医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

住所
医療関連のコンサルティング
医院経営/病院経営コンサルティング > 看護師と社員を上手に操縦するためのルール作り > 医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②
2017/05/30
医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

医院や病院では勤務医が通常の業務を行うだけではなく、宿日直という制度を導入しているケースも多く見受けられます。通常、残業時間の勤務に対しては割増賃金を支払う必要がありますが、宿日直の場合はどうなるのでしょうか?

宿日直とは、「仕事の終了から翌日の仕事の開始までの時間や休日について、原則として通常の労働は行わず、労働者を事業場で待機させて、電話の対応、火災等の予防のための巡視、非常事態が発生したときの連絡係」とされています。

そのため、断続的労働として割増賃金を支払う必要がないのです。

昭和63年3月14日基発150号で、断続的労働とは休憩時間は少ないのですが、手待ちが長い労働のことを指すとされています。つまり、作業時間が長く継続せずに中断して、少ししてまた同じような作業時間が発生して・・・ということが繰り返されるということです。

ただ間違ってはいけないのは、もともとは断続的な作業に従事するものであるにも関わらず、医院や病院がコントロールして、途中で休憩時間を何回も作ったとすると断続的労働には該当しません。

また断続的労働に割増賃金を支払う必要がないというのは、通常の医院や病院の業務を行うことに比べて、身体疲労や精神的緊張が小さいという理由です。そのため、あくまで宿日直では病院の定時巡回、少数の要注意患者の検脈などの軽微で短時間で終わる業務だけしか行わせてはいけません。それを超えて、通常の医院や病院の業務を行わせるならば、断続的労働とは言えないため、割増賃金を支払う必要があります。

さらに、医院や病院で宿日直を行わせる場合には許可が必要となりますが、その基準は下記となります。

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

ただ、宿日直であったとしても本当に断続的労働であったかどうかで争った事案もあります。

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

結果的に病院側が敗訴しています。

同様に勤務医に宿日直をしてもらう場合には、通常の業務は行わせないと決めるべきでしょう。

最後に勤務医だけではなく、看護師も時間外労働時間が長いため、非常勤でもよいので求人募集をかけてはみたが、面接に来てくれる人もいないということもあります。その場合に、「看護師を派遣してもらうことはできないのか?」「看護師を派遣してくれる専門の会社はないのか?」と聞かれる院長先生もいます。医師が派遣社員として派遣されることはないと思いますが、看護師の派遣はあってもおかしくありません。

もともと派遣法には、「その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務」(派遣法4①三)と記載さています。

看護師はやはり患者の命を預かり、ちょっとしたミスで重大な事件を巻き起こすこともあります。実際にプロの意識を持って行っていたとしても患者が亡くなったという事件もあとを絶ちません。やはり派遣社員では、どの程度の医療知識と経験があるのかも分からず、間違った医療行為がなされたとしても、本人にも自覚がないこともあり得ます。

そのため、医院や病院、さらには助産所、介護老人保健施設への派遣は禁止されているのです。

逆に言えば、それ以外の施設、例えば社会福祉施設等であれば、看護師を派遣することができます。あなたは、「じゃ、うちの医院には看護師を派遣してもらえないじゃん?」と思ったかもしれません。

ただ、次の場合には看護師を派遣してもらうことができます。(派遣法施行令2①柱書)

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ②

ということで、看護師も紹介予定派遣であればよいことが分かります。

ただあくまで、6ヶ月以内に雇用することが前提ですので、面接等はしっかり行うべきです。

facebook
twitter
google+