個人医院の交際費は、どこまで認められるのか

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医療関連のコンサルティング
2014/05/20
個人医院の交際費は、どこまで認められるのか

個人医院の交際費は、どこまで認められるのか個人事業主の医院は、使える交際費の金額に制限がありません。

医療法人の交際費は、原則、1年間で800万円までです。(資本金が1億円超の場合には、交際費の半額が経費までが、経費として認められます)

それに比べると、個人事業主の交際費は青天井というのは、すごい話です。

そのため、極端なことを言えば、個人事業主の院長が、1年間で1億円の交際費を使ったとしても、全額が経費になります。ただし、あくまで医院経営や病院経営に関連したものでなくてはいけません。
医院経営や病院経営に関係がない交際費は、家事関連費と呼ばれて、当然、経費になりません。家事関連費とは、簡単に言えば、「院長の生活費でしょ」という意味です。

例えば、孫と食事に行ったり、スポーツ観戦をしても、家事関連費となります。また医院を手伝っている妻との食事代は、交際費と主張する院長もいますが、原則は家事関連費となります。

実際に、食事をしているときに医院経営や病院経営の話ではなく、家族の話が多いはずですし、そもそも、妻と2人きりではなく、他にも親族が同席していることが多いでしょう。そこで、妻と医院経営や病院経営の話をしたとしても、それだけで、交際費にはなりません。それが交際費になったら、毎日、妻と自宅で食事をする経費も、すべて医院の交際費になってしまいます。

一方、医薬品会社や医療機器メーカーの担当者、生命保険会社や会計事務所のコンサルタントとの食事代は、交際費になります。
実際に食事に行けば、医院経営や病院経営についての話が、ほとんどのはずです。食事しなくても、いつも仕事の話がほとんどで、雑談は少しのはずです。

そして、手土産、お中元、お歳暮などの贈答代、結婚祝い金、事務所移転のお花代も、贈った相手が同じように医院の事業に関連している人や会社であれば、交際費として認められます。
このとき、結婚祝い金は領収書が出ませんのが、経費になりますので、ハガキや案内状は取っておきましょう。
この結婚祝い金のような冠婚葬祭費は、医院の看護師や社員などに対するものであっても、福利厚生費として経費になります。

今までの部分は、院長も薄々分かっているのですが、判断が難しくなるのが、医師同士の食事代です。
単なる友達だったり、情報交換というだけでは、家事関連費とみなされてしまいます。大学の同窓会費も交際費になりません。

個人事業主の場合には、税務調査のときに、「相手に反面調査に行ってもよいか」と担当官に聞かれるため、院長としては、「そこまでやるならば、交際費ではなく、家事関連費でいいよ」と折れてしまうのです。

そのため、本当に医院経営や病院経営に関係するものであれば、例えば、医院同士で連携したり、相手の医院を見学したりしているのであれば、それを記録して、堂々と交際費として計上しましょう。

税務調査のときに、領収書を見ながら、その内容について質問されても、しっかり答えられるのであれば、反面調査という話は出てきません。

院長が答えに、しどろもどろになるので、税務署の担当官は、怪しいと感じてしまうのです。事前の準備をしっかりやっておくことが、税務調査で否認されない秘訣なのです。

もちろん、すべての領収書の内容を、税務調査まで覚えておくことなどできません。

そこで、交際費の領収書に、

  • 【1】誰との食事代だったのか(人数や名前)
  • 【2】相手の会社名と住所は分かるのか
  • 【3】何のために会ったのか(会食した理由)

などを、書き込んでおきましょう。
また、自動販売機で買ったお茶など、金額が小さくて、いちいち記録しておくのは面倒だと思わずに、ノートに書いておけば、これらも経費になります。

さらに個人事業主として開業している場所が、自宅と併用になっている場合があります。
その場合、水道光熱費や電話代は、医院と院長個人でそれぞれ契約しているかもしれません。ただ固定資産税や火災保険料は、一体となって請求書が来るので、一括で支払っているはずです。

これらも、建物の面積で按分して、医院と家事関連費の経費に分けましょう。
そのとき、自宅の部分に院長の書斎があれば、それは医院の面積に入れることができます。医院経営や病院経営に関係していることがウソではないものは、できるだけ入れるべきです。

実際に医院で使っているならば、遠慮する必要はまったくありません。また金額が小さくても、すべて拾って経費として計上しましょう。

医院経営や病院経営の節税は、一度にドーンとできるわけではなく、少しずつ経費を積み重ねることが、一番の近道なのです。

なお、個人事業主である院長が接待されたり、祝い金をもらう場合があります。
このとき、物品でもらうものはよいですが、現金でもらう場合、医院経営や病院経営に関係に関連している場合には、医業収益に計上しなければいけません。
商品券は、物品ではなく、現金と同じです。

このとき、個人的にもらって祝い金に、所得税がかかるのはおかしいと主張する院長もいます。
もちろん、個人間で、お金を贈与することもできます。
贈与であれば、1年間で110万円までは非課税となるので、贈与契約書を作成して、無税にすることもできます。

ただ、開業したとき、分院を開設したとき、医院を移転したときになどに、取引先から祝い金をもらうたびに、贈与契約書を締結することは、現実的ではありません。
これらは贈与でない限り、医業収益として計上する必要があるので、注意してください。

項目

準備しておく書類

電車代、バス代

・どこから、どこまでが分かる行動予定表
・交通手段とその金額

接待交際費

・領収書に、同席した人の会社名と氏名を記載
・接待の目的のメモ
・領収書がない場合には、お店の地図と名前が分かるもの

自動販売機

・いつ、どこで、誰に買ったかが分かるメモ

家事関連と分ける
経費

・建物の図面
・水道光熱費の請求書、固定資産税の支払い明細書

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