歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その2)

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2016/06/20
歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その2)

歯科医院で、上手に分院を出して、成功させる仕組みづくり(その2)

前回は、歯科医院は、分院を出すことが、医業収益をアップさせる近道だとお伝えしました。
そのためには、まずは、「(1)均一化できる業務を見極める」ことでした。
今回は、その続きとなります。

 

(2)マニュアルの作成

 

マニュアルを作成し始める前に、そのロードマップを作ります。

 

闇雲に、マニュアルを作り始めても、歯科医院の膨大な量の業務をただ、紙に落とすだけとなり、場当たり的なものになってしまいます。結果的に、途中でマニュアルの作成に頓挫することにも、つながります。
そこで、ロードマップとして、以下の5つのことを事前に決めてください。

① マニュアル作成の目的を説明する

院長先生が1人でマニュアルを作るわけではなく、それぞれの担当である勤務医、歯科衛生士、社員に手伝ってもらいます。日々の忙しい業務に、マニュアル作成という業務が追加されるので、院長先生が指示しただけでは、反発する人も多いでしょう。
そのため、マニュアル作成の目的を、事前に説明してください。
マニュアルを作ることで、仕事が均一化され、効率化も図れて、みんなが、楽になるはずです。
社員が辞めたときにも、後から入社した人が、そのマニュアルを読めば、一定の業務をこなすことができます。

② 業務の項目出し

 

マニュアルに記載する業務の漏れを防ぐために、みんなで項目出しをしてもらいましょう。

 

院長先生が、すべての業務の流れを知っているはずがありません。
例えば、歯科医院に観葉植物があれば、それはどの業者に依頼しているのかなど、分かるはずがないのです。
このとき、社員同士が、情報を共有できるシステムを導入しましょう。システムといっても、ファイルサーバを設置して、そこに無線LANで、みんなのパソコンから、アクセスできれば十分です。
コスト的には、数十万円ですみます。これで、みんなが他の人が作った書類を見ることができます。参考にもなりますし、自分もやらなくてはいけないという気持ちも生まれます。

③ 担当者の割り振り

 

院長先生が、業務の一覧を確認したら、そのマニュアルを誰が作成するのか、割り振りをしてください。

 

ときどき、歯科衛生士の1人に、仕事の割り振りを決めてもらうように指示する院長先生がいますが、好き嫌いで、仕事を割り振られることもあり、失敗の原因になります。また、仕事を頼みやすそうな人にばかり集中して、それが原因で辞めてしまったら、もったいないことになります。
一番、公平な立場で、仕事を割り振れる院長先生がやるべき仕事です。

④ フォーマットを統一する

歯科医院の経営のセミナーなどに出席してもらったり、インターネットでも有料のマニュアルを買うことができます。

 

その中から、一番よいマニュアルを選んで、そのフォーマットを共通のものにします。

 

それをファイルサーバに保存して、それをコピーして、作っていきます。定期的に、ミーティングを開き、見解を統一させていきます。このとき、大型TVやプロジェクターを使って、投影して、みんなで見ながら、議論するとよいでしょう。

⑤ 作成期限を定める

 

マニュアルの作業に限ったことではないですが、期限を決めないと、いつまで経っても、業務は完成しません。

 

歯科医院の毎日の仕事は、1日ごと終わります。
このような資料作成の業務は、1週間どころか、数か月かかるので、必ず、仕事は期限を決めて、取り組むことで、完成に近づきます。そして、すべての完成時期を3ヶ月後ということだけを決めるのではなく、項目ごとに、進捗管理を行いましょう。

 

(3)マニュアルの運営

 

実際に、マニュアルが完成しても、それが目標ではなく、これを使って、歯科医院の業務を均一化できなければ、意味がありません。

 

よく一度作ったマニュアルが業務とかなり違うことで、大幅に修正したいという意見が出ることがあります。特に、社員が辞めて、新しい人が入社すると、前の歯科医院では違うやり方だったなどと言い出すのです。でも、マニュアルを何か月もかけて作ったのですから、まずは、マニュアル通りに業務を行ってください。
つまり、マニュアルを意識して、それに合わせるように、組織を運営するのです。

また、歯科医院の業務をすべてマニュアルしたときには、1000ページを超える分量になるはずです。その一部をちょこちょこ変更していくと、全体の整合性も合わなくなります。
最初に作ったマニュアルをすぐに変更せずに、実行してみてください。

このようにして、マニュアルを完成させることができれば、将来、分院を作るときにも、同じマニュアルを使い回すことができます。このとき、院長先生の中には、

「本院は、保険診療が中心の診察が多くて、新しい分院は、自由診療が中心となるので、同じマニュアルは使い回せないよ」

と主張することがあります。でも、よく考え見てください。
保険診療だから、患者への接遇はいい加減で、自由診療だから、丁重に扱うという対応でよいのでしょうか。

 

もちろん、業務の流れは少し違うのかもしれませんが、基本となる業務は、同じだと思うのです。

 

あとで、本院と分院で、人員を交換することもあります。そのとき、業務が統一化されていれば、簡単です。基本的に、マニュアルは、本院でも、分院でも、保険診療でも、自由診療でも、使いまわしてください。
それができれば、歯科医院の分院を1つではなく、いくつも加速的に、増やしていくことができます。

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