受付の顧客管理ができない歯科医院は、院長がどんなに頑張っても、儲からない

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2012/09/19
受付の顧客管理ができない歯科医院は、院長がどんなに頑張っても、儲からない

歯科医院の受付の社員の応対を見ると、
儲かっているどうかをすぐに判断できます。

患者への電話対応、患者が受付に来たとき、患者の支払いと次回の予約取り、予約した数日前に送るハガキの文面など、歯科医院では受付が顧客管理の役割を持っています。

医院や病院は、基本的には急患が多く、朝起きたら熱が出ていた、インフルエンザにかかった、足が折れた、交通事故に会ったなど、その日に患者から電話がかかってくるか、朝から患者が並ぶか、どちらかがほとんどです。

だから、医院や病院が開業するときには、その地域の疾患率から、診療圏調査をするのです。

一方、歯科医院では、急患はその日の患者の10%ぐらいのはずです。
それ以外の90%の人たちは、何度も通ってくれている患者なのです。つまり、リピートの患者を相手にするのが歯科医院のビジネスなのです。

そのため、患者に予約をどのように取ってもらい、キャンセルをさせないかということが大変重要になります。

歯科医院の院長が患者にかける時間は、最短で15分、最長で1時間と考えられます。
最近は、患者に丁寧に説明する歯科医院が多くなったので、昔のように患者1人に15分という時間は難しいかもしれませんが、ここでは頑張れるとしましょう。

休憩を除いて、1日8時間は最低でも働くはずです。
1週間のうち水木を休診日、都心のオフィス街であれば土日休みも多いのですが、どちらにしても1週間のうち2日間休みます。

患者4人(1人15分)× 8時間 × 21日(1ヶ月)
 = 672人

患者1人の診療報酬点数として、初診と再診を合わせた平均で500点を目指します。

672人 × 500点 × 12ヶ月(1年分)
 = 約400万点

つまり、この年間の歯科医院の医業収益は4000万円ということです。

これに自費診療の患者が1週間に1人いて、1人20万円程度を支払ってくれるとすれば、年間約1000万円です。これで歯科医院の医業収益は5000万円となり、歯科医院の院長1人で稼げるMAXの金額になります。

どうです。
あなたが歯科医院の院長で、もし1人でがんばって、これを達成できますか?
ほとんどの院長が、不可能だと言うでしょう。
なぜかと言えば、1時間に4人の患者をびっしり予約できる受付がほとんどいないからです。

患者がそんなに来ないから、というかもしれませんが、それは予約の取り方がよくないだけです。

また、5000万円以上儲かっている歯科医院もあるのですが、それは、他のユニットで勤務医や歯科衛生士を上手く使って、歯科医院の稼働率を上げているからです。

この方法に関しての詳細は、また説明しますが、今回は受付に焦点を絞ります。

とにかく、受付が予約の取り方を失敗したり、キャンセルが多くなれば、ユニットが稼働しない時間が増えます。とすれば、歯科医か、歯科衛生士が働かないかぎり、診療報酬点数はつかないのですから、それだけ歯科医院の売上は減少するのです。

あなたが歯科医院の院長であれば、受付で予約を取ったことがないと思います。大学にいたときも、勤務医のときも、受付は経験していないでしょう。

だから、受付の社員の教育ができていないのです。やり方もわからないかもしれません。

ただ、ちゃんとできている歯科医院もあり、その受付の社員がすごい能力を持っているわけではありません。だから、ここで5つの順番さえ理解できれば、あなたの歯科医院の受付もすぐに改善できます。

【1】 受付のレセコン、または紙の予定表に、多くの情報を書き入れる

【2】 次回は何時から始まり、いつ終わるのか、を患者に伝える

【3】 次回の治療内容は、何かを、受付の社員に伝えて理解させる

【4】 次回の予約期間までが長い患者には、ハガキで確認する

【5】 キャンセル率を随時確認して、必要であれば、受付の社員を指導する

まず、【1】ですが受付はレセコンでも、紙でもよいのですが、とにかく患者が何の治療を行うのかを書かなくてはいけません。電話がかかってきて、予約の時間を変更したいと言われたときに、名前しかないと、どこに予約を移してよいのか分かりません。カルテを確認すると時間がかかり、電話で待っている患者だけではなく、支払いも遅れてしまい、クレームにつながります。

