生命保険は「変換」という方法を使うと、より有効に活用することができる。

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2017/11/20
生命保険は「変換」という方法を使うと、より有効に活用することができる。

院長先生が被保険者として加入している生命保険は、転換と変換という方法を選択できます。

 

1. 転換について

転換とは現時点で加入している生命保険を下取りして、その下取りしたお金を使って新しく生命保険に加入する方法です。

新しい保険契約に加入するので、院長先生の告知と健康診断等が必要となります。もっともよく知られているのが、定期保険付終身保険で、定期保険の満期(60歳など)が近づいた段階で転換を提案されます。

定期保険は掛け捨ての生命保険で、終身保険は運用型の生命保険です。定期保険は院長先生が亡くなると高い生命保険金が受け取れます。自分が掛けていた生命保険料に比べて、何十倍もの生命保険金となりますが、満期まで生存していれば、お金は受け取れません。

一方、終身保険は必ず、相続人が生命保険を受け取ることができます。その代り、自分が支払っていた生命保険料と生命保険会社が運用した利益を上乗せした金額が生命保険金となります。現在は高利回りで運用するのが難しいため、それほど増えません。ただ銀行に預けておくよりも利回りは高くなるため、株や不動産に投資しないで安全資産で運用したい人には向いている商品です。

昔の定期保険は退職するのが年金をもらえる年齢とするのが一般的ですので、60歳が満期というものがほとんどでした。最近は、65歳や70歳というものも増えています。とにかく、満期を迎えると定期保険の保障期間が終わってしまうため、終身保険の一部を転換して新しい定期保険への加入を勧められるということなのです。

このとき通常は、定期保険の保険料は60歳で加入しなおすため、若い時よりも高齢の方が割高になります。一方、終身保険は若い時から掛けていれば、それが運用されて解約返戻金が貯まっています。これを定期保険の保険料に充当するため、ほとんど定期保険の保険料が前と変わらずに抑えることができるのです。

充当の方法としては、一時払いの保険料として支払ってしまう方法と、保険会社が設定しているファンド等に一旦入れて、そこから毎月支払うという方法の2種類がほとんどです。

ただ注意すべきことは、本当であれば将来、院長先生がもらえたはずの終身保険の解約返戻金が大きく減ってしまうため、貯金を取り崩して掛け捨てで加入していることに気づくことです。

定期保険の保険料が上がっていないことで得をしている訳ではないのです。もちろん、ほとんど院長先生は60歳を過ぎても働き続けるため、定期保険に加入することはまったく無駄ではありません。十分理解して、生命保険を転換しているのであれば、問題はないのです。

それでも転換するときに、すでに院長先生が病気になっていると、新しい定期保険には加入できません。生命保険の場合には、病気が完治していたとしても加入を断られることがあります。そして加入できたとしても制限が付いたり、かなり割高の保険料となるはずです。

 

2. 変換について

変換とは、コンバージョンとも呼ばれる制度です。
転換に比べると、変換ができる生命保険の商品は少ないため、一般的に知られていない方法かもしれません。ただ最近では変換できる生命保険の商品がかなり増えてきました。こちらは院長先生が加入した生命保険の保障金額の範囲内で、他の種類の保険に切り替えることができる制度です。転換と同じように、一度解約して再度新しい生命保険に加入しなおすのです。やはり被保険者である院長先生の年齢が上がっているため、通常、変換前に比べて生命保険料は上がります。ところが転換とは決定的に違うのは、被保険者である院長先生の告知や健康診断等が必要ないことです。

例えば、個人事業主として院長先生が掛け捨ての定期保険に加入していたとします。個人の場合には、生命保険料は医院経営や病院経営の経費になりません。そのため、できるだけ保険料は安くして、それでも保障額は1億円を設定したとします。そのあと個人事業主としての医院が儲かってきたので、医療法人を設立したとしましょう。医療法人であれば、生命保険料は一定の要件を満たすと経費に計上できます。通常は、全額損金、または2分の1の損金となります。そこで定期保険を長期平準定期保険に変換します。

このとき、生命保険の契約者は個人事業主の院長先生でしたが、医療法人に変更します。また生命保険の受取人も院長先生ではなく、医療法人に変更するのです。個人事業主のときに加入した定期保険の解約返戻金は基本的にはゼロなので、医療法人とのお金のやり取りは一切ありません。契約者を変更したとしても、院長先生に税金が発生することはないのです。

生命保険の被保険者が同じであれば、契約者と受取人は自由に変更できるのが変換です。

これで生命保険料が高額になったとしても、最低でも2分の1は医療法人の経費になります。もし院長先生が病気になってしまったとしても、変換であれば問題ありません。

最近は、院長先生の開業の年齢が43歳前後と上がってきています。そのため、医療法人を設立する年齢も50歳近くになっているのです。とすれば、それまでに院長先生が一度は病気になるケースも多いはずです。病気といっても、働くことに支障がなくても生命保険には加入できないのです。医療法人となれば、個人事業主だった時代に比べて、借金が多くなることが予想され、保障額を高く設定しなくてはいけません。

それなのに生命保険に加入できないことになれば、大きな損失です。これを回避するためにも、個人事業主の時代からできるだけ保障額が高い生命保険に加入しておくことをお勧めします。それどころか、将来、個人事業主として開業するつもりがあれば、大学病院に勤務している時代から、つまり勤務医のときから保障額が高い生命保険の加入しておけば、安心です。

医療法人では経費に計上できるので、変換したあとの生命保険料は10倍にします。医療法人で加入した長期平準定期保険は解約返戻金が貯まるため、生命保険料が高くても損にはなりません。節税できる法人税を加味すれば、200万円の生命保険料が実質200万円以上となって戻ってくるのです。

さらに医療法人で長期平準定期保険に変換しておけば、最後に院長先生が引退するときには解約してそれを退職金に充てることができます。

このとき、保障額と解約返戻金に差があれば、これを利用して終身保険に変換することもできます。

被保険者さえ院長先生のままにしておけば、やはり契約者と受取人を誰にしても構いません。
このように変換という機能を使えば、生命保険の活用法は広がるはずです。

 

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