医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ①

住所
医療関連のコンサルティング
医院経営/病院経営コンサルティング > 看護師と社員を上手に操縦するためのルール作り > 医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ①
2017/05/20
医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ①

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ①

医師も看護師も医院や病院と雇用契約を締結していれば、労働基準法上の「労働者」となります。もちろん、医師や看護師が医院や病院と業務委託契約を締結していることもあり、その場合は除かれますが、ここでは雇用契約を締結していることを前提にします。

このとき、「パートやアルバイトの勤務医や看護師は、どうなるんだ?」と聞かれる院長先生もいます。またパートやアルバイトでも社会保険に加入させるべき基準があり、それと混同していることもあります。

ただそのどちらとも関係なく、非常勤の勤務であっても雇用契約を締結しているかぎり、「労働者」となります。

勤務医の労働時間は厚生労働省の統計データによると、「1週間当たり勤務時間(常勤のみ、実際の始業と就業時間より算出)は66.4時間」となっています。もちろん、当直することもあり、勤務時間は不規則です。また救急で呼び出された場合の移動時間は含まれていません。

労災については、発症前1ヶ月間におおむね100時間、または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働であると、認定と判断されています。

これを聞くと、「うちの医院の勤務医は・・・・NGかも・・・」と考える医院や病院も多いのではないでしょうか。
先ほどの66.4時間が平均の勤務とすれば、平均で26.4時間の時間外労働が常にあることになります。平均ですので、実際には診療時間が短い医院や病院もありますので、普通の経営をしている医院や病院はもっと平均の時間外労働は長いと予想されます。

もし勤務医の先生が過労で倒れた場合、業務と発症との関連性が強いと判断されれば、医院や病院の責任にもなります。

最近の大手の居酒屋をめぐる判決では、過労死した従業員の遺族から訴えられて、損害賠償責任は会社だけではなく、取締役個人に対しても認められています。医院や病院であれば、責任者たる院長先生が個人でも訴えられてしまうことになるのです。「うちの医院は病棟がないので、そこまで過酷な労働条件ではない」という院長先生もいますが、これからは訪問診療も増えていきます。

訪問診療では患者の時間に合わせた勤務体系となり、移動距離も含めると労働時間は伸びていくと考えられます。それに医院や病院同士の競争も激化すれば、診療時間を長くするという意思決定もあり得ます。現実に歯科ではかなり長時間の診療時間を行っている医院が増えています。

このとき、そもそも勤務時間の把握すら行っていない医院や病院があることも現実で、まずは適正な管理を行うことが先決です。それができていないと、安全配慮義務違反にもなります。そのために何をすべきかということは、厚生労働省から下記のように発表されています。

医師や看護師が宿直勤務した場合、割増賃金が発生するのか? ①

看護師や受付の社員はタイムカードで労働時間を管理していても、勤務医の先生の労働時間はまったく把握していない医院や病院が多いと予想されます。上記から、タイムカードなどを打刻していないのであれば、最低でも勤務医が出勤した時間と退社した時間を確認してデータとして残しておく必要があります。

また最近では、勤務医用にタブレット型のパソコンを持たせることにして、そのログインとログアウトの記録で管理している医院や病院もあります。

勤務医本人からの報告でもよいですが、あくまで医院や病院が使用者の責任として時間を管理しなくてはいけないということは覚えておくべきです。

 

facebook
twitter
google+