歯科医院同士で競争することは、とってもよいことです

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医療関連のコンサルティング
2012/06/19
歯科医院同士で競争することは、とってもよいことです

毎年、全国の大学を卒業する歯科医は約2,500人もいて、歯科医師は全国で10万人超となりました。

これは医師の数ではありません。あくまで歯科医師に限定した数です。

試験制度が大幅に改革されて、毎年、大量の合格者を出して、すでに飽和状態と言われている弁護士が3万人です。

それと比べても、3倍以上になります。

そして、開業した歯科医院の数は、7万弱にまで増えてしまいました。

そもそも歯科医は、勤務医が少なく、開業する人がほとんどなのです。

10万人超に対して7万弱ということは、65%程度の歯科医が開業していることになります。

「現在のコンビニの店舗が約45,000店なので、
歯科医院を探す方が簡単だ」

など、悪口も聞きます。

統計では、歯科医院の院長の儲けは、平均1ヶ月約120万円で、勤務している歯科医が平均600万円弱、これらを合算した平均年収は約800万円となっています。

そもそも歯科医になるために6年間も大学に通い、ストレートで卒業できたとして、私立大学の平均の学費が3000万円かかると言われています。それ以外にも大学への寄付金や留年することがあれば、もっとかかってしまうのです。

それなのに、今や歯科医の5人に1人が年収300万円、20人に1人が確定申告での所得がゼロになっているという統計資料さえあります。

このゼロというのは、働いていないという意味ではありません。

歯科医院を開業したけれど、経費を支払い、リース料や銀行への利息を支払うと、所得がゼロになってしまうということです。

なぜ、このような事態になってしまったのでしょうか?

【1】患者の単価が減った

診療報酬の保険点数が減っていることで、患者1人の単価が落ち込んでいます。しかも最近では、自費診療を選択する人も減りました。

さらに、高度な技術や薬の進歩で、患者1人にかける診療回数も減っています。

インプラントなどで治療回数が短くなることは、高齢者の患者にとっては、負担が軽減されてよいことです。

【2】患者の数が減った

親が子供の歯の予防にかなり気を使うようになり、患者の数が減っています。

患者の数が減れば、その取り合いになるため、過当競争になってしまいます。

その競争に勝つために、歯科医院の内装を綺麗に作ったり、広告宣伝費をよりかけることになり、所得がゼロとなってしまうのです。

子供の虫歯が少なくなることは、社会的にはよいことです。

ただ、これを聞いて、歯科医院はお先真っ暗だと思わないでください。

ここまでの話は、平均の数字でしかないのです。

今の日本の経済は、右肩上がりではありません。

その中で、同業種の競合も含めて、全員が儲かるということはないのです。

競争が始まれば、多くの負け組みと少ない勝ち組が出るのです。

私は、
「世の中は、もっと平等を目指すべきだ」
とか、
「貧富の差を、どうにかしよう」
と主張したいわけではありません。

それを主張して待っていても、勝手にあなたの年収をあげてくれる人は表われません。

もうこの現実は受け入れなければいけないのです。

それどころか、これから保険点数も、患者の数も、今以上に減っていくはずです。

だからこそ、「競争して勝つ」、
そして勝ち組に入るしかないのです。
ここで安易に安売りを考えてはいけません。

患者負担分である窓口収入を値引きしている歯科医院があると聞きます。
安く売り始めると、あとは値引き合戦しかありません。

安く売る
 = 簡単
  = いつも値引きすることばかり考える

高く売る
 = 難しい
  = 高い価値のあるサービスを考える

現実に値引きなどせず、予約が取れないほど儲かっている歯科医院、分院を何十店舗も出している歯科医院があるのです。

先ほどの歯科医院が儲からない理由も見方を変えれば、儲かる理屈にもなります。

例えば、親が子供の歯に対して気にかけるようになったということは、歯にかけるお金が増えていることを指すのです。

それならば、「小児歯科の矯正」を専門にしてもよいかもしれません。
そんな簡単なアイデアで儲かるのか? とすぐに文句を言う院長がいますが、やってみないと分かりません。地域の特性もありますが、「小児歯科の矯正」で儲かっている歯科医院があります。

同じように、学習塾の業界も悩んできました。

歯科医院の患者は、子供だけではなく、大人もいれば、老人などはより大きな患者層です。

一方、学習塾は、どんなに頑張っても子供がターゲットなのです。
(社会人相手に、新しい授業を始めた学習塾もありますが、上手くいっていません)

その子供の数が40年前に比べて半分になっていれば、同じように半分以上の学習塾が倒産してもよいはずです。

ところが、現実は違います。

親が、子供1人に対してかけるお金が増えているからです。

それでも半分になった市場で生き残るために、学習塾はいろいろなアイデアを出してきたことも確かです。ここ20年間で、すごく拡大した学習塾もあるのです。

歯科医院だって、新しいアイデアで生き残れるどころか、勝ち組になれるはずです。

もう歯科医院なんてやらないという人は別ですが、この業界で生きていくと決めたならば、やるしかないんです。

でも、間違った方向で努力しても、成功はできません。無駄な時間を潰すだけです。

だから、最初にどうやって儲かるべきか、道筋を決めることが重要です。

ここでは、簡単なアイデアを列挙してみます。

【1】予防歯科

そもそも虫歯になってから歯科医院に来てもらうのではなく、予防の段階から来てもらうことで患者の数を増やす方法です。

これは、親が子供の歯に気を使う現在の状況に、ピッタリ合ってます。

それで、子供の虫歯が減るのであれば、よいことです。

【2】訪問歯科

介護が必要な高齢者へ訪問する方法です。

個別宅を回る方法もありますし、社会福祉施設などで療養している複数の患者を一度に見る方法もあります。

最近は医療機器がかなりコンパクトになったので、持ち運びも簡単です。

今まで歯科医院のサービスが行き届かない人たちにとって、よいことです。

【3】他の医院との連携

最近は、肩こりから始まって、糖尿病のような重たい病気まで、歯周病の影響があると指摘されるようになってきました。

それだけではなく、歯を取り戻すことで、通常の食事ができるようになり、他の病状が改善した患者もいます。

近くの内科の医院と連携することは、地域医療を活性化にもつながります。

歯科医院として新しいサービスを提供することは、患者にとってメリットがあるのです。

というよりも、患者にとってのメリットを追求することが、新しい歯科医院のビジネスを広げるのです。

「競争=嫌なこと」というイメージを持たず、競争があるからこそ、あなたの歯科医院も発展でき、患者も喜ぶと考えるべきです。

大切なことは、明日を不安に思ってはいけません。

明日の準備をすることは大切ですが、不安がる理由は何にもありません。

そんなことよりも、今まで歯科医院のサービスが行き届かなかった患者を探しましょう。そこに、あなたの歯科医院の新しい患者がいるはずです。

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