医院が新年会を開催したが、その食事代が経費にならないことがある?

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2013/01/17
医院が新年会を開催したが、その食事代が経費にならないことがある?

現在、医院経営や病院経営において、看護師も含めて、スタッフにできるだけ長く働いてもらった方が、絶対によいはずです。

【1】 患者となじみが深いスタッフが増えることで、お互いに名前も覚えて親密な関係が築けるので、長期間の付き合いができる。

【2】 院長先生とスタッフの連携が上手に取れて、仕事の効率がよくなり、患者の待ち時間が減ることにもつながる。

【3】 スタッフは、自分の仕事に慣れることで失敗が減り、残業も少なくなり、無駄な引き継ぎという作業もなくなる。

【4】 新しいスタッフの採用コストも削減できるだけではなく、院長先生の面接時間が減るので、医院経営や病院経営の利益にプラスになる。

【5】 スタッフ同士が仲良くなり、辞めていく人がいないのは、よい雰囲気を作り出し、それは患者にも伝わる。

どうですか?

医院経営や病院経営は革新的なアイデアの広告を作ったり、口が上手い営業マンが必要なわけではありません。
毎日の少しずつの努力と改善で、「診察して、投薬するという作業」を効率化するとともに、仕事で失敗をしないということが大切なのです。

というのも、医院や病院での仕事の失敗は、患者の命に係わる大変なことになる可能性があるのです。院長先生の指示のもと、慎重に、かつ正確に仕事を行うことが大切なはずです。
とすれば、やっぱり看護師も含めて、スタッフが長く働いてくれた方が、医院経営や病院経営にとってはプラスになるのです。

とはいえ、看護師やスタッフがすぐに辞めてしまい、1年間に何回転もする医院や病院もあります。

医院や病院は周りに住んでいる人を雇うことが多く、それは患者の代表にもなりえます。その人たちがドンドン辞めてしまう医院は、悪い口コミが広がる環境を作ってしまいます。
ではなぜ、辞めてしまうのでしょうか? その原因はどこにあるのでしょうか?

私は、それは2つの原因があると思っています。

【1】 そもそも、院長が採用するスタッフの基準が間違っている(採用してはいけない人を雇う)

【2】 働く医院や病院の環境(雰囲気)が悪い(辞める人が多いと、暗くなる)

「採用する基準が間違っている」という部分は、次のブログで説明します。

今回は、「働く医院や病院の環境が悪い」という部分を考えてみます。
働く環境は、さらに3つの要因に分けられます。

  • (1) 給料
  • (2) 仕事の内容
  • (3) 人間関係

単純に、給料が高ければよいわけではなく、この3つの要因の歯車がかみ合うことが大切です。
ここでは、人間関係を考えていきたいと思います。

医院の新年会の食事代が経費にならない?院長先生が、スタッフのみんなで食事をしたり、旅行に行くことを提案することで、医院や病院に一体感が生まれたり、お互いのことをよく知るきっかけを作ることができます。

「あの人、残業もせずに、いつも早く帰ってしまう」という文句も、実際にはその人には小さな子供がいて、迎えにいくという用事があるのかもしれません。
それも、お互いに家族構成などを話しておかないと分かりません。

さらに医院や病院が、永年勤続を表彰する制度などを導入すると、もらった人だけではなく、周りのスタッフが祝福するという気持ちが生まれます。

このように、医院や病院がお金を出して、スタッフの人間関係がよくなれば、それは仕事に対する意欲、効率性、そして患者への対応にいたるまで、必ずよい結果をもたらします。

ただ、もう一つ疑問がわきます。
それは、この医院や病院が支出したお金は経費(福利厚生費)になるのでしょうか?

