看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

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2016/08/20
看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

ある医院の院長先生から、こんなご相談がありました。

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

まずは、この医院の状況を確認しましょう。

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

他のスタッフにも確認したところ、A看護師は、実際の労働時間よりも長く申告して、残業代を多くもらっているとのことでした。これは意図的に、医院や病院のお金を搾取していることになりますので、院長先生としては、対処しなければなりません。
それだけではなく、他の看護師にも悪い影響を与えてしまいますし、労働時間を誤魔化してもよいという雰囲気は、もちろんですが、作りたくありません。

ただ、現時点では、噂レベルであり、具体的な証拠はありません。医院としては、これを証明しなければなりません。実際に、同じように、労働時間を誤魔化したとして、社員ともめた会社がありましたが、証明できないことで、会社が裁判に負けています。

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

結局、社員は、会社の決定を不服として、裁判を起こしました。
裁判の判決は、下記となりました。

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その社員の申告が虚偽だったかどうかは、証拠がない限り、誰にも分かりません。
結果は、会社が証明できなかったので、社員が勝訴したのです。

 

そもそも、医院が、「社員の出社時刻、退社時刻を管理する」という責任があることが、大前提になっています。だからこそ、証明責任は、医院や病院の側、そして、院長先生の側にあるのです。

 

すべて社員の自己申告に任せていたら、時間管理を放棄しているとみなされても、仕方がありません。先ほどの裁判でも、会社が早めに調査して注意をしておけば、裁判までのトラブルには発展しなかったでしょう。やはり、一定の期間、放置したことで、トラブルになってしまったのです。

一方、会社が注意していたことで勝訴した、最高裁の判例もあります。(八戸鋼業事件 最高裁 昭和42年3月)

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

医院や病院としては、注意するとしても、その前提として、やっておくべきことがあります。

それは、就業規則への「服務規定の明文化」です。

この服務規定に違反した場合、懲戒処分の対象になることを明示することで、社員もやってはいけないと、認識するはずです。

なお、具体的には、就業規則に、次を記載します。

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この記載が無いと、虚偽の申告を理由に、医院として看護師を懲戒処分したとしても、処分無効の訴えを起こされる可能性があります。

それから、「虚偽の申告かどうか」を調査する場合にも、注意点があります。
もし、上司である看護師が、虚偽の申告をした場合です。
告発したのが、その上司の部下の看護師であれば、院長先生が保護しなければなりません。
なぜなら、部下が上司の不正を告発した場合、上司からの嫌がらせ、不当評価を受ける可能性があるからです。
だから、医院としては、下記の対応を行ってください。

看護師がウソの勤務時間を申請してきたときに、どう対処したらよいのか?

このように、虚偽が発覚したら、きちんと処罰することが重要です。

もっといえば、不正が行なわれる可能性のある体制そのものにも、問題があります。

不正が行なわれる可能性がある手書きなどは、事務効率も悪いので、この意味からも改善すべきです。
例えば、毎日のパソコンのオンとオフの時間、IDカードなどで記録を取れば、それが証明になります。ただ、医院や病院の場合、全員がパソコンを使うわけではなく、IDカードがない場所を借りていることもあるでしょう。
最近では、安価なタイムカードの機械で、Suicaなどで記録できるものも出ています。これらを購入して、社員に打刻してもらうのが、一番の事務の効率のアップにつながり、証明にもなります。

最後に、社員の時間を管理することは「医院や病院の義務」です。その義務を果たすための体制、システムの導入は必要ですが、もちろん100%の保全はできません。

 

そこで大切になるのは、不正は絶対に許さない、不正したら懲戒処分にするという医院や病院の姿勢であり、これを徹底することで、再発の防止にもつながるのです。

 

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