医院や病院が銀行からの借入金に対してリスケをする方法②

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2019/07/30
医院や病院が銀行からの借入金に対してリスケをする方法②

前回は、医院経営や病院経営でキャッシュフローが悪化する原因とその対策方法を解説しました。それで対策していたとしても、医院経営や病院経営のキャッシュフローが詰まってしまうこともあります。そのまま放っておくと、医院や病院が倒産する可能性もあるのです。

そのときには、緊急的な手段として、事前に銀行と交渉してリスケをしてもらいましょう。

リスケとは、正式名称は、リスケジュールと呼ばれて、銀行からの借金について返済条件を変更してもらうことです。銀行も金利を下げることには難色を示すので、基本的には返済期間を延ばしてもらうことになります。この手続きを行うときに、必ず守るべきことが2つあります。

 

① 事前に銀行の担当者に伝えること

院長先生から、「銀行への返済が2回も連続で滞ってしまい、担当者が青い顔でやってきたよ。これからどうすればよいのか?」という質問を受けることがあります。このような事態に陥っては、絶対にいけません。

返済が2回も滞っている時点で、銀行はリスケに応じない可能性がありますし、医院や病院のキャッシュフローも最悪な状態となっています。将来のキャッシュフローが悪化していき、このままでは返済できない可能性が分かった段階で、すぐに銀行の担当者にリスケを申し込んでください。つまり、返済が滞る可能性がある半年以上前が望ましいと言えます。

銀行としても返済が滞る前に伝えてもらえれば、対応ができます。

院長先生から「銀行が、本当にリスケなんて応じてくれるのか」と聞かれることがあります。下記は、金融庁が発表しているリスケの統計データです。申込件数に対して、実行している件数の割合が、過去5年間はすべて97%を超えています。

http://www.success-idea.com/dl/201906271902544.pdf

http://www.success-idea.com/dl/201906271902587.pdf

ということで、何か大きな問題、例えば、税務調査で悪質な脱税と指摘されて重加算税が課されている、過去の決算書に粉飾の箇所があったなどの重大な問題がない限り、リスケは実行されます。

ただし、銀行の担当者から「リスケは実行してもよいけど、最初に500万円だけでも内入れして欲しい」などと条件を付けくわえられることもあります。これらの条件は、粘り強く交渉すればなくなります。

そして、リスケは1回契約すれば完了ではありません。

リスケの期間は6か月というケースも多いですが、最長でも1年間です。

そのため、その都度、契約を更新していくことになります。当然、そこまでの医業収益や利益の状況を見て、返済額を増減させる交渉も続きます。

それでも、リスケするのであれば、下記の3つの条件を満たすような事業計画を作成することになります。

それでも、15年はかなり長いですし、この期間で借金が返済できなければ医院経営や病院経営を建て直すのはかなり難しいはずです。

もう一つ、院長先生が心配するのは「リスケしていることが、患者にバレるのでは?」という意見です。

リスケは銀行との契約条件の変更ですので、外に漏れることはありません。

院長先生や医療法人が銀行からお金を借りていることやその契約内容を患者が知るはずもありません。銀行の担当者も現在は秘密情報を漏らしたら処分されたり、損害賠償されることをよく知っているため、絶対に他言はしません。

ところが、本当にときどきリスケしたことが漏れていることがあります。これは、医院や病院で働いている医師、看護師、従業員から漏れているのです。医院や病院の近くに住んでいる人たちが多いため、ちょっと外でそのような話をすると、一気に広がってしまいます。

そのため、リスケすることは経理担当者や事務長は知っても仕方がないとしても、それ以外の医院や病院の中の人には教えてはいけません。教えたときにはメリットはなく、デメリットだけ残ります。

 

② 院長先生個人の借金を優先すること

医療法人の借金だけではなく、院長先生個人の借金が多いことがあります。これは医療法人を設立したときに、院長先生個人の借金を付け替えることができなかったことが原因です。主務官庁である都道府県に提出した財産と借金の一覧で引き継ぐしかないため、医療法人を設立したあと、銀行から運転資金が追加で調達できない限り、院長先生個人に借金が残ってしまいます。

院長先生に通常は不動産の賃貸料などの収入はないため、医療法人から院長先生に給料を支払い、所得税を支払った残りのお金で返済するしかありません。これでは資金効率が悪いため、返済にも時間がかかってしまうのです。

また、院長先生が個人でアパートやマンションに投資していることで、借金が多いこともあります。「ワンルームマンションに投資したら、所得税が節税できる」と勘違いして、投資している院長先生もいます。

不動産に投資して所得税の節税ができるのは、建物の減価償却費が大きいアパートだけです。建物の減価償却費が小さいマンションは、絶対に所得税の節税にはなりません。ワンルームマンションで儲かるためには、キャピタルゲインを狙った場合だけです。そのため、毎月の賃料によるシミュレーションを検討するよりも、値上がりしそうな地域かどうかをよく見極めるべきです。

とはいえ、すでに投資して失敗しているのであれば、今すぐに売却を始めましょう。院長先生から「すべて売却しても借金が残ってしまうから、嫌だ」という意見も聞きます。

すでに赤字となっているワンルームマンションは、ずっと所有していても回復できません。それどころか、マイナスは増えていくばかりですので、今の段階で損切りすべきです。

ところで、院長先生個人の借金と医療法人の借金をリスケする場合には、必ず個人の方から交渉してください。

どちらもリスケしてもらうのが理想ですが、資金効率が悪いのは個人です。また、医療法人を設立していないのであれば、すぐに医療法人を設立しましょう。

院長先生が個人事業主として高い所得税を支払っていたら、返済が苦しくなるのは当然です。それでも医療法人を設立するためには最低でも半年、地域によっては1年かかりますので、「個人の所得税が高くて、銀行の返済が大変になってきた」と感じたら、手続きに入るべきです。

 

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