看護師の安全管理や健康管理に、気を配っていますか?

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2016/07/10
看護師の安全管理や健康管理に、気を配っていますか?

看護師の安全管理や健康管理に、気を配っていますか?

医院経営や病院経営は、建物や医療機器で成り立っている訳ではありません。
その建物の中で働いてくれる、医療機器を動かしてくれる看護師、受付でレセコンによって、精算する社員がいなければ、運営はできません。院長先生だけで、医院経営や病院経営はやれないのです。

それほど、扱うのに危険な医療機器はないとは思いますが、注射針やメスなどの器具もあり、一般事務の会社の仕事に比べると、医院経営や病院経営では、安全管理の必要性は増します。

医院や病院が完全管理を行うことは当然ですが、看護師や社員にも、「自らの安全を確保する」ための義務が課せられています。

労働安全衛生法の26条では、「労働者の守らなければいけない措置」を明示して、これに違反した場合は、50万円以下の罰金(同120条)」を科すこととなっているのです。
実際に、自己安全義務についての判例があります。

看護師の安全管理や健康管理に、気を配っていますか?

このように、看護師や社員に対して、自らの身を安全に守ることの必要性を教えておくべきです。上記の判例を見せても良いのではないでしょうか。

さらに、医院経営や病院経営では、診療時間が朝早い、夜遅い、夜勤がある、土日も出勤で、シフトを組んだりして、不規則な勤務形態になりがちです。病棟がない医院や病院であっても、診療時間が夜7時までとなっていれば、そこから片付けが始まり、7時半ぐらいに勤務時間が終わります。実際に、自宅に帰宅して、食事をするのは、8時過ぎになるでしょう。
医院や病院は、このようなことも踏まえて、看護師や社員の健康管理を考えてあげることが必要となります。

健康管理は安全管理と違い、社員自身の内面的なことであり、その原因は本人の体質等と関係するものも多くなります。そのため、社員本人が自らの健康を意識して、体調不良等の自覚症状に対し、積極的に院長先生の診断を仰ぐべきです。

私の顧問の院長先生からも、

「面接して雇った社員が、病気を隠していて、分からなかった」
「最近、うちの医院で2人も、体調不良で倒れたよ」

などの話を聞くことがあります。

院長先生といえども、事前に完璧な判断ができるわけではないため、同僚の看護師や社員が声をかける機会を作りましょう。

 

「自分の身は、自分たちでも守る」ということが、健康管理義務の根本にあります。

 

そうは言っても、「全てが、本人のせいである」ということではなく、医院や病院側にも、看護師や社員に対する「安全(健康)配慮義務」があり、これを一体として考えることが大切です。
やはり、これに関する裁判の事例もあります。

看護師の安全管理や健康管理に、気を配っていますか?

これだけ見ると、会社側がかなり悪質で、いわゆるブラック企業のような気がしてきます。ところが、最高裁は社員側の責任も認めたのです。その結果、社員自身の健康管理の不備を指摘して、損害賠償の額は半分程度となりました。

もちろん、1人の命が亡くなっているので、会社の責任がゼロになることはないでしょう。それでも、この会社が健康診断で社員の異常値について、もっときめ細やかな対応をしたり、社員の体調を考慮した業務に配属していたら、裁判の結果はもっと会社側の責任を小さくしたのかもしれません。しかも、この社員の命も救えたかもしれないのです。
このような裁判になれば、医院や病院の評判は最悪です。働いている看護師や社員だって、良い気持ちはしないでしょうし、辞めていく人たちも少なくないはずです。

ではどうすれば、医院や病院は、具体的に、看護師や社員の健康管理義務を満たせるのでしょうか?

(1)定期健康診断を毎年必ず社員に受診させる

医療法人であれば、社会保険に加入しているはずです。指定された医院や病院で、1年に1回は健康診断を行わせてください。
もし受診しない看護師や社員がいれば、ペナルティを与えるべく、強い態度で望むべきです。
よく「どうしても、予定が合わなかった」という言い訳も聞きますが、再予約したのかまで、確認してください。
これは、本人のためというだけではなく、医院や病院の義務でもあります。

社員に隠れた疾病等があったとしても、過重労働等が引き金になった場合には、間違いなく、労災となり、医院や病院の責任が問われます。

大きな労災事故となった場合は、労災保険でのカバーは不可能となり、民事訴訟となるケースも多くみられます。

(2)精密検査等を受診させる

健康診断等で異常な値が発見された場合には、面倒とか、忙しいなどという言い訳は無視して、再検査をさせてください。院長先生は、その結果も、本人から聞くようにすべきです。
もし必要であれば、休暇を与えたり、部署を異動させることも、考えるべきです。意外と、精神的に負荷がかかるポジションにいたり、気の合わない上司の下で働いていたことが、体調不良の原因ということもあるのです。

(3)残業を抑制する

医院や病院の看護師や社員の数は、最低限で回していることは理解できます。そのため、1人の体調が悪くなって休みがちになると、他の人たちに、しわ寄せが行きます。残業が増えたり、1週間で6日間も働かせたり、過重労働となる可能性があります。そのときには、アルバイトやパートを雇い、一時的に人数を増やしましょう。

 

このように、健康管理について考えてきましたが、入り口は、健康診断なので、それだけは、どれほど忙しくても、看護師や社員に受診させることを徹底することが、大切です。

 

本人たちにも、それを自覚させてください。

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