医院や病院が銀行からの借入金に対してリスケをする方法①

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2019/07/20
医院や病院が銀行からの借入金に対してリスケをする方法①

医院経営や病院経営でキャッシュフローが悪くなることがあります。
理由は5つ考えられます。

 

① 医業未収金が増加したり、貸倒れる場合

社会保険診療のケースでは、患者の自己負担は窓口で精算しますが、残りは社会保険診療報酬支払基金などから2か月後に入金されます。

そのため、医業収益が急激に伸びると看護師や従業員への給料の支払いは当月末や翌月なのに、入金は翌々月となりタイムラグが発生するため、キャッシュフローが悪化します。

このとき、医業未収金をファンドに譲渡するという方法もありますが、これは一時的にキャッシュフローが改善するだけで、ずっと金利を支払い続けることになるため、止めた方が無難です。医業収益が上がっているのですから、銀行に融資を申し込めば承諾してくれるはずです。

また、入院施設のある医院や病院の場合には、入院の患者の自己負担分を回収できずに貸し倒れることがあります。特に、差額ベッド代などは全額自己負担のケースもあります。そこで、できるだけ入院する前に一時金を預かるようにしましょう。

それでも、救急で受け入れる場合には預かることができません。あとで未収となったときには少額訴訟(60万円以下)や民事調停などで徴収する態度は示しておくべきです。「かわいそうだから」と考えて徴収しないと、貸し倒れる医業未収金はどんどん増加してしまいます。

 

② 棚卸資産が増加する場合

医薬品や消耗品が大量に増えるとキャッシュフローは悪化します。

特に、医薬品は消費期限があるため、廃棄処分となれば一切回収できません。

まだ院内薬局ならば、院外薬局にすることをお勧めします。それだけで、キャッシュフローは大きく改善できます。しかも、医薬品を購入するための打ち合わせ、納入品のチェック、月末の実地棚卸などの作業が減り、外来の窓口精算もスピーディーとなります。

ところがすでに、院外薬局にしているのに棚卸資産が増えていることもあります。予防接種などで使う医薬品は必要ですし、マスクや使い捨てのゴム手袋などの消耗品も必要です。これらの管理がずさんになってくると棚卸資産が積みあがっていくのです。そのため、定期的に実施棚卸を行い、棚卸資産の推移をチェックすべきです。

なお、入院施設のある医院や病院は入院患者に対しては院外処方が認められていないため、医薬品の棚卸資産は多くなりがちです。現時点で医薬品の管理体制(納品管理のプロセス)が機能しているのか、チェックすべきです。

 

③ 固定資産が極端に増えた場合

固定資産が急激に増える原因は、不動産を買ったこと、医療機器を買ったこと、敷金を入れたこと、という3つの原因が考えられます。

不動産を購入したときには、土地は減価償却費を計上できないため、そのあとの所得税や法人税が高くなります。土地を購入する場合には、事前にキャッシュフローのシミュレーションを行ってください。

医療機器についてはリースを組むことも多いはずですが、リース期間が終了しても支払い続けることも多く、かつ導入時に値引きもできません。医療機器は交渉次第でかなり価格が下がるため、できるだけ買うようにしましょう。支払いも一括ではなく、割賦払いにしてもらえるのであれば、キャッシュフローは悪化しません。それも導入時に交渉すべきです。

敷金については診療所を増床したり、新しく分院を設置したときに増えます。増床したり、分院を作るということは医業収益が上がってきた証拠です。ところで、この敷金はずっと戻ってこないお金であり、減価償却もできませんので自己資金で賄ってしまうと一気にキャッシュフローが悪化します。

長期間、戻ってこないお金は、返済期間を長く設定した銀行からの借金をあてるべきです。

 

④ 院長長先生が病気になった

医院や病院が一般の会社と決定的に違うことは院長先生が倒れたら、次の日から医業収益がゼロとなることです。一般の会社であれば、社長が倒れても他の役員が仕事をカバーできますし、事業は継続できます。もちろん、社長がいないことで売上は少しずつ下がっていくはずですが、倒産前に復帰できればまた元通りになります。

ところが、医院や病院は後継者である長男や勤務医の先生がいたとしても、普通に毎日忙しく診療しているため、院長先生の分をカバーすることができません。つまり、院長先生が稼いでいた医業収益は復帰するまでは、ほとんどゼロとなります。

だからと言って、賃料を下げてもらうことはできませんし、看護師や従業員を解雇することもできません。医薬品の仕入れや消耗品費は使う量が減るため下がりますが、固定費は変わらないのです。そのため、一気にキャッシュフローが悪化します。

ただし、院長先生を被保険者とした掛け捨ての生命保険に加入しておけば、このリスクは回避することができます。

 

⑤ 借金の無理な返済計画

院長先生が銀行からお金を借りるときには、金利はかなり気にするのですが、返済期間については交渉せずに、銀行の提案通りで承認することが多いのです。ところが、返済期間によって、支払う金利もその返済額もかなり変わります。

例えば、1億円を借金して金利は1%と仮定します。その上で、5年で返済するときと10年で返済するときを比較してみましょう。

5年で返済するときには、1か月の返済金額は170万円で、金利の合計は300万円となっています。10年で返済するときには、1か月の返済金額は88万円で、金利の合計は550万円となっています。

5年と10年の返済で金利は250万円違いますが、これは経費として計上できるため、実際には175万円程度の違いです。これを10年間で支払うとすれば、年間17万円となります。

1億円の借金を10年返済にできれば、たったの17万円の支払いで5年返済と比べて月額82万円も返済金額が減るのですから、返済期間はできるだけ長期間で交渉しておきましょう。

 

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