勤務医や看護師が集まりやすい制度を導入して、かつ税金も得になる方法があります。

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2017/01/10
勤務医や看護師が集まりやすい制度を導入して、かつ税金も得になる方法があります。

勤務医や看護師が集まりやすい制度を導入して、かつ税金も得になる方法があります。

都心部であっても、常勤の医師としては院長先生が1人で運営している医院や病院の場合、勤務医や看護師を雇うことは簡単なことではありません。高額な求人広告や人材紹介料を支払って雇った医師や看護師でも、すぐに辞めてしまうこともあります。

地方や郊外となると、さらに人材の募集は困難となります。
少ない募集人数の中から、仕方がなく採用しているという医院や病院もあるでしょう。もちろん、何かの制度を導入しただけで、応募してくる人数が増えるわけではありませんが、他の医院や病院と差別化を図るために、少しでもよりよく働ける環境を作ることが大切です。

 

1.資格取得のためのお金を医院や病院が負担

医院経営や病院経営で採用する人材が、すでに能力が高いことに越したことはありません。ただ、医療知識が豊富で経験もあり、患者とのコミュニケーション能力が高く、同僚を引っ張るリーダー的な存在感がある人材を採用できる可能性はまずないと考えるべきです。

そこで、医療知識が少し乏しくても、患者に対するコミュニケーション能力が高かったり、または良好な人間関係が築ける人材を採用すべきです。

というのも、コミュニケーション能力や人間関係というものは、教えても身に付くものではないからです。

一方、医療知識は勉強さえすれば増えていきます。
経験も時間が経てば積みあがりますし、教えれば習得までの時間は短くなります。そもそも、医院や病院で働く人材は勉強への意欲がないという訳ではなく、時間やお金がないという理由で知識が不足していることがほとんどです。
そこで、医院や病院が看護師や受付の社員が新しい資格を取ったり、研修を受けるお金を負担するという制度を作るのです。

そのためには、勉強できるように、働くシフト時間なども医院や病院側で考慮してあげることが大切です。

税務上では、医院や病院の業務遂行上の必要な技術や知識を習得させるためであれば、個人事業主が従業員に対して、医療法人が役員や従業員に対して、金品を支給しても誰にも税金がかからないことになっています。個人事業主にとっても、医療法人にとっても、経費になります。また学校の修学資金については、これから採用する予定である人材に対する支出でも構いません。
つまり、まだ雇用関係がない看護学校に通ってる人材に対して支給したとしても、医院や病院で働いてくれることが確実であれば、問題ないのです。

ただこれを聞くと、院長先生から「資格の費用を負担してあげたとしても、それを取ったとたんに、うちの医院を辞めてしまったら損をするだけだ」という発言もあります。

その心配がある場合には、社員に資格の取得資金を貸し付けるという方法があります。

例えば、資格を取ってから3年間働いてくれたら、貸し付けたお金を免除するという方法はどうでしょうか?
ここでも、「100万円を貸していたとして、一度に免除したら社員に税金がかかるのでは?」と疑問を持つかもしれませんが、やはり税金はかからないのです。

年収が600万円の看護師を雇うために、人材紹介会社に30%の手数料を支払うとすれば、180万円です。その看護師が辞めてしまえば、また手数料がかかります。人材募集の広告を出す場合には費用は安くなりますが、院長先生が何度も面接をすることになり、その時間をコストに換算すれば、かなり高額となります。
それならば、その看護師が辞めないように働く環境を整えて、100万円でも資格を取得できるお金を出す方が医院経営や病院経営にとってはプラスになると思いませんか。

なお、よく質問されるのは、「院長先生の長男の修学資金を医療法人が負担しても、問題ないか?」というものです。

就業規則で負担する基準があり、他の社員にもそれと同じ基準で支給しているのであれば税金がかかりません。

ただ、長男だけを特別に対象にして支給する場合には、給料とみなされて所得税がかかります。

 

