教育資金であれば、一括で贈与しても贈与税がかかりません ①

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2019/06/10
教育資金であれば、一括で贈与しても贈与税がかかりません ①

院長先生の子供が医学部に入学する確率は、一般の家庭に比べるとかなり高いと想定されます。実際に、私の顧問先の医院や病院の院長先生の子供の約80%が医師になっています。医学部の入学金から6年間、その後の研修医の期間も含めれば、かなりの長期間は収入がほとんどゼロで、多額の学費がかかります。

国公立大学の医学部に入学できれば、そこまで学費は高額とはならないと考えるかもしれません。ただし、学費とは学校に支払うお金だけではなく、小学校から通う塾代、家庭教師代も含めて考えるべきであり、合算すれば高額となります。3人兄弟の子供をすべて医学部に入学させた院長先生もいましたが、3人が卒業するまではほとんど貯金ができない状態でした。

この学費について、「個人事業主である院長先生の必要経費に計上できないか?」、または「医療法人の経費に計上できないか?」と質問されることがあります。当然、その子供がかなり将来とはいえ、医院や病院を継ぐことが前提です。

ところが、塾代などだけではなく、大学の学費も経費として計上することはできません。これが結論なのですが、これはあくまで所得税と法人税の話なのです。

実は、相続税や贈与税では、教育資金について特例的な措置があるのです。

贈与税は、贈与される人が1年間で110万円までならば非課税となっています。それでは、例えば、地方出身者の子供が東京の大学の医学部に入学したので、下宿することになりました。親は仕送りとして、家賃も含めて毎月20万円を子供に渡したとします。年間240万円なので、子供に贈与税がかかるかと言えば、そんなはずはありません。

これは扶養義務がある人から生活費や教育資金を贈与されても、贈与税は非課税とされているためです。110万円に加算もされず、一切の税金がかかりません。

扶養義務のある人とは、下記の人たちです。

ここで注意すべきは、番号が扶養義務の順番を表しているわけでないことです。つまり、両親と子供が同居している中で、別居している祖父母が孫の医学部の入学金である1,000万円を贈与したとしても、贈与税はかかりません。

別居している祖父母にも孫を扶養する義務があるからです。

祖父母の財産が減らせることは、将来の相続税の節税対策になります。そのため、積極的に孫の教育資金を贈与した方が得なのですが、原則として将来の学費までは渡すことができません。

例えば、小学生の孫に医学部の入学金である1,000万円を先に渡せば、他のものを買うこともできてしまうため、贈与税がかかるのです。ところが例外として、一定の条件を満たした場合には、先渡しをしても贈与税がかからない特例があるのです。

このとき、
「教育資金はその都度渡せば、贈与税がかからないので先に渡す必要はないのでは?」
と考える院長先生もいます。

しかし、祖父母に認知症が発症すれば、その都度の贈与はできなくなります。また、孫が医学部に入学する前に祖父母が亡くなってしまえば、その時点で残っているお金に相続税がかかり、残ったお金を使うことになります。さらに、祖父母が亡くなった日から3年前までの贈与はなかったものとみなされて、相続財産に組み込まれて相続税がかかることになっています。

これは、相続が発生する直前となると病院代などがあるため、親族がお金を下ろしてしまうことが多いためです。あとから現金について借りたのか、贈与されたのか、任意で決定できてしまうと簡単に節税できてしまいます。

ということで、一律贈与はなかったものとみなしているのです。それでも、3年以内に支払った贈与税は、相続税から差し引いてもらえます。ただし、「3年間の合計の贈与税>相続税」となった場合には、差額は還付されません。このように、その都度贈与していると相続税が節税できない事態もあり得るのです。

そこで、「教育資金の一括贈与の特例」を使うとこのようなデメリットはなくなります。

手続きとしては、銀行の窓口に行って孫の教育資金用の口座を開設します。そのあと、祖父母が自分の口座から、そこにお金を振り込むだけです。孫1人につき1,500万円ですので、4人いたら最大で6,000万円まで無税で贈与できるのです。

そのあと、孫は教育資金に使った領収書と引き換えに、お金を引き出していきます。孫の年齢が小さいときには、引き出しは親が代わりに行います。結局、銀行が領収書を受け取り、その使い道に関してのチェック機能を果たしているのです。

孫に多額のお金を贈与すると教育上よくないと考える祖父母が多い中、その不安を解消できることから、大変多く利用されています。

この制度のよいところは、贈与者も受贈者にも厳しい要件がないことです。

唯一、受贈者について「贈与された日の属する年の前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この制度を適用できない」としています。しかし、通常の受贈者は赤ちゃんや小学生ぐらいを想定しているため、所得があるはずもありません。

大学生の孫に贈与するとしても、所得制限でかかる人はまずいないでしょう。この制度を知らなかった、または知っていたけどまだ贈与していないという人がいれば、ぜひ活用することをお勧めします。

さらに、使い道となる教育資金の範囲について、次のブログで確認していきます。

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