歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その1)

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2016/06/10
歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その1)

歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その1)

医院経営や病院経営は、自社物件であっても、賃貸物件であっても、面積に限りがあります。ただ、内科であれば、患者が多くなっても、ある程度は、1つの診察室でも対応できます。看護師の着替え場所を診察室に変更すれば、手伝ってもらう医師は必要となりますが、2倍の患者に対応できます。

ところが、歯科医院の場合には、歯科ユニット(治療用チェア)の数で、
対応できる患者の数が決まってしまいます。

通常、都心であれば、2つの歯科ユニットを設置して、患者が増えたときのために、1つの歯科ユニットを追加できる体制にしています。郊外になると、広い面積を借りている歯科医院もあり、4つの歯科ユニットを設置して、さらに1つの歯科ユニットを追加できる体制になっていることもあります。
それでも、歯科医院の場合には、歯科ユニットを無限に増やすことはできません。
それなのに、歯科ユニットがフル稼働することは、時間帯にもよって変動があり、キャンセルする患者もいるため、難しくなります。
80%も稼働していれば、かなり優秀な歯科医院といえるでしょう。

自社物件であれば仕方がないですが、賃貸であれば、近くの広い場所に引っ越せばよいという意見もあります。ところが、実際に、都心で2つの歯科ユニットで手狭になった歯科医院でも、移転することは、まずありません。

理由は2つあります。

 

1. 移転が怖い

歯科医院は勝ち組と負け組が、出てきています。
儲かっている歯科医院も多いのですが、儲かっていない歯科医院も多いのが、現状です。儲からない理由は、いろいろとあると予想できます。

広告のやり方が下手、チラシの作り方がザツ、歯科医院の開業場所が悪い、診療時間や診療日の設定が悪い、受付の社員の言葉づかいが悪い、院長先生の対応が悪い・・・これ以外にも理由があります。

一方で、儲かっている理由は、これらの反対のことが起きているからなのです。
でも、1つの理由で成功している訳ではありません。そのため、今の場所から移転して、同じように儲かることができるのか、不安になるのです。

 

しかも、儲からない理由のうち、歯科医院の場所だけは、
簡単に変更することができません。

 

それ以外は、ちょっと努力すれば、修正できます。

もちろん隣りのビルに引っ越しができればよいですが、そんな幸運はめったにありません。そもそも、隣のビルは店舗に貸す場所はなく、オフィスビルだけということもあります。
すでに、歯科医院が入っていることもあるでしょう。
郊外でも、すぐ近くに、駐車場も完備できる場所を探すのは、難しいのです。

結果、少し離れた場所に移転するぐらいならば、今のままで変わらず、頑張る方がよいと意思決定するのです。患者が多過ぎれば、少し断わってでも、現状で儲かっているので、そちらを選択するのです

 

2. 移転コストが高い

歯科医院の場合には、配管工事も行うため、内装の工事代金が、内科に比べても高くなります。しかも、移転したら、古い歯科ユニットを使いたくないという気持ちも働き、買い換えるケースも多いのです。

これだけではありません。

名刺、ホームページ、駅の看板広告、それ以外の広告資料の住所、地図をすべて書き換える必要があります。コストもかかりますし、労力もかかります。
それを考えると、今のままでもよいかと感じてしまうのです。
最初は、将来、移転するから、賃料を抑えるために、手狭な場所での開業でもいいかと考えていた院長先生が、自ら、移転しない選択をするのです。

ということで、歯科医院の医業収益を伸ばすためには、移転するのではなく、新しく分院を出すというのが、一番の近道となります。
内科などの医院では、常勤で勤務してくれる医師の確保が、かなり難しくなっています。1週間に1回、もしくは2回程度、手伝ってくれる医師であればいますが、シフトを組むのが難しく、かつ1時間に換算した報酬も高額となります。
私は、お手伝いの医師が悪いと言っているわけではないですが、腰かけという気持ちは、どうしても抜けません。そのため、社員教育を手伝ってくれたり、患者を増やすためのホームページを更新してくれたり、医院経営や病院経営の戦略に携わってくれることは、余りありません。

一方、歯科医院の場合には、勤務医師を雇うことが比較的、可能です。
歯科医師が余っている訳ではないので、知り合いの紹介を受けたり、手を尽くす必要はありますが、それでも内科の医師よりは、見つけやすくなっています。

 

つまり、歯科医院であれば、分院を出して、勤務医の先生に
運営してもらうことが、比較的、容易にできるのです。

 

ただ、新しい分院を、勤務医に任せるわけにはいきません。というよりも、新しい分院を勝手に運営できる歯科医師であれば、独立するでしょう。

 

そのため、現在の本院を、勤務医の先生に任せて、あなたが、新しい分院で集患の活動を行っていくことになります。

 

その分院が軌道に乗れば、また勤務医を雇い、新しい分院を出すという行為を繰り返していくと、歯科医院の医業収益はドンドン、上がっていくことになります。

歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その1)

ここで、歯科医院の院長先生がやるべきことは、自分がいなくても、回る組織を作ることです。今すぐに、分院を出さないとしても、将来のことを考えれば、組織作りはやるべきです。新しい分院を出そうと考えてから、取り組んでいたら、かなりの時間をロスしてしまいます。

では具体的に、院長先生がいなくても回る医院経営や病院経営は、どうすれば、作ることができるのでしょうか?

(1) 均一化できる業務を見極める

院長が不在でも、勤務医も、歯科衛生士も、受付の社員も同じクオリティの仕事をやってもらうためには、業務を均一化することです。
指示する人が変わったら、仕事のやり方も違ってきてしまうと、現場は混乱します。
そのため、日常業務については当然のこと、接遇サービス、数値管理まで、できる限り統一すべきです。

 

そのためには、マニュアルの作成が欠かせません。

 

マニュアルの作成の話をすると、院長先生の中には、
「歯科医院の業務はイレギュラーなことが多いので、マニュアルなんて、作っても意味がない」
「すでに歯科医院のセミナーに参加して、マニュアルはもらってきたが、それを読んでいる社員を見たことがない」
など、すぐに否定してくることがあります。

ただ、マニュアルとは、作成することが目標ではなく、それは最低限、守るべきものとして、底上げのツールなのです。このマニュアルを活かして、教育制度、評価制度に取込み、それが給料に反映できる制度を作っていくことが必要です。

まずは、院長先生が、自分の歯科医院の中で、コントロールできて均一化できる業務と、そもそもコントロールできない業務を分けていきます。均一化できる業務は、歯科衛生士や社員と一緒に、マニュアルに落とし込み、全員が読み合わせをします。

このときも、「作ったら、もってきて」「みんなで、読んでおいて」ではなく、院長先生も時間を取って、その内容について議論する時間を作ることです。これが上手く機能すれば、マニュアルをもとに行動しようという気持ちが生まれて、均一化することができるようになります。

「ホントかな?」
と思った院長先生も、騙されたと思って、一部の業務から、例えば、患者への接遇サービスだけなどでよいので、やってみてください。
今まで、マニュアル化してこなかったのであれば、絶対に効果があります。

もっと具体的なマニュアルの作り方については、次の機会に解説していきます。

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