これからは、戦略がない歯科医院は、やっていけない?

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医療関連のコンサルティング
2012/02/17
これからは、戦略がない歯科医院は、やっていけない?

歯科医院の経営は、一般の医院経営や病院経営と比べて、競合が多く、悠長に構えていると、すぐに負けてしまいます。

そのため、競合に勝つための戦略を練り、それを日々実行し、変化させていくことが必要となります。この戦略とは、なんでしょうか?

インプラント、審美歯科、小児歯科など、
【1】どの分野で

【2】誰をターゲットにして
【3】何をやるかを決めて
そこで儲かるために
【4】手順を作ること

です。

もちろん、文章で読むとたったこれだけですが、【1】から【4】まで作ることは膨大な作業がかかり、しかも、日々変化させる必要もあるのです。

ここでは、【1】の「どの分野で、」の部分を考えていきましょう。

この【1】は、あなたの歯科医院が取り扱う事業分野のことを指しています。コンセプトとも言い換えることができます。

例えば、あなたの自宅の近くにある医院や病院が、駅構内に看板を出すとしたら、

  • 「内科」
  • 「循環器科」
  • 「耳鼻咽喉科」

などと、書かれているのが、普通です。あとは、診察時間と地図が載っているはずです。

実際には、風邪をひいたときに、「内科」、「耳鼻咽喉科」、どちらに行くべきか、迷う患者もいるので、もっと具体的に書くべきです。その方が、効果的な広告になります。

だから、最近は医院や病院の看板も変わっては来ましたが、それでも、まだまだ、こんな看板が多いのも事実です。というよりも、これでも患者が来るということです。

では、あなたの自宅の近くある歯科医院が、駅構内に看板を出すとしたら、どうでしょうか?

  • 「歯科医院」

とだけ、書かれていますか?

昔はこんな看板ばかりでしたが、今は、あまり見かけません。

  • 「インプラント」
  • 「予防歯科」

と、分野を特定して書かれているのではないでしょうか?なぜだと思いますか?

簡単に言えば、「歯科医院」とだけ書かれている看板は、広告の効果がないからです。駅構内だけではありません。バスや電車の中、ホームページでも、「歯科医院」「デンタルクリニック」だけではなく、何が専門分野なのか、具体的に書かれています。

つまり、それだけ、歯科医院は、狭く深く分野を絞り、コンセプトを作って、患者にアプローチしなくてはいけないのです。

「歯科医院に通う患者の数が減っているのに、事業分野を絞って、大丈夫なのか?」

と聞かれることがありますが、歯科医療費は、ここ数年、ずっと横ばいです。確かに、増えていませんが、減っているわけではありません。それなのに、歯科医院は増え続けているので、競争が激化しているのです。

ただ、全体で見ると一定でも、患者の数が増えている分野もあります。一番、増えているのが、予防歯科です。これは、キシリトールガムがきっかけでした。

キシリトールガムの会社は、歯科医院と一緒に、このガムを売ろうと考えました。最初は、歯科医院の院長から、虫歯になりにくいガムなんて売れるかと突き返されていました。

ところが、その後、コンセプトを変えて、「世の中は、虫歯になってから歯医者に行くけど、本当は、虫歯になる前に予防すべきだ」ということで、歯科医院を巻き込んだのです。

歯科医院の業界としては、虫歯の人だけを相手にするよりも、虫歯になっていない人の方が多いので、そこにターゲットを絞った方が、パイはでかいと考えたのです。

そのときから、「予防歯科」という考え方が浸透しました。これが、コンセプトの強さであり、戦略です。この戦略を練ったのは、キシリトールガムのお菓子メーカーですし、そこが、一番、儲かりました。

もちろん、あなたの歯科医院が、テレビCMや新聞広告を出せるはずもなく、同じように、全国を巻き込んで、コンセプトを売ることは難しいのは分かります。

ただ、あなたの歯科医院が地域に密着して、その周りの人たちに、あなたのコンセプトを売り込むことはできるはずです。そのためには、まずは、あなたが、どの分野で活躍する歯科医院を作るのかを決めなくてはいけません。

ここでよく、「今から流行りそうな分野は、どこになりますか?」と聞かれるのですが、近くの競合の歯科医院の状況、周りに住む人たちの年齢層や家族構成、そもそも、院長先生がやりたい分野によって変わるため、答えはひとつに決まりません。

それでも、あなたの歯科医院でやるべき分野を絞らず、「歯科医院」とだけ書いたら、患者は集まらないでしょう。

他の競合の歯科医院がコンセプトを打ち出してきているのに、あなたが何もしなければ、負けて当然です。

だから、「自分の歯科医院がやるべき分野を絞って、患者に要求と違ったら困る」という質問も受けるのですが、何もしないよりは、マシです。チャンスがマイナスになることはないからです。

何もしなければ、チャンスはゼロです。

  • 「全て100円皿の回転寿司」
  • 「創業40年のうなぎ屋」
  • 「天麩羅屋」
  • 「すし、天麩羅、うなぎ、各種宴会」

どうですか?あなたは、どのお店に入りたいと思いますか?好き嫌いという意味ではなく、どれが一番、お客の反応が良いかということです。上から、下に行くほど、お店のコンセプトが曖昧になっています。

一度、あなたの歯科医院に来てくれた患者は、もうあなたのことをよく分かっています。あくまで、あなたの歯科医院をまったく知らない人に対して、どのようにアピールするのかが大切なのです。

あなたの歯科医院の医療広告を、もう一度、見てください。患者にとって、分かりやすいコンセプトを打ち出せていますか?

もちろん、あなたの歯科医院が決めたコンセプトで、患者が集まらないこともあります。その地域の特性もありますし、競合の存在も、大きく影響します。

そのとき、上手く行かないという理由で、あなたの歯科医院のコンセプトを変更するのは、そんなに簡単なことではありません。すでに、通っている患者も居るのですから、いきなり変更もできないでしょう。

だからこそ、最初に歯科医院のコンセプトを決めるときには、慎重に検討すべきなのです。それでも、ずっとコンセプトを絞れないままでは、儲かることもありません。検討は慎重にすべきですが、一度決めたら、すばやく行動してください。

まだ、それでも・・・・という人は、何をやるべきかを決めるのではなく、何をやらないのかを決めてください。今のままでは、あなたの歯科医院は、すべてが中途半端になっています。消去法によって、少しずつ、コンセプトの幅を狭めていく方法でもよいと思います。

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