医院開業の場所を探す前に、失敗した事例も知っておきましょう。

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2017/02/28
医院開業の場所を探す前に、失敗した事例も知っておきましょう。

医院開業の場所を探す前に、失敗した事例も知っておきましょう。

医院開業するならば、どこの場所を選ぶかが最も重要なことになります。
もちろん、院長先生の人柄、専門的な医学知識、広告宣伝のやり方、競合の医院の存在など、他の要因もありますが、スタートダッシュの医業収益と利益は医院開業の場所が一番影響してくるのです。

選んだ場所が悪いと、十分な利益が出るまでに資金繰りなどで、院長先生が苦労することになります。場所が良ければ、最初から問題なく医業収益が上がり、悩むこともありません。最終的には総合的な力で医院経営や病院経営は優劣がつきますが、悩みは少ない方がよいはずです。

それに医院開業したあと、医業収益が上がり儲かってきて場所が手狭になったときにも、現在の医院を移すことはまずありません。建物内装設備を壊すにもお金がかかるからです。通常は、医療法人を作って分院を出して拡大させた方が効率的です。

つまり、最初に医院開業した場所は、ずっと何十年間もそこで医院経営や病院経営を続けていくことになるのです。

だからこそ、慎重に選ぶ必要があるのですが、そんな簡単な話ではありません。というのは、医院開業をする場所は、コンビニや喫茶店なども狙っているからです。
医療モールであったとしても、同じ診療科目は必要ないので、決断して手を挙げた院長先生から決まっていきます。結局、慎重になりすぎていると、まったく医院開業の場所を決められないことになるのです。私が知っている勤務医の先生で2年ぐらい探しているというのは普通で、5年も探しているけど、決まらないということもあります。最初から自分の中で医院開業の場所の条件を決めておき、その条件に合ったら、すぐに手を挙げるしかありません。

では、医院開業の場所の条件は、どのように絞り込んでおけばよいのでしょうか?
医院開業の場所で失敗した事例を知ると、そのヒントがあります。

 

1. 診療科目と場所が合っていない

院長先生のイメージで走らず、その地域の統計データや診療圏調査の結果をよく確認することが必要です。

例えば、自分の実家がある地元で、人口が増えていることも知っているため、小児科で開業した院長先生がいました。ところが予想以上にお年寄りが多く、対象となる患者が少なかったのです。
院長先生が子供のときのイメージは友人も多く、小学校も何クラスもあるというものでした。しかも開業した駅の周りには最近になって、大型マンションが新築で何棟も建ったのです。実際には、一軒家を売ってそのマンションに買い換えている老夫婦が半数以上でした。しかも、都市部に近い駅だったこともあり、若い夫婦は共働きで子供も多くなかったのです。自分がよく知っている地元であっても、人口動態のデータを確認するべきなのです。

市区町村、総務省のデータベースだけではなく、最近は新聞社で「何丁目」ごとに年収や年齢層などの詳細なデータを保有していることがあります。医院開業するときには新聞の折り込みチラシを撒くのですから、知り合いになっておいても損はありません。電話して担当者に会えば、いろいろと教えくれます。

また他の失敗事例として、整形外科を開業するときにリハビリの施設が建つ広い場所を探していたら候補地が少なく、仕方がなく傾斜地を選んでしまったというものです。院長先生としては「ほんのちょっとの傾斜だから、大丈夫だろう」と思ったようですが、結局、建物の中にスロープや段差を作ることになったのです。

それ以外にも、駅前の新築のビルが綺麗だという理由だけで、3階のスペースだったが内科の開業場所として選んだのです。院長先生はエレベータがあるから問題ないと思ったのですが、そのエレベータが患者には分かりづらい場所にあったのです。2回目からはエレベータの場所が分かるように、院内に張り紙をしましたが、開業当時は新患ばかりなので最初は苦戦していました。

このように、自分の診療科目と場所の相性が合うかどうかを条件に入れるべきです。

 

