第三者となる医療法人同士が合併するときに、注意すべき点を教えて欲しい

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2019/10/10
第三者となる医療法人同士が合併するときに、注意すべき点を教えて欲しい

下記は、令和元年9月26日の日経新聞の記事となります。

このように政府は、2025年までの目標としている病床の削減を実現するために、具体的な行動に移り始めています。これは公立病院に限られた話ではありません。

というのも、民間病院の病床を削減させるために、つまり返還させるために、厚生労働省が診療報酬の点数を変動させることで、経済誘導しているのです。公立病院は赤字でも経営が続けられてしまうため、直接指導しているだけなのです。今後は、病床の規模を増やして利益を確保するために民間の病院の間でもM&Aが行われていくことが推測されます。

このとき、事業譲渡という方法でM&Aは行われません。

事業譲渡となると、患者とは再契約を行い、医師と看護師は一旦退職して新たな雇用契約を締結し、医薬品会社とも再契約を行い、銀行の借入金も借り換えが必要となり、リースしている医療機器は買い取り、賃貸している駐車場などがあれば、大家と交渉して地位の譲渡を行い・・・・などと、すべての契約を個別に移転させる手続きが必要となります。それに、そもそも病床がそのまま引き継げないため、主務官庁である都道府県の承認も不可欠となるのです。

M&Aの対象となる医院や病院が大きいほど、膨大な時間がかかるだけではなく、そもそも同じ条件で再契約できない可能性もあります。特に、病院から離れた駐車場などは地主が別の使い道があれば、これを機に再契約に応じない可能性もあります。となれば、駐車場が確保できないという事態にも陥るかもしれません。そこで、通常は医療法人同士の合併という手法が取られます。

合併であれば、被合併会社、つまり消滅する医療法人の資産や負債も含めて、すべての契約が存続する医療法人に包括的に引き継がれるのです。

具体的な手続きは、下記となります。

この手付きの中で、もっとも勘違いしやすい手続きは、「⑥ 医療法人が債権者へ2か月間の催告(医療法58条の4)」となります。

条文では、

「医療法人は、前条第一項の期間内に、その債権者に対し、異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければならない。ただし、その期間は、二月を下ることができない。」

とされています。

公告とは、原則、官報公告となりますので、2週間ぐらい前から予約して必要な事項を載せておくだけで問題ありません。それでも、銀行にはこの官報公告だけを毎日、チェックしている部署があります。

もし事前に銀行に合併のことを通知していないと、あとでもめる原因にもなりますので、必ず、公告する前に伝えて了承をもらっておいてください。これは、合併して消滅する医療法人の債権者である銀行だけではなく、存続する医療法人の債権者である銀行にも、同じように了承をもらってください。

さらに、「判明している債権者」に対して各別に催告となっていますが、これは合併するときの決算書に計上されている債権者にはすべて合併するという通知を送るという意味です。

それに反対する債権者が現れたら、返済する義務が発生します。1人も漏らさずに通知する必要がありますが、金額が僅少なもの、及び水道光熱費のような公的な機関には送っていないのが現状です。それでも、あとからもめそうな債権者がいれば、必ず通知しておくべです。

ここまでは手続きの話しでしたが、医療法人には大きく分けて財団と社団の2種類があります。これについては、第7次医療法の改正で、どのような合併でも認められることになりました。

次に、財団はすべて持分のない医療法人ですが、社団には、持分のない医療法人だけではなく、持分のある医療法人も存在します。これらも含めて合併の類型については、下記となります。

このことから、持分のある社団が、合併後に持分のない社団、または財団になってしまうと、持分を放棄したことになり、合併したと同時に医療法人に多額の贈与税がかかってしまうのです。

持分のない社団や財団は、もともと持分がないため、合併したあと持分がない社団になろうが、財団になろうが、問題ないのです。

ということで、持分のある医療法人が合併するときには、合併後の類型がどのようになるのかを注意しておかないと、あとで取り返しのつかないことになります。どうしても、持分のない医療法人や財団法人と合併しなくてはいけないという事態になったら、認定医療法人などを申請して、事前に持分のない医療法人になってから合併する必要があります。

ここでもう一度、確認して欲しいのは、持分のある医療法人が消滅会社となっても、存続会社となっても、この課税関係は変わらないということです。

認定医療法人の手続きは最低でも7年間はかかりますので、将来、高い確率で合併するだろうと予想しているならば、早めに動き出すべきです。

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