個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

住所
  • tel:03-3539-3047
  • 初回相談料の特典はコチラ
医院経営/病院経営コンサルティング > 医院・病院の成功するM&Aの手法を大公開 > 個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②
2020/03/20
個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

個人事業主の医院や病院を買収してきたときの注意点は、下記の4つとなります。

個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

前回のブログの「その1」では、「(1)初年度の経費と減価償却費は、できるだけ多額に計上する」という解説をしました。あなたが買収する側に立っていると仮定して、今回は、それに続く注意点を解説していきます。

 

(2) 銀行へ支払う利息は、できるだけ経費とする

個人事業主の医院や病院を買収するときには、院長先生が所有する資産をすべて購入すれば、通常は終わります。原則、院長先生が銀行から借金があっても、それを引き継ぐことはありません。あなたが買収する側であれば、新たに銀行から借金をするからです。

銀行も、医院や病院の買収のためのお金を貸してくれます。その結果、院長先生には、M&Aで売却したお金が入ってきますので、それで銀行へ返済します。医療機器をリースで組んでいても、その連帯保証人を引き継ぐこともほとんどありません。

そもそも、院長先生が医院や病院を売却しようと計画したら、その直後にリースを組むことはしません。そのため、医院や病院のM&Aの場面では、院長先生が病気となって急遽、売却するという理由がない限り、リースの残債はほとんどゼロとなっていることが多いのです。

ということで、買収したあとも医院や病院で医療機器が必要と考えれば、リース会社から購入してしまうはずです。

このとき、注意すべきことがあります。

それは、銀行から借金をして資産を購入したあと、業務を開始するまでに発生した利息は一度に経費にはならないことです。

これらは固定資産の取得価額に加算して、減価償却費によって経費となるのです。このことから、医院や病院を買収したら、すぐに事業を引き継いで始めることが大切です。支払った利息が経費にならなければ、お金は出ているのに、利益が増えて所得税を支払うハメになるためです。

なお、すでに事業を開始しているが、たまたま固定資産を使用していないという場合には、その間の利息は取得価額に加算するか、経費として計上するかを選択できます。当然、経費として計上しましょう。その方が、所得税が安くなります。

個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

 

(3) 従業員の退職金は見えない負債となる

退職金は、退職する時までに提供された看護師や従業員の労務の対価として、後払いの性格を持ちます。退職したあと引退する人もいますし、すぐに次の転職先が見つからない人もいます。それなのに、退職金に多額の所得税をかけるとかわいそうなので、かなり優遇されています。

そのため、看護師や従業員としては給料が少しぐらい抑えられていても、その分、多い退職金がもらえるならば、納得するのです。院長先生が医院や病院を売却するとお互いの雇用契約は終了して、買収した側と新たに雇用契約を締結することになります。

このとき、院長先生が退職金を支払ってくれればよいのですが、それを行わない場合には、買収した側がその義務を引き継ぐことが通例です。

つまり、将来、看護師や従業員が辞めたときには、買収する前の期間にかかる退職金も含めて支払う必要があるのです。とすれば、買収するときの売買価額から、この退職金を計算して控除しなければいけません。

例えば、買収する資産の総額が3,000万円、営業権が2,000万円として合計5,000万円が、院長先生の希望の売買価額だったとします。ところが、その時点での看護師や従業員に支払うべき退職金を計算してみると、合計600万円になりました。これを加味して、4,400万円で買収すると伝えるべきです。

個人医院をM&Aで買収してくるときの4つの注意点とは②

このとき、注意すべきことがあります。

それは、就業規則や雇用契約書に退職金について記載があることが多いので、それを必ず確認して買収する前の退職金を正確に計算することです。

ときどき売却する側の院長先生やM&Aの仲介会社が計算した退職金の金額を鵜呑みにして引き継いだら、それよりかなり高額な退職金を請求されたという事例もあります。

また、「今まで、従業員が辞めたときに退職金なんて支給したことがない」と聞いていたのに、看護師との雇用契約書にだけは退職金の記載があり、それを請求されたという事例もあります。

結局、将来、買収した側が高額な退職金を支払うことになっても、M&Aの契約書にそのことについての言及がなければ、あとから請求はできません。支払わなければ、働いている看護師や従業員にも動揺が広がってしまうため、退職金を減額することもできません。

これらは、隠れている負債となりますので、必ず、見つけ出して正確に把握することが大切です。

なお、医院や病院を売却する個人事業主の院長先生は、自分に退職金を支払うことはできません。奥様が医院経営や病院経営を手伝っていて青色専従者給与を受け取っていたとしても、その奥様に退職金を支払うこともできません。

次回のブログで、最後の注意点について解説します。

 

facebook
twitter
google+

コンサルタント必見の書籍 医院経営のからくり