次に【2】ですが、予約を入れるときに、患者に、「何時から始まるのか」を伝えるのは当然として、「15分かかるのか、30分かかるのか」まで伝えてください。
というのも、何時に終わるかわからないと、後ろのスケジュールが詰まってくると、キャンセルしたくなってしまいます。だから、終わる時間を伝えておけば、それを考慮に入れてスケジュールを組むはずです。

それと【3】で、どんな治療を行うのか、例えば麻酔を打つならば、それを教えておけば、そのあと取引先とご飯を食べる約束は入れないでしょう。それが患者に伝わっていないと、その日に確認の電話をしてきて、「もしかして麻酔を打ちますか? それならキャンセルしたいのですが」となってしまうのです。

普通に考えて、人間は予約をキャンセルしません。
社会人で、ミーティングをドタキャンしたら、どんなに怒られると思いますか?
1時間前でもキャンセルの電話をする場合には、平謝りです。
友達と食事に行く約束をしていて、1時間前にキャンセルしますか?
しませんよね。

つまり、基本的なことを伝えておけば、患者はキャンセルしないのです。

しかも患者がキャンセルを繰り返すと気まずいなという感情が沸きます。そもそも人間には、約束をキャンセルするのは悪いことだという認識があるからです。それが続くと、歯科医院を変更されてしまうことにもつながります。

受付のちょっとした気配りで、キャンセルも少なくなり、患者もリピートしてくれるのです。

この気配りは、患者のためだけではありません。
あなたの歯科医院のユニットの稼働率を上げるために行うのです。何度も言いますが、あなたの歯科医として待ち時間が空くほど、売上は下がってしまいます。

そして【4】は、次の診察は経過観察であったり、スケーリングであれば、3ヶ月以上空くことがあります。最近は地域によっては査定が厳しくなり、再初診のために、6ヶ月以上空ける歯科医院もあります。

ここまで時間が空くと、患者も忘れがちなので、ハガキを送ります。もちろん、その前提として、受付で予約を患者が取るときに、「次の予約までの時間がかなり空くので、電話での確認がよいか、ハガキでの確認がよいか」を聞かなくてはいけません。忘れずに、やってください。

最後の【5】ですが、キャンセル率を確認します。
私の今までの経験では、10%ぐらいは問題ありません。
10件に1件です。
現実には、1日に10%ぐらいの急患があるので、それを入れるとピッタリです。

ところが、このキャンセル率が20%を超えていると、受付の対応に問題があります。このまま放っておくと、患者は減り続けます。

私が、歯科医院の院長に理解してもらいたいことは、売上は1人で稼ぐものではないということです。

大阪に世界的に有名なリッツカールトンというホテルがあります。
ここでは、初めて訪れたお客に対して、名前で「ようこそ、○○さん」と対応し、受付に行くと、お客が名前を告げる前に、自分の部屋の鍵がすでに用意されています。それで、お客はすばらしいサービスだと感動するのです。

これは、ドアマンがお客の鞄についたタグから名前を読み取り、受付にインカムで連絡するのです。たったこれだけで、お客はリピートして、リッツカールトンに泊まってくれるのです。
歯科医院も同じようにドアマンを置くべきだということではありません。

お客には歯科医院の院長1人で対応すべきではなく、チームで協力して対応することが大切だと知ってほしいのです。

あなたが歯科医院の院長であれば、患者の治療が終わったら、次回はどんな治療を行うのか、時間はどれくらいかかるのか、麻酔は打つのか、抜歯するのかなど、受付に知らせなければいけないのです。それがチームワークなのです。

それがなければ、先ほどの【1】から【3】を受付が実行することはできません。
そして、【4】と【5】も、歯科医院の院長が指示しなければ、自らやる受付はいません。教えてもらわなければ、気づかなくて当然なのです。

もしあなたが、歯科医院の院長として、いきなり受付を教育するのは難しいと思うなら、顧問の会計事務所に頼んでください。

第三者から、
「他の歯科医院では、このような手順で受付の業務を行って、キャンセル率が下がりました」
と教えられた方が、受付の社員は受け入れやすいかもしれません。

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