医院や病院も消費税の仕組みを知らなければ、消費税の節税なんてできない-(1)

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2012/05/16
医院や病院も消費税の仕組みを知らなければ、消費税の節税なんてできない-(1)

最近、消費税を10%まで上げるという国会での議論も白熱してきましたが、それに対して、医師会が反対しているという新聞記事がありました。

なぜ、医師会は反対しているのでしょうか?

その前に、消費税はどのような仕組みになっているかを知ってください。そして、その仕組みを知ることで、あなたの医院経営や病院経営で、どのように消費税を節税していくのか考えてみましょう。

1.消費税の仕組みとは

この図のとおり、最終的に患者が支払った消費税を、医院または病院、そして問屋、医療メーカーが分担して支払うことになります。

もちろん、売上や医業収益の金額によって、この消費税の金額は変わってきます。

ただ、この話しを聞いて、「あれ?うちの医院や病院は消費税を納めていないぞ?」と思った院長もいるでしょう。

それは、「1000万円の課税売上」がない場合には、消費税を納めなくてもよいのです。

「いくらなんでも、1000万円ぐらいの医業収益はある」と言わないでください。

あくまで、「課税売上が」という点がポイントなのです。

課税売上とは、
患者に消費税を請求している医業収益を指します

実際、医院経営や病院経営の売上に当たる医業収益は、消費税がかからないものが多いのです。一般の会社は逆で、ほとんどの売上に消費税がかかります。明らかに消費税がかからないのは、輸出ぐらいなのです。

そのため、自分の医院や病院が消費税を納める必要があるのかどうか、医業収益の中身で変わってきてしまうのです。

まずは、医院や病院のサービスのうち、患者に消費税を請求しているものと、患者に消費税を請求していないものを知ってください。

【1】医業収益のうち課税売上となるもの

  • 初診に係る特別の料金
  • 予約又は時間外診察料
  • 予防接種、健康診査等
  • 健康診断(健康診断書の作成料も同じ)
  • 差額ベッド代(給食の差額部分も含む)
  • 人工妊娠中絶代
  • 歯科材料代
  • 歯科自由診療(審美歯科など)
  • その他の自由診療(美容整形など)
  • 介護保険のうち、利用者が選定した部分(区域外の交通費、送迎費など)
  • 要介護認定申請書に係る意見作成費用
  • 治験収入
  • 団体生命保険事務手数料
  • 物品販売

【2】医業収益のうち課税売上とならないもの

  • 社会保険医療(現物給付も含む)
  • 特定療養費
  • 高度先進医療
  • 公費負担医療(乳幼児、障害者)
  • 自賠責(任意保険、実費を含む)
  • 労災、公害認定
  • 助産に係る資産の譲渡(妊娠検査、分娩のための入院・介助など)
  • 柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師の行なう施術(療養費の支給にかかるもの)
  • 介護保険

どうですか?あなたは、自分の医院経営や病院経営で、【1】の課税売上が1000万円を超えていないので、良かったと思いましたか?

ただ、安心しないでください。

患者に消費税を請求できない医業収益に当たるサービスを提供するときに、医療機器を使うこともあります。その場合には、消費税はどのような流れになるか見てください。

医療機器を使った患者は、あなたの医院や病院に診察代を支払いますが、それには消費税がかかりません。

とすれば、医院や病院が支払った消費税を、医療機器メーカーと医療機器のリース会社が分担して、納めることになるのです。

つまり、最終的な消費税の支払者は患者ではなく、あなたの医院や病院なのです。

 この状態で、消費税が10%になったらどうでしょうか?医院や病院の支払う消費税が、単純に2倍の40万円になるのです。それに応じて診察代を上げることができるのでしょうか?

そんな話は全くありません。

そもそも患者が支払う診察代、つまり医業収益に消費税がかかっていないので、議題にならないのです。

でも医院経営や病院経営では、消費税というのは、自分たちが最終支払者になっているという自覚を持たなければいけません。

医業収益のうち課税売上が1000万円ない場合でもです。だから、医師会は消費税のアップに反対しているのです。

次は、課税売上が1000万円を超えている医院や病院は、どうすれば消費税を節税できるのかを考えます。

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