福利厚生費にならないとすれば、個人医院では院長先生の生活費として、もしくはスタッフの給料とみなされてしまいます。

医療法人では、交際費もしくは、同じようにスタッフの給料になってしまいます。
個人医院や医療法人の経費にならなければ、法人税が増えますし、スタッフの給料になれば、各自の所得税が増えてしまいます。

スタッフの働く環境をよくするためにやっているのに、無駄な税金が増えてしまっては意味がありません。

下記の図の条件を満たすことができれば、福利厚生費になります。

 

福利厚生費

交際費又は生活費

給与

社員旅行

旅行日程が4泊5日以内である。
看護師も含めた全てのスタッフの50%以上が参加すること。

患者、製薬会社、医療機器メーカー、薬局など、部外者が参加する。
特別豪華なホテルに宿泊したり、食事をしたりする。

旅行に不参加だったスタッフに、旅行代金の一部、もしくは全部を支給する。(不参加の理由が合理的かどうかは関係がない)

忘年会・新年会等

看護師も含めた全てのスタッフが参加できる状況にある。(分院がある場合には、分院ごとでも構わない)
常識の範囲内の金額で、一次会まで。

患者、製薬会社、医療機器メーカー、薬局など、部外者が参加する。
院長、看護師やスタッフだけで行われたとしても、二次会で支払ったお金。

特定の看護師やスタッフ(院長が誘ったなど)だけが、医院や病院の業務に関係ない用事で、飲食した場合。

表彰制度
(金品を支給する場合)

金銭以外のもので支給するもの。
満25年勤続者は10万円相当、満35年勤続者には20万円相当というのが上限の目安。
前回の表彰から5年以上間隔があること。

医院の患者、製薬会社、医療機器メーカー、薬局など、部外者を表彰したときに使ったお金。

医院で営業成績が優秀な看護師やスタッフへ支給する金品。
永年勤続の表彰でも、金銭や金券など、もらう人が自由に選択できる場合。

保養所

どのスタッフも公平に使えるようにする。
みんなの予約が集中する時期は、くじ引きなどを導入する。

患者、製薬会社、医療機器メーカー、薬局など、部外者も使用できるようにする。
(ただし、個人医院ならば宿泊料を受取れば経費になるが、医療法人では難しい)

限られた看護師やスタッフだけが利用できる。(親族だけが保養所を使っていると、役員賞与になってしまうこともある)
全ての看護師やスタッフに知らせていない。

院長先生の中には、
「新年会、忘年会、社員旅行なんてやっても、働く環境は改善しない」
「そんな企画を立てている時間もないし、面倒だ」
「俺、お酒飲めないから、忘年会なんて楽しくないんだ」
と言う方もいます。

もちろん、たったこれだけで、人間環境が劇的に改善するとは考えていません。
どれほど豪華な保養所、例えば、有名なリゾートの会員になり、すべてのスタッフが使えるようにすれば、突然、辞める人数が減る訳ではないと思います。

それでも、医院経営や病院経営以外に目を向けた場合、一般の会社では、やっぱり社員旅行や忘年会を企画して行っています。

ある程度の効果が期待できるからだと思いませんか?

本当に、少しの効果であったとしても、それが積もることで、改善していくこともあります。
院長先生とスタッフの間には、大きな意識の違いがあることを知ってほしいのです。

「やる気なんて、自分で作るもんだ」
「人間関係は、自分で解決しなければだめだ」
このような考え方では、医院経営や病院経営は悪い方向に向かうだけです。

あなたが、子供のときに、いじめがなかったですか?
このいじめ、子供たちだけで、解決できましたか?
絶対にできません。

いじめは、教師や親が介入しなければ、当事者だけで、解決できるわけがないのです。

大人になっても、同じようにいじめはあります。

医院や病院で人間関係のトラブルがあった場合、目上の人が、それを解決する手助けをしなければいけないのです。

それ以前に人間関係が悪化しないように、院長先生がスタッフの働く環境をよくする努力をすることは絶対にマイナスにはなりません。働きやすい医院の場を提供するのは、院長先生の役割だと思うのです。

その院長先生の努力を看護師やスタッフが知ることで、みんなで協力しようという気持ちも強くなるのです。

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