2.通勤手当ての上限の撤廃

受付の社員は近所に住んでいる人が応募してくることが多いですが、勤務医や看護師は遠方から来てもらうこともあるでしょう。通常、どの医院や病院でも給料とは別に、通勤手当を支給しているはずです。通勤手当は実費と考えられるため、役員でも社員でも所得税がかかりません。勤務医が新幹線を使って通勤していることは、珍しいことではないでしょう。
その1ヶ月で所得税がかからない限度額は15万円となっています。15万円はかなり高いので、はみ出ることはまずないと思いますが、まったくゼロではありません。

また、郊外の医院や病院の場合には、最寄りの駅までが遠く、マイカーで通勤する勤務医や看護師もいるはずです。その場合でも、下記の距離に応じて1ヶ月の非課税となる通勤手当の限度額が決まっています。

勤務医や看護師が集まりやすい制度を導入して、かつ税金も得になる方法があります。

ただ、上記の通勤手当以上のお金を、医院や病院が支給してはいけない訳ではありません。

実際に、毎日100キロの距離をマイカーで高速道路を使って来てもらっていた勤務医の先生に、給料とは別に毎月10万円の通勤手当を支給していた医院や病院がありました。31,600円を超える部分は給与課税となりますが、それでもよい人材が働いてくれるならば高いコストとは思えません。

 

3.働く時間のシフトを自由に

最近は、土曜日の午前中だけではなく、土曜日も終日の診療を行う医院や病院が増えました。
さらに、ショッピングモールで開業する医院や病院については、日曜日も終日で診療を行っています。また勤務医のシフトを上手に組むことで、病棟がないにも関わらず、年中無休としている医院や病院もあります。
競合となる医院や病院が休むときに診療を行うことは、かなり差別化になります。ただ、他からは「どうやって看護師や社員をやりくりしているのか?」と疑問に思うかもしれません。

もちろん、働いてくれる人材の募集は必要ですが、昔と違って働くシフト管理のシステムがかなり安く使えるのです。

携帯電話とも連携していて、クラウド上にシフト管理のデータが保存されているため、誰でもいつでも、どの時間からでもシフト管理にアクセスできるようになっています。それによって、働いてもらう人を少し多めに雇う代わりに、シフトを自由にしているのです。

差別化によって医業収益が上がれば、そのくらいの経費は吸収できます。
例えば、午前中だけ働く人、午後だけ働く人、週3日だけ働く人、木曜日から土曜日だけ働く人、日曜日だけ働く人など、さまざまシフトで働く看護師と社員を組み合わせているのです。月曜日から土曜日まで、毎日9時から18時まで働いてくれる人がよいことは分かります。でもそれは医院や病院の都合であり、働く側の都合に合わせた勤務時間を提示できれば、それだけ応募してくれる人材は増えます。

また、私の顧問先の医院で今までは正社員とパートの2種類としていましたが、正社員の離職率が高いことが悩みでした。

そこで、正社員についても働く時間のシフトを前月に申請してもらい、変更できるようにしたら、離職率が下がったのです。

この働く時間のシフトを管理するソフトのコストは、月額5000円でした。
結局、働いている看護師や社員も入社した時には、通常の9時~18時の勤務でよかったところ、自分の生活状況が変わり、違った勤務体系に変わりたいという人もいるのです。それが辞める原因の1つであることが、制度を導入してみると、看護師や社員から「よかった」という声が聞こえてきて分かったのです。
院長先生からは、「それならば働く時間を変更したいと言ってくれればよかったのに」という発言がありました。

しかし、看護師や社員から院長先生に提案しにくいことと、自分の働く時間のシフトが特別扱いで変えてもらったことで、他の看護師や社員に仕事が寄せられてしまい、迷惑がかかると考えるものなのです。

もともと、働く時間のシフトを変更できるという制度があれば、手を挙げやすくなります。

このように、院長先生が望む人材を採用するというのではなく、望む人材に育てるために、そして育った人材が働きやすい環境にすることを、医院や病院がやるべきではないでしょうか。

 

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