医院や病院で、パートタイマーを雇うときに、どんなことに注意すべきか?

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2012/10/01
医院や病院で、パートタイマーを雇うときに、どんなことに注意すべきか?

医院や病院では、院長は男性の医師ですが、他の看護師や社員はすべて女性という場合が多くなっています。

女性の場合、結婚していれば食事を作ったり、産休や育児休暇を取ったり、子供が小さいと保育園や幼稚園の送迎があったりと、家庭のこともやらなくてはいけません。

そのためフルで正社員として働くのではなく、パートタイマーとして午前中だけ、もしくは午後だけという働き方も考えられます。
それでは、正社員とパートタイマーで、何が違うのでしょうか?

1.保険の加入対象になる場合

パートタイマーの働く時間によって、保険に加入させる義務が発生するかどうか決まります。

勤続年数

半年

1年半

2年半

3年半

4年半

5年半

6年半以上

正社員

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

1週間
30時間以上

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

1週間
30時間未満

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

ただ、院長によっては、他の正社員との比較すると、パートタイマーには有給休暇をあげたくないと主張する場合があります。

パートタイマーの看護師や社員に悪気はないのですが、どうしても仕事よりも家庭を優先して、夜勤もやらず、他の社員の手伝いもしないで残業しないで帰るという態度に腹が立つという意見も聞きます。

それでも、パートタイマーにも休む権利はありますし、そもそも、その雇用契約で入社させたのは院長なのです。

そのため、いちお、就業規則や雇用契約で指定すれば、夏期休暇や年末年始の休暇を有給休暇に含めることはできますと助言しています。

お盆で4日間、年末年始が土日祝日を除いて4日間を当てれば、事実上、パートタイマーの有給休暇はかなり少なくなります。

なお、雇用契約書に記載する場合でも、最初にパートタイマーの人によく説明しておくことが大切です。

3.パートタイマーの条件を変える

医院や病院で働くパートタイマーと言っても、看護師や医療事務の資格を持っていて、プロ意識があります。
そのため、パートタイマーだからと言って、正社員との条件にあまりに格差があると、モチベーションも上がりませんし、雇うことも難しくなります。

そこで、通常のパートタイマーであれば、賞与や退職金はないのですが、それを変更して、できるだけ条件を正社員に近づけてみてはどうでしょうか?
そのことで、より能力がある看護師や社員を雇えて、モチベーションを上げることができるならば、医院や病院にとってもメリットがあります。

 

パートタイマー

新しい条件

勤務時間

社会保険に加入するぐらいの時間でもよい

雇用保険に加入しない時間内

賞与

なし

1ヶ月から2ヶ月程度を支給

社内の研修制度

なし

参加できる

退職金

なし

一部支給

ミーティング参加

なし

出席する

4.表彰制度を作る

パートタイマーの看護師や社員のモチベーションを上げる方法ですが、正社員にも使える方法があります。
それは、表彰制度です。

6人が在籍する内科の個人医院の院長(院長を含めると7人)から、来年の看護師と社員の給与に関して、

  • Aさんは、毎月5000円ずつ上げる
  • Bさんは、毎月3000円ずつ上げる
  • Cさんは、働き方に問題があるので、年間3万円を減額する
  • Dさんは、残業なしの正社員なので、給与は上げない
  • EさんとFさんは、パートタイマーだから、時給は据え置き

としたいのですが、どうですか?

と聞かれたことがありました。

私がずっとそこの医院経営に常勤していればよいのですが、時々しか会わない看護師や社員の給料の妥当性まで、ハッキリ言って分かりません。

一般的な医院や病院の平均的な給与の統計資料を渡すこともできますが、医院や病院で働く看護師や医療事務の社員の場合、それぞれの能力も違いますし、働く時間、働いている場所などで差が出て当然です。

それに、平均的な給与にするだけで、医院経営や病院経営が上手くいくはずもありません。

そもそも、大学病院や病床が200以上ある大きな病院は、看護師や社員の数も多く、労働組合と事務局長が何度も話し合ったりして、院長の意見だけで決めていくものではありません。
ただ、それ以外の医院や病院は少人数で運営していることを院長には理解して欲しいのです。

この6人の看護師と社員に、院長を加えた7人で運営しているという医院であれば、みんな、お互いの給料を知っていて、それは院長の一存で決められていることも理解しているのです。
それなのに、6人の給料の上げ方を変えたら、どうなるか想像してください。

Aさんはよいとしても、それ以外の5人は不満を持つはずです。
院長を含めて、たったの7人しかいない医院で、5人が不満を持つというのは職場の環境してはよくありません。

このようなことを避けるために、給料の上げ方は同じにして、表彰制度を設けてはどうでしょう。

AさんとBさんの給料の上がり方の差額は毎月2000円で、年間24000円しかありません。
この差は、表彰制度を作り、金一封をみんなの前で渡すという方が本人のモチベーションも上がりますし、社員同士で文句も出にくいと言えます。

この表彰制度の対象にパートタイマーの看護師や社員を含めることで、モチベーションは確実に上がります。
表彰制度は、例えば、「業務改善表彰」、「指導監督表彰」など、何でも構いません。

なお、先ほどの事例で、「Cさんの給料を下げたい」と院長から提案されました。

私個人的には、給料を下げることはお勧めしていません。
やはり、給料が少しであったとしても下がれば、やる気はかなり減退します。医院経営や病院経営では、1人の心が周りに大きく影響しやすいのです。

しかも、医院や病院の院長は、看護師や社員と密にコミュニケーションを取っていないことも多く、それでいて、いきなり給料を下げてしまうことがあります。

何度も同じ注意を行い、その看護師や社員の態度が改善されない場合には仕方ないかもしれませんが、なんにも言わずに、いきなり給料を下げるのは、絶対に止めてください。

院長自身が口ベタで看護師や社員とコミュニケーションを取るのが苦手だったり、院長が忙しくて、その看護師を個人的に呼び出して話をする時間がないならば、その注意事項について院内に張り紙をしましょう。

もちろん、Cさんという個人名はあげませんが、7人しかいない医院や病院の職場であれば、自分のことだとすぐに分かるはずです。

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