病院の入院収益を分解すれば、改善する方法が分かる

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2019/07/10
病院の入院収益を分解すれば、改善する方法が分かる

病床がある場合の医院経営や病院経営は外来についてだけではなく、入院収益を上げることそして、利益率を改善することが必要となります。ここでは、急性期の病床を持つ医院や病院を前提にします。

そもそも許可ベッドの利用状況を表す病床利用率が80%未満の場合には、入院部門は赤字となります。

ただし、院長先生が「病床利用率を上げるように、努力しよう」と言っても看護師や従業員は具体的に何をすべきか、分かりません。そこで、入院収益の項目を分解していき、医院や病院は何をすべきかを考えていきます。

まず、入院収益は下記のように分解できます。

この2つの項目を詳細に分解することで、何をすべきかが分かります。

 

(1) 患者1人当たりの入院収益について

入院収益を分解した1つ目の項目である「患者1人当たりの入院収益」は2つの項目に分解できます。

まず、1日入院単価とは、患者1人1日平均の入院単価のことです。入院単価は、時期によっても変わります。

例えば、年末年始や夏のお盆の時期になると長期入院の患者も家に帰るなどして退院するため、入院単価は下がります。特に、成人ではなく子供が入院している場合には、年末年始やお盆の時期に外泊を制限することは難しい面があります。それでも、そもそも外泊できる状態の患者が多いのに、急性期の病床としているならば、問題もあります。とにかく、1日入院単価は外泊を制限するなど一定のルールを作ることぐらいしか、対策方法はありません。

次に、平均在院日数とは、下記の項目に分解できます。

普通に考えると平均在院日数は長い方が、入院収益は上がりそうです。ところが、DPC制度(入院医療費の包括支払い制度)が導入されたことにより、患者が長期間入院すると医院や病院の入院収益が減るという構造になっています。当然、急性期の病床がある医院や病院であればDPC制度を採用しているはずです。それに、患者にとっても平均在院日数が短い方が、早く家に戻れるというメリットがあります。

そこで、平均在院日数をどのように短縮していくかは、医院経営や病院経営において重要な課題となっています。基本的には、正確な診断と適切な治療を実行することから始まり、合併症にならないように医療ミスをなくす努力、効果的なリハビリの提案、患者の退院後の支援を診療所と連携するなどが対策方法となります。

これらの地道な努力の積み重ねが、平均在院日数を短縮することにつながります。平均在院日数は病気の種類によっても変わってきますので、他の医院や病院の指標と比べても意味はありません。

白内障の手術であれば1泊2日で十分ですが、心臓バイパス手術や胃がんの開腹手術であれば平均で1ヶ月以上の入院が必要となるはずです。同じ原因の病気であっても、患者の体力や合併症の有無によって、平均在院日数は変わってきます。

平均在院日数については、医院や病院で傷病の種類ごとに把握して、それぞれで平均在院日数を短縮していく目標を立てましょう。そして1年単位ではなく、半年単位、短ければ3か月単位で推移を比べてください。

ということで、平均在院日数が短縮できれば、1つ目の項目である「1日入院単価」は上がることになります。

 

(2) 入院患者数について

まず、入院収益を分解した2つ目の項目である「入院患者数」は3つの項目に分解できます。

許可ベッド数を今から増床させることは、難しい状況です。

次に、病床利用率とは、許可ベッド数に対して入院患者が、どれくらいの割合で利用で来ているのかの指標です。

許可ベッド数は増床できないとしたら、延入院患者数を増やせば病床利用率が上がることになります。

この病床利用率は、一般病棟だけではなく、療養型病棟や回復期病棟などもあれば、病棟ごとに病床利用率の推移を把握する必要があります。それでも、一般病棟の病床利用率をもっとも高くする必要があり、入院収益への影響も大きくなります。

さらに、最後の病床回転率については項目を分解することができます。

ここでも平均在院日数の項目が出てきました。

平均在院日数を短縮することで、数式からは病床の回転率は上がります。

ところが、現実には平均在院日数を短縮すると、次に入院する患者がいないとベッドが空いてしまい、病床利用率が80%を切ってしまうのです。

受け入れる患者数を増やすために、周辺の診療所との連携を密にするだけではなく、地域医療連携会との交流も積極的に行うべきです。

以上のことから、病床利用率を80%以上に維持しながら、平均在院日数を短縮していくことができれば、2つ目の項目である「入院患者数」を増やすことができるのです。

 

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