あなたは、過去に納めた税金を戻してもらう方法があると知っていますか?

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2013/03/29
あなたは、過去に納めた税金を戻してもらう方法があると知っていますか?

税金には更生の請求という制度があります。

「脱税で逮捕」という記事を読んでいると、「すでに修正申告をすませました」と納税者から発表されます。この「修正申告」とは、今まで自分が申告していた税金が間違っていたので、

納税者が、自ら修正して正しい申告書を提出して、追加で税金を納めること

を指します。
自分から「間違っていました」と認めているため、この申告書を提出すると、ひっくり返すことはほとんどできません。

一方で、「更生の請求」とは、今まで自分が申告していた税金が多すぎたので、

納税者が、正しい申告書を提出して、過去に納めていた税金を取り戻すこと

を指すのです。
「あなたは、税金が戻ってくるなんてことがあるのか?」と思うかもしれませんが、意外と税金が戻ってくる場面は多いのです。

例えば、あなたが大学病院を辞めて、平成25年1月から医院開業をして、その翌年に確定申告をしたとします。平成25年1月からの医院開業なので、医業収益も平成25年1月から計上されて、その2ヶ月後にはお金が入ってきます。

ということで、平成25年1月から12月までの医業収益と同じ期間の経費を計上して、確定申告をしました。
あなたは、平成25年という期間に限って考えていたので、平成24年に使った経費は無視していました。

あとで、「開業費という項目」が認められていて、平成24年の経費であっても、医院開業のために使ったものは計上できると知りました。

このとき、「ああ、損したな」で終わっている院長先生もいますが、ここで更生の請求ができます。
過去の確定申告書が間違っていたのですから、開業費を入れて、もう一度、出し直すのです。
それによって、納めた税金が戻ってきます。

あなたは、「返ってくると言われても、大した金額じゃないよね」と言うかもしれません。ただ、相続税では金額が大きくなります。

例えば、あなたの父親がなくなったときに、医院や病院の建物と土地、それに自宅などを相続したとします。

医療法人になっていれば、出資持分はかなり高いので、相続税がかかったはずです。
この相続税の申告書が間違っている場合がよくあるのです。

あなたは、「えええ? 税理士に相続税の申告書の作成を頼んだけど」と言うかもしれませんが、不動産の評価方法は、原則だけではないのです。

【1】 建物は、固定資産税評価額 (時価の約50% ~ 60%)

【2】土地は、路線価 (時価の約80%)

これが原則です。

ところが、相続税では、不動産は時価で評価してもよいことになっています。
そもそも、上記の固定資産税評価額や路線価は、時価よりも安く設定されています。

土地の路線価は、毎年7月に発表されますが、全国の道路に価格が付いています。(価格がない場所は、固定資産税評価額に倍率を掛け合わせます)
この路線価に、あなたの医院や病院の土地の面積を掛け合わせると、相続税の評価額になります。

ところが、土地は真四角なものばかりでもありませんし、平でないこともよくあります。いや、平らで、真四角な土地の方が少ないはずです。

あなたは、過去に納めた税金を戻してもらう方法があると知っていますか?

このように「凹凸型」で、一部が「がけ地」になっている土地などは、使いにくいため、単純に路線価に面積を掛け合わせた価格よりも、時価は安くなるはずです。
ところが意外と、相続税の申告書では、そのまま掛け合わせていることが多いのです。

医院や病院、もしくは自宅の現地を見に行って、土地を評価すればよいのですが、住宅地図を見て、あなたから聞いただけで評価しているので、減額していないのです。
そんな、いい加減な・・・と思うかもしれませんが、すべての土地が同じ地域にあればよいですが、離れて保有していたりすると、見に行かない税理士も多いんです。

医院経営や病院経営を行っていると、まったく不動産を相続しないということは考えられません。

だからこそ、あなたが父親や母親から相続したときに、多額の相続税を支払っているならば、土地を再評価し直して、更生の請求ができないか検討した方がよいでしょう。

では、この更生の請求ですが、どのくらい前のものでも請求できるのでしょうか?
実は、法律が改正されて、かなり前のものでも更生の請求ができるようになりました。

  • 平成23年12月2日の属する年分以後の所得税は、5年間
  • 平成23年12月2日以後に申告書の提出期限が到来する相続税及び贈与税は、5年間
  • 平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税は、5年間

まだ、平成25年なので、それほど、遡ることはできませんが、所得税であっても、相続税であっても、医療法人の法人税であっても、あとから税金が戻ってくるかもと思ったら、修正した正しい申告書を提出しましょう。

もちろん、すべてが認められるわけではありません。
ただ、更生の請求をしなければ、税金は絶対に戻ってこないのです。

なお、更生の請求に似た言葉で、「更生の決定」という言葉があります。
これは最初に、今までの申告書が間違っていたことで納めるべき税金が少なかった場合、自分で反省して、修正申告を出して、追加で税金を納めるという話をしました。

ところが、税務署に指摘されても、反省せずに、修正したくないという人もいます。
個人医院や医療法人の院長先生でも、税務署の指摘に対して納得できない場合があります。

先日、私のところに相談に来られた医療法人の院長先生は、お正月に看護師やスタッフの家族におせち料理を贈っていました。
かなり高価な、おせち料理で、1家族3万円もしたのです。

これを福利厚生費にしていたのですが、交際費だと税務調査で指摘されました。
この医療法人は、介護事業にも参入していて、資本金が2億円もありました。
そのため、福利厚生費であれば経費になるのですが、交際費になると、1円も経費になりません。

もし資本金が1億円以下の医療法人であれば、600万円の交際費は経費になりますが、それでも10%は否認されてしまいます。

院長先生が言うには、「顧問税理士も交際費と認めているが、自分としては社員の慰労のために出したのだから、福利厚生費にしたい。どう税務署に反論すればよいか教えて欲しい」と言っていました。(他にもいろいろな指摘事項があり、相談はこれだけではなかったのですが)
結局、この院長先生は税務署の指摘には応じず、修正申告を行いませんでした。

そうすると、あとで税務署が「更生の決定」と言って、勝手に納税金額を計算した書類を送りつけてくるのです。

ただ、修正申告と違い、この「更生の決定」に対して、納税者は不服申し立てができます。

税務署の決定と戦うことができるのです。
このように、「更生の請求」と「更生の決定」は、まったく意味が違うので、注意しましょう。

話しは戻りますが、過去の決算書、もしくは税務申告書を見て、もしかして正しく申告すれば、税金が戻ってくるかもと思う部分があれば、「更生の請求」をしましょう。

納め過ぎた税金を返還してもらうのは、当然の権利ですし、それで税務署が怒ることもありません。

「あとで医院や病院に嫌がらせがあるんじゃないの?」と聞いてくる院長先生もいますが、正しい税務申告書を出し直して、目を付けられることは、あり得ないことです。

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