具、パーティション、カーテン等の組合せにより、入所者のプライバシーを確保できるならば、それでもよいことになりました。残念なことに、これについての補助金や助成金などは設定されていません。それでは、介護医療院の具体的な施設の基準は、どのように設定されたのでしょうか?

これについては、次回のブログで確認していきます。

 

facebook
twitter
google+

コンサルタント必見の書籍 医院経営のからくり