法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

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医療関連のコンサルティング
2017/05/10
法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

一般の株式会社では、会計年度が終了したあと2ヶ月以内に定時株主総会によって決算書を承認することが原則です。ただ、公認会計士や監査法人が監査を行う場合には、2ヶ月以内に終了させるとなると時間的な余裕がありません。

そこで定款を変更して定時株主総会を3か月以内に開催すると変更することで、決算書の承認時期を1ヶ月間だけ延長できることになっています。また法人税の申告も原則として決算日から2ヶ月以内に税務署に提出と決まっています。法人税の納付も2ヶ月以内です。

ただ上記のように、定時株主総会の開催が3ヶ月以内となっているのに、まだ承認されていない決算書をもとに法人税の申告などすることはできません。そこで、法人税では申告を1ヶ月延長できることになっているのです。ただし、下記の2つが満たされないと認められません。

法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

②の申請の提出は期限を1日でも越えてしまうと認められません。

例えば、3月末日が決算日となっている株式会社が5月になって、決算書の作成が間に合わないことに気づき、そこから延長申請をしてもダメということです。その段階で申請できるのは、翌年の延長申請となります。

また延長の申請を提出する先も1つではありません。

法人税(国税) → 提出先:税務署
都道府県民税、事業税 → 提出先:各都道府県税事務所
市町村民税 → 提出先:各市町村の役所

ただ、市町村民税に関しては、地域によって多少異なるため、確認が必要となります。

なお、消費税については申告の延長は認められていません。あくまで、法人税についてのみとなります。では医療法人の制度では、どうなっているのでしょうか?

もともと、医療法人の定款では会計年度が終了したあと2ヵ月以内に社員総会によって決算書を承認するとなっていました。これは厚生労働省のモデル定款によって、2ヶ月以内とされていたためです。モデル定款を変更する理由もなく、医療法でもいつまでに社員総会を開催すべきという記載もないため、そのまま2ヶ月以内とみんなが思っていました。

そのあと医療法が改正されて、医療法人は事業報告書等と監事の監査報告書を3ヵ月以内に都道府県知事に提出することになりました。その前提で社員総会を開催するとすれば、2ヶ月以内にこだわる必要もありません。また現在は医療法の改正で、下記に該当する医療法人は公認会計士の監査が強制されます。

法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

医療法人であっても事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書を作成して、まず監事に提出します。そのあと公認会計士の監査を受けるとすれば、やはり2ヶ月以内にすべての作業を完了させることは難しくなります。

そこで、医療法人も法人税の申告が1ヶ月延長できるのです。

院長先生の中には、「うちの医療法人は監査法人の監査なんて受けていないから、延長は認められないだろ」という人もいます。
ただ、法人税基本通達で、

「会計監査人の監査を必要としないが、定款において事業年度終了の日から3月以内に株主総会を開催する旨を定めている法人」

との記載があり、監査を行わない医療法人でも構わないのです。ただ株式会社と同様に、下記の2つを満たさなくてはいけません。

法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

このとき1つだけ、株式会社にはない注意点があります。
それは、株式会社が定款を変更するときには、定時株主総会でなくても、臨時株主総会を開催して3分の2以上の株主の賛成があればよいのです。通常、未公開会社であれば株主は数人、または1人ということも少なくありません。もし1人であれば、即日に開催できて変更もその日のうちに可能です。

ところが医療法人の場合には、社員が1人ということは少なく、最初の設立段階で最低3人は必要だと都道府県から指導されることがほとんどです。そのあと増えていることもあり、臨時社員総会を開催するためには全員に説明をして集める必要があります。しかも、定款の変更は都道府県への届出が必要なので、その書類の作成も必要となります。

定款の変更の時間を考えると延長の特例を提出するのが前事業年度末までとすれば、そこから1~2ヶ月程度前に準備を始めないといけません。

ここまで、株式会社でも、医療法人でも、法人税の申告の延長ができると解説してきましたが、税金の納付は延長できません。

つまり、法人税の納付、消費税の申告、消費税の納付は延長できないのです。

そのため、消費税は当然ですが、決算日から2ヶ月末までには概算でよいので法人税を計算して納めておく必要があります。

法人税の申告は、いつまでに提出すればよいのか?

最後に確認のために、もう一度、消費税は申告の延長はできないことは絶対に忘れないでください。というのも、申告の期限を1日でも過ぎてしまうと無申告加算税の対象となるからです。無申告加算税とは、本税(その申告で納付すべき金額)の5%となっています。

過去に法人税の申告期限が延長されていることから、消費税も申告期限が延長されているのだろうと勘違いしたことで、12億円もの無申告加算税がかけられた事例があるのです。

当然、裁判で争いましたが、納税者側は負けました。
税金というのは、期限は絶対に守る必要があるのです。

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