ゼロ円の治療費の領収書でも医療費控除として使えるので、捨ててはいけない

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2020/04/30
ゼロ円の治療費の領収書でも医療費控除として使えるので、捨ててはいけない

ゼロ円の治療費の領収書でも医療費控除として使えるので、捨ててはいけない

前回、医療費控除は1人200万円まで申告できるという解説をしました。今回は、その続きとなります。

まずは、再度の確認となりますが、医療費控除は下記によって、計算します。

ゼロ円の治療費の領収書でも医療費控除として使えるので、捨ててはいけない

この医療費控除の計算式について、注意点が3点ありますが、今回は最後の注意点を解説します。

 

(3) 純粋な医療費だけが対象となるわけではない

医療費控除の対象となるのは、治療のために支払った医療費が原則となります。

「治療のため」とは、医院や病院の治療費だけではありません。例えば、風邪をひいて、医院や病院に行かずに、薬局やドラッグストアで購入した風邪薬も対象となるのです。そのあと、その薬が効かずに、病気が悪化して医院や病院に通ったとしても、関係ありません。例えば、ギックリ腰になって、最初は整形外科でレントゲンなどを撮りますが、リハビリとして接骨院に通うこともあります。

最近では、接骨院で「治療ならば、保険の対象になります」という説明をしてくれるので分かりやすいですが、その領収書も医療費控除の対象となるのです。ただし、法律で定められた専門家(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律に定められる施術者及びこれに準ずる者)による施術でなければいけません。つまり、アロマセラピーの施術代などは、対象外となります。

また、禁煙治療についても、こちらも保険の対象となりますし、医師の治療ですので対象となります。それでも、医師から指導されたことから、飴やガムをコンビニで購入しても、その対価は対象外となります。

さらに、この医療費控除は、保険の適用がない治療でも対象となります。

例えば、レーシックの手術は、目の表面の角膜にレーザーを照射して、角膜の曲率を変える治療です。保険の対象外ですが、医師が目の機能を修復させる治療ですので、医療費控除の対象とはなるのです。

一方、予防のための医療費は対象となりません。

例えば、インフルエンザの予防接種の費用、人間ドックの費用などは、治療が目的ではありませんので、対象外なのです。また、院長先生が病気についての講演をするので、それを聴講したときの会費も、治療が目的ではないため、医療費控除の対象とはなりません。

ここまでは、領収書を保存しておき、医療費控除の対象となるか、対象外となるか調べたりするのですが、これ以外の費用について、最初から医療費控除の対象から外してしまっている人が多いはずです。

① 医院や病院に通う交通費も医療費控除の対象となる

通常、自分の家から歩いて通える範囲に、すべての診療科目(内科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、外科など)の医院や病院がある人はほとんどいません。電車で一駅移動したり、そこからバスに乗ったりして通います。

これらの医院や病院に通うための旅費交通費は、すべて医療費控除の対象となるのです。

基本的に、領収書の代わりとなる切符は回収されてしまいますので、これらの旅費交通費の領収書は保存できません。ノートに自宅から医院や病院の最寄りの駅までの交通費を記載するだけでよいのです。

このとき、自家用車で医院や病院に通う人もいます。その場合には、ガソリン代などは医療費控除の対象外となります。あくまで、「人的役務の提供の対価」だけが対象となるため、自分で運転した場合の費用は除かれるのです。

とすれば、体調が悪くて、タクシーに乗って医院や病院に通った場合には、そのタクシー代は医療費控除の対象となります。

または、体調が悪くて、隣の家の人に車に乗せてもらって通った後、その人にお礼として金一封を渡した場合には、「人的役務の提供の対価」に当たるため、医療費控除の対象となるのです。
ただし、市販されている領収書でよいので、そこに一筆は書いてもらってください。

そして、子供などは1人で医院や病院には通えませんので、付き添いの大人の交通費も対象となります。

未就学児が医院や病院で治療しても、市町村が自己負担分を補助して、医療費がゼロ円、または定額で200円などとなることがほとんどです。「子供の治療費0円の領収書は使えないよ」と発言している人もいますが、そんなことはありません。その領収書があれば、その日、大人が付き添いで医院や病院に行ったことの証明となります。子供の交通費は0円でも、大人の交通費はかかるのですから、それを集計すべきです。

この交通費は1回だけでは、往復でも500円程度にしかなりません。ところが、家族4人で、1年間で80回(1人平均20回として)、医院や病院に通ったとすれば、4万円にもなるのです。これらを集計していない人たちがいれば、忘れずに加算しておきましょう。

② 医院や病院に通うための器具備品も医療費控除の対象となる

医院や病院の領収書、接骨院の領収書、薬局やドラッグストアの領収書だけが、医療費控除の対象となるわけではありません。

器具備品であっても、医療費控除の対象となることがあります。

例えば、子供の目が悪くて、矯正のために専用の眼鏡を購入したとします。または、白内障の治療の一環で専用の眼鏡を購入することもあります。これらは、医師の指示で、かつ治療を目的としているため、医療費控除の対象となるのです。

一方、近視の人が購入する眼鏡は、医療費控除の対象外です。生活で通常使っているため、これが医療費控除の対象となったら、おかしいというのは、誰でも分かります。ところが、判定が微妙なものもあります。

例えば、大腿骨を骨折して、車いすを購入したとします。この購入代金は、一定の条件を満たした場合には、医療費控除の対象となります。一定の条件とは、医院や病院に通うために必要だと認められることです。

すでに病状が安定して、数か月に1回、1年に1回程度、医院や病院に通えばよいときに、車いすを購入しても、それは対象外となるのです。つまり、治療にどうしても必要と認められるものであれば、器具備品の購入対価も医療費控除の対象なのです。

③ 入院したときのクリーニング代も医療費控除の対象となる

手術して、病院に入院することもあります。当然、手術代は医療費控除の対象となりますし、差額ベッド代も、自分の都合ではなく、空いているベッドがなくて、医院や病院からの要請で仕方がなく入院した場合には対象となります。病院から支給される食事代や冷蔵庫の使用料も、医療費控除の対象となります。これらは分かりやすいのですが、ここでも器具備品の購入対価などで迷うことがあります。

例えば、医院や病院の指示により購入した、水枕、氷のう、吸いのみの対価は医療費控除の対象となります。

また、患者の衣服のクリーニング代は対象外ですが、医院や病院が支給している枕やベッドカバーのクリーニング代は対象となるのです。

これらのポイントは、入院している患者に対して、医院や病院が支給したもの、または指示したものは、医療費以外の費用でも医療費控除の対象となるということです。

そのため、医院や病院の意思が重要となります。

ここまで、3回のブログに渡って、医療費控除の注意点を解説してきました。
今までの医療費控除の集計で漏れていた項目があれば、過去の確定申告に対して更正の請求を行えば、所得税が還付されます。今まで確定申告をしたことがないサラリーマンの方でも、今から医療費控除を集計して申告すれば、所得税は還付されます。

申告の方法が分からない場合でも、医療費控除ぐらいであれば、自分が住んでいる住所を管轄している税務署をインターネットで調べて、医療費の領収書を持って行けば、その場で処理してくれます。

なお、所得税を還付してもらう申告を還付申告と呼びますが、実際に医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間提出することができます。そのため、あまりにも昔の医療費の領収書を集計した還付申告はできませんが、そこまで保存している人もほとんどいないはずです。

 

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