医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

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2020/09/20
医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

青色申告書を提出している医療法人は欠損金(赤字)が発生したときには、それを将来10年間に渡って繰り越すことができます。

そのあと10年以内に発生した黒字と通算すれば、その分の法人税は節約されます。
ここで、青色申告書を提出していることが条件ですが、一般的に、白色申告を行っている医療法人はないはずです。ちなみに、白色申告になってしまうのは、下記のどちらかに該当した場合などです。

医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

②はないとしても、①は注意するようにしましょう。下記の図は、医療法人の決算日が12月末という仮定で作成しています。

医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

令和2年12月末決算ということは、令和2年1月1日から、令和2年12月末までの1年間が事業年度となるため、医業収益は大きく下がり、赤字になることが予想されます。上記の図において、「赤字500」とは、令和2年12月末が決算日で、そこから3か月以内に申告書を税務署に提出するため、そのときに、500の赤字が判明したという意味です。

つまり、「令和2年1月1日から、令和2年12月末まで」の事業年度の赤字が500ということです。さらに、令和3年についても、現時点では医院経営や病院経営の医業収益の回復の見通しが立たず、300の赤字になると予想しました。

そして、令和4年になって、やっと400の黒字に転換できると予想しています。このとき、令和2年12月末決算の赤字500と通算できるため、令和4年は法人税の対象となる利益はゼロとなります。

将来の黒字と通算できる法人税法上の赤字については、古いものから先に充てていきます。とすると、令和2年12月決算の赤字が100残り、令和3年12月決算の赤字300は、そのまま残っているため、合算した400が翌年度に繰り越されることになります。結局、古い赤字から消えていくので、10年間も繰り越すことができれば、使われずに消滅してしまうことはあり得ません。一般的に、10年間もずっと赤字が続けば、医療法人は倒産してしまうはずだからです。

ところが、ここで考えて欲しいのは、上記の図では、令和4年12月末決算で黒字になると予想していますが、そんな保証はありません。それに、令和4年12月末決算の申告期限は、令和5年3月です。そのときになって、やっと資金繰りが改善できることになり、遅すぎます。今すぐに、資金繰りを改善したい医院や病院が多いのではないでしょうか?

確かに、銀行からお金を借りられたかもしれませんが、目標金額に達していない医院や病院もあるはずですし、予想以上に医業収益が下がっていて、資金繰りが悪化しているかもしれません。

そこで、令和2年12月末決算の赤字を、前事業年度の黒字と通算して、法人税を還付してもらうことができるのです。

下記の図で確認してみましょう。

医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

今、令和2年12月末決算の赤字は500でした。一方、令和元年12月末決算は、新型コロナウイルスの影響はまったくありませんので、黒字1,000だったとしましょう。とすれば、500の赤字を全部通算することができ、それに対応する法人税が還付されることになり、医療法人の資金繰りを改善できます。

ただし、法人事業税と法人住民税の地方税は還付されず、赤字を繰り越す方法しかありません。結局、国税のみが還付されるのですが、医療法人の場合には、自由診療の割合が大きくなければ、そもそも法人事業税はそれほど大きな金額ではないはずです。

なお、今までは、この制度は資本金が1億円以下の医療法人にのみ適用できていましたが、資本金が1億円超10 億円以下の医療法人についても、期間は限定されますが使えることになっています。(令和2年2月1日から令和4年1月 31 日までの間に終了する事業年度に生じた赤字のみ)

ここで、法人税を還付してもらうときには、注意点があります。それは、下記の条件を守らないと、還付してくれません。

医療法人が赤字となったら、法人税を還付してもらうことができる

まず、①は最初に解説しましたが、白色申告の医療法人はないはずです。次に、②ですが、現在、新型コロナウイルスの影響で、例えば、経理の従業員が出社できていない、医薬品メーカーが自粛していることで請求書や領収書が集められないなどで、決算が行えない場合には、自動的に申告期限が延長されます。そのため、今年に限っては、②を満たせない医療法人はないはずです。

最後の③が、もっとも重要な条件となります。医療法人が、欠損金を10年間繰り越すという意思決定をして、税務署に法人税の申告書を提出したとします。そのあと、予想以上に医療法人の資金繰りが悪化したことから、還付してもらう方針に変更して、再度、申告書を提出しなおせばよいという訳ではないという意味なのです。

つまり、最初に申告書を提出するときに、欠損金を10年間繰り越すのか、前事業年度の黒字と通算して法人税を還付してもらうか、将来の資金繰りを見据えて決定する必要があるのです。

とはいえ、基本的には医院や病院の医業収益が、いつ回復するのか、もしかしたらずっと戻らない可能性もあるので、原則、法人税は還付してもらいましょう。

 

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