診療圏調査は、どれほど、信用できますか?

住所
医療関連のコンサルティング
2012/01/08
診療圏調査は、どれほど、信用できますか?

あなたが、医院開業しよう、または、分院を出そうと思い立ち、物件を探そうとします。 そのとき、インターネットで検索したり、チラシを見たり、不動産会社に電話したりするでしょう。 そして、あなたは、「医院開業に最適な物件」という文言に惹かれて、チェックします。その物件を、医院開業コンサルタントに持ち込み、診療圏調査を依頼します。 結果は、下記のようになります。

POINT1
住宅街が近くにあり、人通りが多くて、よい

POINT2
沿線が拡張され、新しい路線も繋がった駅で、人口が増えていて、よい

POINT3
競合する同じ診療科目の医院や病院が、周りに少なくて、よい

診療圏調査マップ

上記以外にも、推定患者数や自院来院患者数の動向調査などもありますが、それらも、大きく分類すれば、上の3つに集約されます。そもそも、「医院開業に最適な物件」と銘打っているからには、当然、診療権調査はよい結果になります。 この診療圏調査は、医院開業のコンサルタントに依頼しなくても、あなたの知り合いの医療機器メーカーの担当者に頼めば、調査してくれるでしょう。 

このとき、無料ではなく、断然、有料の診療圏調査をお勧めします。 
というのも、無料でやってもらうと、簡易的なものであったり、お金を支払う方が、相手に説明責任も発生します。

ただ、ちょっとだけ、待ってください。あなたが、いくつも分院を出してきた病院の院長ならば、分かると思います。 この診療圏調査は参考資料としては、非常に大切なものではありますが、あくまで、目安でしかありません。

というのも、(1)の人通りは、計画道路や駅前が再開発されると、大きく変わります。そんなに、すぐに開発されないよと言うかもしれませんが、(2)の便利になった駅ということが大前提なのです。きっと近い将来、駅前は開発されて、商業施設のビルが完成し、そこに新しい医院や病院が開業します。大病院がサテライトとして、その駅に分院を出してくることもあるでしょう。 そうなれば、(3)の調査の意味もなくなります。  

そもそも、診療圏調査とは、過去のデータをもとに、将来も、それが続くはずだという予測に基づいているのです。予測は、普通、外れますよね。しかも、そんな他人の予測を信用して、自分の開業という人生の一大事を任せるのは、ありえない話です。

では、どうすればよいのでしょうか?

自分で歩いて、物件を見て、探すしかありません。
「医院開業に最適な物件」などという言葉には、惑わされてはいけません。
賃貸ビルのオーナーの立場になってみてください。オーナーとしては、できるだけ長く、貸し倒れない安定したテナントを探しているのです。幹線道路沿いの路面店で、駐車場も確保でき、広さも十分あれば、コンビニや銀行がよい選択肢です。

ただ、前面道路が大きくなかったり、2階より上のテナントを探していたり、駐車場がなかったり、広さが50坪ぐらいしかないと、借り手を探すのに苦労します。 飲食店のテナントは数多くありますが、油や匂いがきつく、他の階のテナント募集に影響しますし、ビル自体の修繕費用も高くなります。それなのに、撤退することも多く、安定したテナントではないのです。

探すそれならば、清潔で、イメージが良く、安定したテナントとして、医院や病院に借りて欲しいと考えるはずです。だからこそ、あなたは、選べる立場にいるということを忘れないでください。

あなたが自ら不動産会社を回って、賃貸物件を探そうとすれば、いくらでも紹介してくれるはずです。 だからこそ、自分で歩いて探して欲しいのです。 あなたが納得した物件で開業するならば、その結果にも責任が持てるはずです。

もし、目当ての物件がないときには、もう一度、自分の条件を見直してください。
あなたは、物件を借りやすい立場にありながら、見つからないというのは、駅自体、駅からの距離、築年数、賃料、階数、賃貸の面積、外観に対する条件が、厳しすぎるのではないでしょうか。  妥協できる部分は、やるべきです。ただ、そのポイントがずれると問題です。  

その解説は、次回に回します。
それよりも、今は、医院開業のコンサルタントに、開業の物件探しを丸投げせずに、あなたが、自分で物件を探すという気持ちを持って欲しいのです。

facebook
twitter
google+