新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

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2020/09/30
新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

青色申告書を提出している医療法人は欠損金(赤字)が発生したときには、それを将来10年間に渡って繰り越すことができます。または、前事業年度の黒字と通算して、前事業年度に支払った法人税を還付してもらえます。このとき、青色申告であることが条件だったのですが、下記のどちらかに該当しない限り、医療法人が白色申告になることはありません。

新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

ここで、12月末決算の医療法人を前提に考えてみます。下記の図において、黒字800というのは、平成30年12月末決算の医療法人が申告書を提出するのは、令和元年3月末までとなります。そのときまでに決算書を作成して、黒字が判明したという意味です。

つまり、「平成30年1月1日~平成30年12月末まで」の事業年度の黒字が800となりました。「令和元年1月1日~令和元年12月末まで」の事業年度の黒字は1,200となっています。まだ一切の新型コロナウイルスの影響はありませんでした。

一転して、「令和2年1月1日~令和2年12月末まで」は、大きく新型コロナウイルスの影響を受ける医療法人がほとんどですので、医業収益は激減して大赤字になると予想しています。ここでも、1,500の赤字になったとします。

新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

令和2年12月末決算の赤字は、最初に解説した通り、将来に繰り越して10年間のうちに黒字と通算する、もしくは、前事業年度の黒字と通算して法人税を還付してもらうか、医療法人は任意に選択できます。

今後、医療法人の医業収益が元に戻る目途が立たないので、一般的には、法人税を還付してもらい、少しでも資金繰りを改善すべきです。

ところが、上記の図では、令和元年12月末決算の黒字は、1,200しかありません。そのため、令和2年12月末決算の赤字1,500の方が大きく、差額の300については将来に繰り越すしかありません。ところが、国税庁が新型コロナウイルスを災害に認定したことで、欠損金の一部が災害損失欠損金となります。

青色申告書を提出している医療法人は、災害のあった日が属する事業年度に生じた災害損失欠損金について、前事業年度だけではなく、前々事業年度の黒字と通算して、法人税を還付することができるのです。

(白色申告書を提出している医療法人は、前事業年度の黒字とのみ通算することができる)

そこで、上記の事例では、災害損失欠損金のうち、800は前々事業の黒字と通算して、残りの200とその他の赤字500を合算した700を、前事業年度の黒字と通算しています。これで、令和2年12月末決算の赤字1,500の全額を、黒字と通算できて、法人税の還付金額を増やすことができました。

新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

それでは、災害損失欠損金とは、どのようなものを指すのでしょうか?

 

(1) 災害損失欠損金となる費用や損失とは

国税庁からは、新型コロナウイルス感染症の影響による、例えば以下のような費用や損失が災害損失欠損金に該当すると公表されています。

新型コロナウイルスの影響で赤字となったら、2年前の法人税を還付してもらえる

①は廃棄した棚卸資産のことですが、医療法人が新型コロナウイルスのせいで、医薬品を廃棄したのであれば、その処分損が該当します。

②については、患者が感染者であったり、看護師や従業員が感染したことで、触っていた固定資産を廃棄した場合には、その除却損が該当します。

③については、イベントなどで販売しようとしていたグッズの廃棄損を指しますが、医療法人には関係ないはずです。

④については、医院や病院を消毒してもらったときの外注費となります。

最後の⑤が、新型コロナウイルスの影響を受けた医療法人が、もっとも金額が大きくなる損失だと想定されます。

新型コロナウイルスを防止するためのマスクや消毒液はかなりの費用になるはずです。

このことから、災害損失欠損金とは、棚卸資産や固定資産に生じた被害(損失)に加え、その被害の拡大・発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用が、該当することが分かります。

もちろん、災害損失欠損金とは、新型コロナウイルスだけの制度ではありません。例えば、風水害の被害も最近は増えていますが、河川が決壊して店舗が水浸しになれば、食材などの棚卸資産、冷凍冷蔵庫などの固定資産は廃棄するはずです。建物を原状回復するための消毒などの外注も依頼するはずです。これらの費用や損失もすべて、災害損失欠損金に該当します。

一方、災害損失欠損金とならない費用もあります。

 

(2) 災害損失欠損金とならない費用や損失とは

新型コロナウイルス感染症の影響による、例えば以下のような費用や損失については、災害損失欠損金に該当しないとされています。

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特に、①については、医療法人の外来の患者の数は大きく減っていますので、それによる赤字も大きいはずです。それでも、それは災害損失欠損金には該当しません。

とにかく、医療法人は災害損失欠損金に該当する費用の請求書や領収書、それに棚卸資産や固定資産を処分したときの損失を集計してください。

それにより、決算書を作成した時の赤字のうち、いくらが災害損失欠損金となるのかを把握できます。

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