看護師の求人の募集要件を、今よりも緩くしてみたら、どうでしょうか?

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2016/09/30
看護師の求人の募集要件を、今よりも緩くしてみたら、どうでしょうか?

看護師の求人の募集要件を、今よりも緩くしてみたら、どうでしょうか?

人材不足は、医院経営や病院経営で常態化しています。
特に、高齢者の患者は増えていく一方で、働く人口はずっと減っています。

1人当りの診療報酬が減らされていく現状では、多くの患者を診なければ、十分な医業収益が上がらないことになります。

そこで、できるだけ、効率よく患者を診ていくために、優秀な能力や経験を持ち、夜も19時まで働いてもらえて、土曜日出勤もできる看護師や社員を雇いたいと、すべての院長先生が考えるのですが、ほぼ、不可能です。
特に、看護師に至っては、どこの医院や病院も困っています。

私も顧問先の院長先生から、「なにか、よい人がいたら、紹介してよ。特に、看護師を何年間も探し続けているんだけど・・・」と言われるのですが、ほぼ、無理です。

もちろん、高額な給料を提示できる病院であれば、お金というアピールができますし、難しい手術を行う大学病院であれば、自分の能力を伸ばしたい、貴重な経験をしたいという希望者がいるでしょう。
ところが、一般的な内科や外科で、保険診療が医業収益の80%以上を占めるという場合には、お金や仕事でアピールすることが難しくなります。それでも、人材募集のチラシを捲いたり、求人広告を雑誌やインターネットに載せれば、看護師であっても、数人の応募があります。

その中から1人~2人を選定するのですが、選択肢も少なく、競合もいるため、無理やり口説き落として入社させると、結局、あとで看護師が問題を引き起こすのです。
私が、院長先生から聞く話では、下記が多いです。

 

① 前の医院や病院と比べる

看護師が「前の医院の方が、待遇がよかった。前の院長先生の方が、理解があった」などと文句を言うことがあります。これでは、「前の医院がよければ、なぜ、辞めたのか?」と聞き返したくなってしまいます。

看護師としては、自分の意見が正しいことを主張したいという気持ちから、前の医院や病院を引き合いに出しているだけなのです。

前の医院の待遇なんて、今の同僚や部下には、知る由もないので、確かめることもできません。
看護師としては悪気がないかもしれませんが、「うちの医院は待遇が悪い」という気持ちを、周りに抱かせてしまいます。

 

② 慣れによる慢心

豊富な知識や長い経験がある看護師は、確かに、貴重な存在です。ただ、医療機器は日々、進歩していて、カルテも電子化されて、操作を覚える必要があります。そのため、日々、勉強して、技術や新しい医院経営や病院経営にキャッチアップしていくことが、看護師であっても、必要となります。

ところが、知識や経験がある看護師は、医療行為に対する勘も養われているため、漠然と仕事をしているケースも多くあります。

院長先生や同僚の看護師からの注意なども聞かず、「自分のやり方が正しい。今まで、自分の経験に頼ってきて、失敗がない」と過信していることもあります。でも、その看護師が、患者の命に関わるような大きな失敗をすれば、医院や病院そのものの経営危機になります。
それを事前に防ぐ手立ては、なかなか、ありません。

 

③ 社員との軋轢

看護師は資格も持っていますし、受付の社員に比べると、医療という仕事に対する能力は発揮しやすいことは、確かです。特に、公立病院や大学病院、もしくは200床以上の病棟を持つ大病院であれば、病棟において看護師と受付の社員や補助を行う社員の待遇は、かなり違ってきます。

看護師は、看護師だけしかできない仕事だけで、1日が終わります。しかし、中小の医院や病院になると、看護師は多くても3人程度で、少なければ1人ということも多いでしょう。検査の補助などは看護師が行いますが、それ以外の仕事は看護師でも、社員でも、やることは同じです。

患者にとっても、看護師と社員の見分けは、ほとんどつきません。
その中で、看護師がプライドを持っていると、他の社員との軋轢が生まれます。

結局、中小の医院や病院では、看護師は、医療の技術も大切ですが、患者への接し方、組織での患者のフォローも同じぐらい大切になるのです。

患者が、「あの医院で働いている人たち、なんか表情が暗いよね。お互いに、仲良さそうじゃないしね」と感じてしまうと、離れてしまいます。

 

もちろん、すべての看護師が上記のような問題を起こすわけではありません。私も、医療の知識も豊富で、周りの人にも分け隔てなく接してくれて、文句も言わず、何十年も同じ医院や病院で働いている看護師を何人も知っています。

大多数の看護師がそうだとしても、ほんの一部の看護師が上記のような態度であると、そちらに印象がぶれてしまうのでしょう。実際に、その印象がすごく強くなり、「もう看護師は雇わないよ」という院長先生さえいます。それでも、検査が多い診療科目や診療行為があれば、看護師は必要となります。

そこで、経験が豊富でなくても、新卒に近い看護師を雇うという考えに変えてはどうでしょうか?

または、一旦、出産や子育てで、かなり現場を離れていた看護師を雇っても良いと思います。看護師を選択できる幅が広がりますし、経験や勘に頼った行為も少なくなります。もちろん、「教育している時間がないよ」と院長先生は言うかもしれません。

それでも、病棟がない医院や病院であれば、一定の範囲の診療行為の補助ができれば、十分なのです。あとは、人間関係や患者への接し方がよい看護師の方が、医院経営や病院経営にプラスになるはずです。

ただ、1つだけ、問題があります。
新卒に近い看護師だけの問題ではないのですが、転職です。
診療報酬の改定でルールが厳しくなり、7対1の病棟の数が減っているとはいえ、看護師の数は不足気味です。先ほども言いましたが、中小の医院や病院で看護師を募集しても、数人しか集まりません。募集の要件をかなり緩くすることで、増えたとしても、一般の社員ほどは集まりません。やはり、看護師は転職先を選ぶことができる売り手市場と言えます。
とすれば、看護師は転職が比較的、簡単なのです。

いろいろと、仕事を覚えてもらい、これから戦力になるところまで育ったところで、辞めてしまえば、また、いちから採用して教育していくことになるのです。

これを防ぐためには、院長先生が、看護師に声をかけたり、コミュニケーションを取って、良好な関係を築き、働きやすい環境を作ることが、一番です。

 

それ以外にも、勤続年数が5年以上の看護師や社員には退職金制度を導入したり、毎年、昇給させていくことも必要でしょう。院長先生からすれば、「なんだ、そんなこと」と思うかもしれません。毎日、院長先生が10分でもよいので、看護師や社員の話を聞いてあげると、離職率はすごく改善されます。

大切なことなので覚えておいて欲しいのです、看護師や社員の話に対して、すぐに結論を出す必要はありません。

もちろん、看護師や社員から、医院や病院として改善して欲しいという提案があれば、検討すべきです。ところが、それだけではなく、単純な愚痴に終始したり、最初から解決できない話も多いのです。それでも、院長先生が聞いてあげることが、すごく重要なのです。

とにかく、現在、まったく人材が採用できない、求人募集の広告を出しても、人材が集まらないというのであれば、今までの方法を変換させる必要があります。そして、今まで話を聞いてあげていなかったと院長先生が思ったら、明日から声をかけてみましょう。

 

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