医師だけが特別に使える経費があることを、知っていますか?

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2013/11/30
医師だけが特別に使える経費があることを、知っていますか?

税金には、「社会保険診療報酬の所得計算の特例」という規定があります。
これは、社会保険診療の医業収益には、一定の率をかけて経費を計算してもよいというものです。

つまり、実際に使った経費は少ないけれど、それは無視して、もっと多くの経費を計上させてくれる制度なのです。

もちろん、一定の率をかけた経費よりも、実際に使った経費の方が多ければ、使わないこともできます。
このすばらしい制度を使うためには、1つだけ条件があります。

「1年間の社会保険診療報酬の医業収益の金額が、5,000万円以下であること」

ちゃんと医院経営や病院経営を行っていれば、超えてしまう金額かもしれません。
ただ、自費診療が多い歯科医院であったり、内科や耳鼻咽喉科でも開業した1年目、2年目であれば、社会保険診療報酬の医業収益が5,000万円を超えない可能性があります。

そのときには、この特例を使った方が得なのか、比べてください。
ここで、社会保険診療報酬の医業収益という部分を定義しておきましょう。

【1】健康保険法、国民健康保険法、介護保険法、老人保健法など、保険の適用があること

【2】助産師、あん摩師、はり師、きゅう師、柔道整復師などは、適用外

【3】個人医院の医業収益だけではなく、医療法人の医業収益も、当然に対象となる

普通に、医院経営や病院経営の社会保険診療報酬であれば、すべて対象になるということです。
そして、下記が概算経費の表です。

社会保険診療報酬

概算経費

加算額

2,500万円以下

72%

 

2,500万円超 – 3,000万円以下

70%

5000,000円

3,000万円超 – 4,000万円以下

62%

2,900,000円

4,000万円超 – 5,000万円以下

57%

4,900,000円

それでは、これを使って、個人医院の具体例から数字を見ていきましょう。

事例

A医師は、昨年、大学病院を辞めて、内科で独立開業しました。
ただ駅から離れた場所で開業したということもあり、2年目で1年間の医業収益は4,500万円でした。

駅から離れているということもあり、個人医院の賃料も安く、手伝ってくれるパートさんの時給も高くなくても集まりました。
1年間の経費は2,000万円でした。

内科であっても、健康診断や交通事故の手当てなどがあると思いますが、ここでは、計算を簡単にするために、自費診療はゼロだったと仮定します。

【1】実際にかかった経費で計算する

利益 4,500万円 - 2,000万円 = 2,500万円
所得税 2,500万円 × 40% - 2,796,0000円 = 7,204,000円
住民税 2,500万円 × 10% = 250万円

合計で、約970万円の税金がかかることになります。

【2】社会保険診療報酬の所得計算の特例を使って計算する

利益 4,500万円 - (4,500万円 × 57% + 490万円) = 1,445万円
所得税 1,445万円 × 33% - 1,536,0000円 = 3,232,500円
住民税 1,445万円 × 10% = 1,445,000円

合計で、約467万円の税金がかかることになります。

このように【1】と【2】の差は、500万円以上にもなるのです。

所得税は累進課税なので、医院や病院の利益に比例して税金が上がるのではありません。
利益に対して、利益率が上がることで、一気に増えてしまうのです。

医師だけが特別に使える経費があることを、知っていますか?

医院や病院の利益を下げることができれば、劇的に所得税を減らすことができるのです。

特に、個人医院の所得は1800万円を超えていることが多く、所得税の最高税率に達しているはずです。
医療法人であっても、そこからの院長先生への報酬は、所得税の最高税率に達しているはずです。

普通は所得税の節税方法を見つけるのは苦労するのですが、医院経営や病院経営は、税法で特例を作ってくれているのです。

しかも、この特例を使うために事前の税務署への届出等は、一切必要ありません。

毎年、確定申告のときに検討して、有利な方を選択できるという、「絶対に使うべき特例」なのです。
あなたが毎年、提出している確定申告を見直して、この特例と実際の経費を比べて検討していたか、確認してみてください。

なお、あなたの医院や病院の自費診療の部分には、「社会保険診療報酬の所得計算の特例」は使えないので、実際に使ったものだけを経費として計上して利益を計算します。
ということは、自費診療だけで、5,000万円を超えていたとしても、あくまで社会保険診療報酬の部分が5,000万円以下であれば、特例を使って節税できるのです。

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