歯科医院の税務調査のポイントを事前に知っておけば、こんなことには・・・

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2012/06/21
歯科医院の税務調査のポイントを事前に知っておけば、こんなことには・・・

歯科医院の場合、医療法人よりも、個人医院の方が多いと思いますので、ここでは個人の医院経営で確定申告を行なっている場合の税務調査を前提にします。

歯科医院への税務調査は、基本的には、確定申告書を会計事務所に依頼していれば、そこに税務署から連絡が入り、調査の日が決定されます。

税務署の担当官が2人ぐらいで来るのですが、歯科医院をチェックするポイントは決まっています。

もちろん、院長が不動産投資などを行っていると、そちらも一緒に調査することになりますが、ここでは、歯科医院の経営に絞って話を続けます。

【1】社会保険診療収入

とにかく、医業収益である社会保険診療収入をチェックします。
それは、とにかく計上漏れも多いからです。

あなたは、
「いやいや、通帳に振り込まれるから、それはないでしょ」
と言うかもしれません。

私が言っているのは、窓口収入の分なのです。

そもそも、社会保険診療収入は、

(保険点数 × 10円 + 生保等公費単独分)
 = 社会保険診療収入

と計算されます。

もちろん、税務署は、この保険険点数と社会保険診療収入を合わせるわけではありません。

保険点数と窓口収入を合わせるのです。

また、歯科医院の場合には、医院経営や病院経営とは違って、自費診療があるので、窓口収入の金額が大きくなりがちです。

「それでも、誤魔化すなんてことはしない」
と、あなたは主張するかもしれません。

それは、私も分かっています。

問題は、窓口収入としてもらえていない分なのです。

ちょうど持ち合わせのお金がなかったり、保険証を忘れたと言われて一部だけもらっていたり、自費診療が高くて分割払いになっている場合で、かつ支払ってもらえていない場合です。

「もらえていないから、医業収益じゃない」
と言わないでください。

確定申告では、支払ってもらえない窓口収入でも、医業収益として計上して、所得税がかかるのです。

そして、本当に窓口収入が回収できない場合には、税務上の要件に合致したものから、貸倒として来年以降に経費として処理していきます。

また、歯科医院だけではなく、医院経営や病院経営でも同じなのですが、自賠責や労災等の医業収益は、請求から数ヶ月あとに入金があります。

実際に12月に請求したものが、3月15日の確定申告のあとに振り込まれるのです。だから、計上しなくてもよいわけではありません。

ずっと振り込まれないので、医業収益として計上するのを忘れがちです。

さらに、歯科医院の場合には、医業収益以外の収入も多いのが特徴です。

歯ブラシの売上、金属売却益、業者からのリベートなど、これらもどんな名目でもらっていたとしても、そして12月に入金がないものも含めて、売上として計上して、確定申告をしなければいけません。

私の経験から、自費診療からリベートまで、すべてちゃんと計上している歯科医院の方が少ないのが事実です。本当ですよ。必ず、計上漏れがないか、チェックしてください。

税務調査で、担当官がここを見落とすことは絶対にありません。

計上漏れが故意ではなく、うっかりだったとしても、かなりペナルティは重くなり、追加で支払う税金もびっくりするぐらい高くなってしまいます。

【2】青色専従者給与

自分の妻が経理担当者として働いている歯科医院も多いと思います。わざわざ、雇って給料を支払うのは負担が重いということもあるかもしれませんが、他の理由もあります。

それは医院経営や病院経営では、窓口のお金が以外と大きくなるのです。特に、歯科医院では自費診療があるので、高額なお金を取り扱います。今日入社した医療事務の人に、そのお金の管理を任せるのは、ちょっと怖い気持ちは分かります。

また、歯科助手が、お互いの給料を知らない方がいいという事情もあり、そこは妻に管理させたいという理由もあるでしょう。

もちろん、妻を経理担当者として雇ってはいけないわけでありません。

税務調査で問題となるのは、
妻への給料の金額が適正かどうか
ということです。

妻の給料は、事前に税務署に届出ることは当然ですが、ここでは、その金額の妥当性をチェックされるのです。

その給料に見合った仕事をしているのかということです。

1週間に2日ぐらいしか来ないのに、月50万円もあげていたら、おかしいということです。

そもそも、歯科医院の院長の中には、所得税は累進課税なので、所得を分散させた方が得だと思い込んでしまっている場合もあるようです。それで、妻に高い給料を支払ってしまうのです。

ただ、税金は得になるかもしれませんが、歯科医師国保の保険料まで考えると、妻を扶養に入れた方が得になることもあります。

事前にシミュレーションしてください。

とにかく、青色専従者給与が高くなる場合には、妻がやっている業務に見合った金額なのか、もう一度、他の医療事務の社員の給料と比べて、考えてください。

同じにする必要はありません。

窓口のお金の取扱や給料の支払いなど、重要な仕事をしているのですから、他の社員と比べて、高くなるのは、当たり前なのです。

【3】 交際費

医療法人であれば、交際費は600万円まで経費になります。

個人医院は、歯科医院も含めて、交際費に上限はありません。

つまり、交際費は青天井で経費になるのです。あくまで、医院経営や病院経営に関連したものしか認められませんが。

この交際費について、税務署の担当官は、他の業種に比べて、医院経営や病院経営は少ないはずだというイメージを持っています。

医業収益を上げるために、患者と飲みに行くことは、めったにないでしょう。
また、医薬品会社や医療機器の営業マンと飲みに行っても、院長はおごってもらえる立場のはずです。

とすれば、主な交際費は、お歳暮などの贈答品ぐらいだという考えなのです。

そのため、交際費の領収書には、誰と、何の目的で使ったのかを書いておきましょう。

それがないと、税務署の担当官から、院長の個人的な飲み食いの領収書じゃないのかと疑われてしまいます。

税務調査は、飲みに行った日から数年後になります。3年前の領収書を指摘されて、誰と何の目的で行ったのかと聞かれたら、覚えているはずがありません。

書いておけば、思い出せるはずです。

領収書がたくさんたまってしまうと、書くのが面倒になってきます。できるだけ、小まめにやりましょう。

【4】 棚卸資産

今までの私の経験からは、税務調査で棚卸資産について指摘されることが、かなり多くなってきています。

簡単に言えば、歯科材料を業者から仕入れても、それを患者に対して使わずに年末に残っている場合には、それを棚卸資産として、経費から外さなければいけないのです。

まだ、使っていなければ、それに対する医業収益も計上されていないからです。

医院経営や病院経営では、薬品の棚卸が一番指摘されるのですが、歯科医院の場合には、金属の仕入金額が大きいため、そこを重点的にチェックされます。

例えば、歯科医院で買った金属を技工所に送っている場合、その技工所から毎月報告されてくる「預かり金属の月末残高」を見忘れてしまい、計上漏れになっていることもよくあります。

また、患者からキャンセルされると、技工所から技工物は納品されていても、患者には使えません。それも棚卸として計上しなくてはいけません。特に自費診療の技工物は金額も大きくなり、もし棚卸の計上漏れが指摘されると、ペナルティの税金が高くなるので、注意が必要です。

このように、歯科医院の税務調査で重点的にチェックされる項目は、ハッキリ言って、他の業種に比べれば少ないと言えます。

であれば、事前にチェックしておくべきだと思いませんか?

調査される項目が限られているので、
見逃される可能性はないと思ってください。

一回目の税務調査で大きな金額で否認されると、次の税務調査も短期間のうちに入られることになります。

しかも税金にペナルティがつけば、かなり多くの税金を追加で支払うことになり、歯科医院の資金繰りも圧迫します。

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