消費税が増税されたときに、医院や病院が損をしないためにやっておくべきこと?

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2013/09/10
消費税が増税されたときに、医院や病院が損をしないためにやっておくべきこと?

平成26年4月から消費税が5%から8%に上げるべきかどうか、議論が始まっています。
ただ、ここまで来て、消費税を上げないという選択肢はないと思います。
それよりも、8%に上げるときの経過措置やそれ以外への影響を緩和させる方法の議論をすべきですし、実際に始まっています。

医院経営や病院経営の売上である診療報酬は、保険診療であれば、原則、消費税はかかりません。

実は、消費税が導入されるときに、医師会などが、当時の大蔵省(現在は財務省)に診療報酬に消費税をかけないように働きかけた経緯があります。

消費税の対象から外れたときに、医院や病院は喜んだのです。
市区町村に納める国民健康保険料にも、給料から天引きされる社会保険料にも消費税はかかっていません。

窓口で支払う診療報酬にだけ消費税がかかるのは、患者さんもおかしいと思うはずです。
そもそも、消費税がかからないことは、患者さんにとっても窓口の診療報酬が上がらないメリットがありました。

ところが、開業している院長先生たちは、3%から5%に、今回は8%、そして10%と消費税がアップしてくると、医院経営や病院経営が使う経費が自動的に高くなっていくことに気づいたのです。

ただ、最初に医師会の方から要求したこともあり、今から診療報酬に消費税をかけるという働きかけはできませんし、患者さんへの説明もできません。

そこで、消費税がアップする分だけ、診療報酬の点数を上げて欲しいという要望を出しました。
これに関しては、認められそうな記事が報道されているので、医院経営や病院経営にとっては、よい情報です。

ただここでは、消費税がアップするときに、医院経営や病院経営が損をしないためにやるべきことを、まずは知って欲しいのです。

 

消費税が5%から8%にアップするときに、経過措置というものが設けられています。
原則は、平成26年4月以降にサービスが完了して、相手に請求する場合には、8%の消費税を取らなくてはいけません。

ここで、注意点は、自分が5%の消費税しかもらえなかったとしても、国には8%の消費税を納めるということです。

実質的に、3%分を値引きしていることになります。
ところが、平成26年4月以降に完了するサービスでも、5%の消費税でよいとされているものがあります。

【1】平成25年9月末までに契約した建物請負契約

医院開業しようと考えて、土地は借地で建物を新築で建設するとします。
実際に、設計図を作って、建物を建て、内装を決めて、外構の工事まで完了するのに、半年ぐらいかかるでしょう。

予定では4-5か月でも、雨が降ったり、台風が来たり、天候不順で工事が延期されることもあります。今から始めても、医院や病院の建物を引き渡してくれるのが、平成26年4月以降になってしまうかもしれません。

例えば、建物の工事代金が、1億円だとすれば、平成26年3月末までに引き渡しもらえるならば、消費税は500万円ですが、それ以降になれば800万円になってしまうのです。
300万円も違ってきます。

ただ、どうしても3月末までに引き渡そうとして、工事を急いだり、手抜き工事をされると別の問題も発生してしまいます。

そこで、消費税の経過措置として、平成25年9月末日までに契約した建物の請負契約は、平成26年4月以降に引き渡されても、5%でよいとしているのです。

だから、新築マンションのモデルルームも、例年ならば暑くて来場者が少ないのに、今年の8月はかなり多かったのです。

あなたが、医院経営や病院経営に関連して、長期の工事を依頼しようと考えているならば、平成25年9月末までに契約した方が得になります。

 

そして、間違ってはいけないのは、あくまで平成26年4月以降に引き渡される医院や病院の建物の経過措置ということです。
平成25年10月以降に契約したとしても、平成26年3月末までに引き渡される医院や病院の建物に対する消費税は5%でよいのです。

これは、医院や病院の建物を建てる場合だけではなく、大規模修繕や増改築でも同じです。

【2】賃貸契約も同じ

あなたは、「うちの医院や病院は建物を借りて経営しているから、消費税は関係ない」と言うかもしれません。
ただ、住宅の賃貸料には消費税はかかりませんが、医院や病院は事業なので、支払う賃貸料には消費税がかかっています。
これにも経過措置があります。

 消費税が増税されたときに、医院や病院が損をしないためにやっておくべきこと?

上図のように、賃貸契約を平成26年3月より前に行っておけば、次の更新日までは、賃貸料は5%の消費税を支払えばよいことになります。

そのため、平成26年4月以降で更新日がすぐに来てしまうならば、今から大家さんと話し合い、契約を締結しなおせばよいのです。

例えば、1坪1万円で、100坪借りていれば、年間で1200万円の賃貸料です。
更新まで3年契約だとすれば、合計3600万円となり、この3%の消費税分は108万円にもなるのです。

ただ注意すべきことは、この経過措置が使えるのは、下記の要件を満たした賃貸契約書を使っている場合だけになります。

(1)借りる期間、及びその期間中の賃貸料が契約書で定められていること

変動する賃貸料はダメということです。
医院や病院の賃貸契約書では、ほとんどないとは思いますが、ショッピングモールに入居している医院や病院で、「医業収益 × 5%」を賃貸料とするなどと決めていると経過措置は使えません。

(2)お互いに事情の変更その他の理由により、賃貸料を変更できないこと

賃貸契約の更新時に、経済状況や固定資産税の状況によって、賃貸料を変更できるとなっている契約書は多いですが、いつでも賃貸料を変更できるとしている契約書は多くないと思います。
いちお、更新時までは賃貸料は据え置きという文言を賃貸契約書に入れておけば万全です。

(3)契約期間中に、いつでも解約の申入れをすることができないこと

これも賃貸契約の更新時の3か月前にまでに解約を申し出るとなっている契約書が多いと思います。

借地借家法では、借りている側の医院や病院は、理由なくいつでも解約できますし、大家さん側にも、合理的な理由があれば賃貸契約を解約することができます。
定期借家契約の場合を除いて、賃貸契約書に解約できないと書いてあったとしても、解約できてしまうのです。

ただ消費税の経過措置では、契約書に解約できないと書かれていればよいことになります。

賃貸料の消費税を余分に支払っても、医院経営や病院経営には、何も貢献することがないので、無駄な支出は抑えるようにしましょう。

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