2. 自宅からは近く、勤務地からは遠く

院長先生が総合病院や大学病院で長く働いていると、その近くで医院開業しようとすることがあります。今の患者さんが来てくれるという期待もあり、かつ知り合いの勤務医が近くにいることで逆紹介やこちらからの紹介もしやすくなります。

でも、他の勤務医の先生も同じことを考えるはずなのです。

そのため、どうしても周りに競合の医院が多くなります。今は少なくても、近い将来、総合病院や大学病院が診療報酬の改訂をきっかけにリストラをすることもあり得ます。その場合には急速に競合が増えてしまうこともあるでしょう。そもそも医院開業の場所を間違えずに、医療広告をしっかりやれば、新患は集まります。今の患者を連れていく必要はないと切り替えましょう。

また今の勤務地の近くに医院開業することで、自宅からは遠くなることもあります。子供が小学校に通っていると転校することは難しく、自宅は今の場所のままがほとんどです。勤務医だった時代よりも、医院開業した後の方が精神的につかれます。長時間の通勤が重なると、院長先生の気持ちもなえてしまいます。それは患者さんにはすぐに伝わってしまうものなので、評判を落とす結果になります。

勤務からは近い必要はなく、自宅に近い場所で医院開業するということを条件に入れるべきです。

 

3. 今と昔は違う

現在、患者さんが多く来院している医院や病院を見て、それを真似しようと考えてしま院長先生もいます。

ところが、今と昔では医院経営や病院経営のスタイルがかなり違います。
例えば、昔は住宅密集地の中に医院開業した方がよかったのですが、今は駅前に医院開業することをお勧めしています。「住宅密集地の医院だって流行っている」と主張する院長先生もいますが、それは昔からの患者さんがリピートしているだけなのです。今から新患を獲得していくためには、利便性のよい駅前に医院開業すべきです。今後の日本は少子化で、かつマンションを建て続けることから、駅前に人口が集まってくる傾向があります。

また郊外になると幹線道路沿いに医院開業するという選択肢もあります。郊外では患者が車を日常で利用しているので、大通り沿いはお勧めです。
ただ、大通り沿いに医院開業したら、そのあと道路の拡幅、もしくは工事が始まり、中央分離帯が作られてしまったという事例もありました。それによって道路の反対側から来院する患者さんの出入りが制限されてしまったのです。

「そんなの運じゃないか?」と院長先生は思うかもしれませんが、道路工事については、市区町村のHP、もしくは窓口に行けば、都市計画図を見せてくれます。将来、自分が医院開業する前面道路がどうなるのかは、開業場所の候補が見つかったあと1時間もあれば確認できますので、必ずチェックしましょう。

過去ではなく、将来の予想から、医院開業の場所を選びましょう。

 

4. 親の土地で開業する

親が相続で土地を持っている場合、そこで医院開業する院長先生もいます。

ただ、もう一度、その土地が医院開業に合致しているのか、冷静に判断してください。

確かに、土地を購入しなくてもよいので、医院開業のときの初期投資は抑えられます。しかし、医院開業の場所としてふさわしくない場所であれば、そのあとの医業収益や利益が上がらずに、結局は損をするのです。私は、「使えない土地であれば、それを売却して買い換えてください」と助言しています。すると「先祖代々の土地を売るなんて、父親に提案できないよ」と院長先生から返答されたこともありました。

でも先祖代々の土地で、それを使わずに更地のままであったならば、たとえ駐車場であったとしても、使い勝手がよいわけでないはずです。人が集まる場所であれば、アパートを建てたり、飲食店に貸すこともできたはずです。

その土地に固執するのではなく、集患できる医院開業の場所を探すという頭に切り替えることが大切です。

 

これ以外にも、医院開業する地域の特性で、注意すべきことがまだあります。
ただ1つだけ言えることは、自分が患者になって来院することを想像しておくことです。

院長の目線ではなく、患者の目線で医院開業の場所を選ぶことが成功の秘訣となります。

 

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