メンテナンス型の歯科医院を目指すときの心構え

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医療関連のコンサルティング
2012/04/16
メンテナンス型の歯科医院を目指すときの心構え

メンテナンス型の歯科医院を目指すときの心構え今までの医院経営の方針を大きく変えるという歯科医院が増えてきました。

その中でも、最近増えてきたのが、ヘルスケア型の歯科医院です。

あなたは、
「ああ、虫歯が痛くないけれど、歯医者に来院してもらうことですね」
と考えるかもしれませんが、少しだけ違います。

歯科医院に来院した患者に、定期検診を進めて、虫歯を早急に見つけましょうと助言したり、歯石を取って、歯が綺麗になりましたねというのは、ヘルスケア型の歯科医院とは呼びません。

ヘルスケア型の歯科医院とは、治療することをメインにしません。

【1】患者の歯についての記録を取る

【2】患者に、その記録をもとに、説明をする

【3】歯科医だけではなく、歯科衛生士、歯科技工士などが、チームとなり対応する

【4】そのあと、定期的に来院してもらう

【5】虫歯が見つかれば、早期に治療する

この5つのことを繰り返して行うことを、ヘルスケア型の歯科医院と呼びます。

ただ、私は、あなたが、ヘルスケア型の歯科医院にならなくてはいけないと主張しているわけではありません。

ここでは、お話しませんが、自費のみの歯科医院、インプラント専門、訪問型歯科医院、夜型の歯科医院など、いろいろ特徴のある歯科医院が増えています。そのため、ヘルスケア型が、一番よい方向だとは断言できません。

ただ、今までのように、昼間に、「歯が痛い」という患者が来るのを待ち続け、その虫歯を治療するだけという歯科医院は、これからは、やっていけないことが、ハッキリしています。

歯科医院の開業時に多額の借金をして、医業収益が上がらず、それを返済できなくなり、倒産する歯科医院も、現実にたくさんあるのです。

そこで、あなたの新しい方向性の1つとして、ヘルスケア型の歯科医院という選択肢があるということです。

このヘルスケア型の歯科医院のよいところは、
大掛かりな医療広告の仕掛けを行い、
今までの医院経営の方向を180度
変えるものではないことです。

既存の患者に対してのみ、かつ一部の患者に対してだけ、ヘルスケア型の歯科医院をアピールすることもできます。

というよりも、いきなり、すべての患者をヘルスケア型の歯科医院にはめ込もうとすると、失敗します。

もともと、すべての患者が、ヘルスケア型の歯科医院に来院するわけではないからです。人間は、痛くなくなると、「喉もと過ぎれば」という感じで、忘れてしまいがちです。

毎日、忙しい人もいます。その患者にまで、無理やり、ヘルスケアを押し付けても、無理です。あなたがかける努力に比べて、効果は上がりません。

だからこそ、一部の患者にだけ、ヘルスケア型に移行してもらえばよいのです。肩肘を張らずにできることが、ヘルスケア型の歯科医院のよいところでしょう。

では、ヘルスケア型を導入する手順を見ていきましょう。

【1】スタッフに理解してもらう

院長だけではなく、歯科衛生士や受付の社員も、患者に対しての態度を変えなくてはいけません。

歯科医院の待合室に、ヘルスケア型の診察を進める小冊子などを置くことになります。

そのため、まずは、スタッフに、あなたの歯科医院の今後の方向性を教えなくてはいけません。

特に、今までの医院経営と何が決定的に違うのか、そのことで、患者にとって、どんなメリットがあるのかを理解してもらう必要があります。

【2】一部から導入していく

いきなり、ヘルスケア型の歯科医院になりました。だから、それ以外の患者は受け付けませんと言うわけにはいきません。

そんなことをすれば、既存の患者が逃げ出してしまいます。

そこで、今までの施術を歯科医院で続けながら、ヘルスケア型を導入することになります。

ここで、ヘルスケア型で必要な記録をすべて行なおうとすると、スタッフがパンクします。

唾液検査だけ、歯周組織検査、口腔内検査だけは、絶対にやるなど、限定して導入していきましょう。完璧にやることが、よいわけではないのです。

ただ、導入すると決めたものは、徹底的にやってください。それが、社員の意識改革を起こします。

【3】患者に声をかける

既存の患者にハガキを出したり、初診で来た患者に対して声を掛けましょう。もちろん、最終的に意思決定するのは、患者です。

そのため、無理強いは止めてください。

だんだんと人数が増えてくれば、ヘルスケア型のよさが分かって、リピートしてくれます。

【4】クレームの対応

ヘルスケア型の歯科医院にも、多くのクレームが来ます。

例えば、導入初期に多いのが、歯科医や歯科衛生士によって、言うことが違うというものです。

ヘルスケアの教育が上手く行なわれていなかったり、担当を変えるときに、情報の引継ぎができていないと起こります。

ヘルスケア型の歯科医院では、チームで患者に対応することも必要になります。

そのため、みんなで、ミーティングの機会を持ち、患者について話し合うことも、情報の共有化につながります。ただ、クレームは、ヘルスケア型を導入したことに対しての興味の表れでもあります。

クレームにしっかり対処することは、ヘルスケア型の患者を増やすチャンだと考えてください。

【5】患者のモチベーションを維持する

虫歯がない患者が通うためのモチベーションを維持させることが、ヘルスケア型の歯科医院では一番重要であり、難しい場面と言えます。

私の経験からは、患者を「褒める」ことが、モチベーションアップにつながります。

例えば、過去の口腔内写真と比べて、改善した点を解説したり、他の一般的な患者と比べて、ここがよいと褒めるのです。そのことで、患者が、歯のメンテナンスに対して努力するようになり、より効果が上がります。

もちろん、中には、褒めて伸ばすよりも、励ます感じの方がよい患者もいます。患者の性格によって、対応を変える柔軟性は大切です。

最後に、これは、ヘルスケア型の歯科医院だけではなく、全ての医院経営や病院経営に当てはまることですが、一度、始めたら、院長が納得いくまで続けることが大切です。

最初は上手く行かず、歯科衛生士、歯科技工士、受付の社員から、「止めた方がいい」、「無謀だ」、「こんな忙しいのに無理」と言われるかもしれません。

それでも、あなたの歯科医院が今後、何十年間も存続するためには、やらなくてはいけないのです。

しかも、歯科医院の競争が激化して、
今までの歯科医院にない、新しいサービスを
提供することは、患者にとっては、
大きなメリットになるのです。

だからこそ、患者は、あなたの歯科医院を選ぶのです。

まずは、やってみないと、そしてそれを続けないと、正解まで辿り着けないことを認識してください。

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