患者に対する未収金は、どうすれば回収できるのか?

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クエスチョン患者に対する未収金は、どうすれば回収できるのか?

アンサー医院経営や病院経営では、窓口で患者の負担分を受け取るお金以外は、基本的に、未収金として計上します。未収金は、医業収益になるので、利益に計上されて、個人医院であれば、所得税、医療法人であれば、法人税がかかります。あとで、未収金が回収できなかったとしても、所得税や法人税が返還されるわけではありません。

そのため、明らかに回収できない未収金は、計上したくないはずです。そもそも、医院経営や病院経営における未収金は、どのようなものがあるのでしょうか。

医院経営や病院経営における未収金

医業収益

請求先

入金日までの日数

社保収入
国保収入、介保収入

社会保険診療報酬支払基金、各健保組合、都道府県国保連合会

すべて2ヵ月後

労災収入

労働基準監督署

1ヵ月後

自賠責収入

損害保険会社、患者本人

不定

健康診断、予防接種

市区町村、会社、各健保組合

契約による

休日、夜間緊急診療

医師会

契約による

入院の窓口負担

患者本人

不定

入金までの日数が決まっていたり、契約によるものは、ほとんど問題ありません。やはり、回収できるか不安になるのは、入金までの日数が「不定」となっているものです。

まず、自賠責収入ですが、通常は、損害保険会社に請求します。ただ、加害者が保険料を滞納している場合などは、払い込みが遅れたり、トラブルになることもあります。その場合には、患者本人に請求するのですが、保険料を滞納しているぐらいなので、支払えるはずがありません。

次に、入院の窓口負担ですが、全員から回収することは、難しいのが現状でしょう。多くの医院や病院で、入院の前に、患者から預かり金として一部、入金してもらうという制度を取り入れてはいますが、救急の場合には、それも無理です。

患者の経済的な状況や複雑な事情で支払えない場合には、致し方ない部分もあるのですが、支払能力があるのに、踏み倒す悪質な人もいます。このような場合、下記のような回収方法が考えられます。

  • 患者本人の住所を管轄する簡易裁判所に、民事調停(話し合い)
  • 簡易裁判所に少額訴訟(1件60万円以下)、または支払督促を申立
  • 健康保険法74条2項に基づき保険者による強制徴収権限の行使依頼
  • 裁判所に訴訟の申立(時間がかかるが、金額の上限はない)

最初に、内容証明付郵便を送っても、すでに電話等で話をしている場合も多く、結果的に、4つの方法のどれかを選択することになります。金額が小さければ、少額訴訟や支払督促が、簡単で、迅速で、費用も安くてよいと思われます。

なお、これらの方法で、未収金のうち、回収できない金額が確定すれば、貸倒れという処理で、経費に計上することになります。そのとき、医院経営や病院経営で利益が発生していれば、相殺することができ、そのときの所得税及び法人税を減らすことにはなります。

ただ、未収金が回収できていないことに変わりはありません。医院や病院は、全額ではなく、一部でもよいので、回収する努力が必要です。