医療モールに出店して、成功する秘訣とは?

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医療関連のコンサルティング
2014/04/30
医療モールに出店して、成功する秘訣とは?

140401_3最近、医療モールへの開業、もしくは分院を出す相談を受けることが多くなりました。
今までの私の経験では、医療モールに出店した医院や病院は、大成功した事例と大失敗した事例に、両極端に偏っています。

医療モールは、失敗した事例の方が多いというコンサルタントもいますが、私がお手伝いした案件では、意外に成功している事例が多いのです。
つまり、やり方次第ということなのでしょう。

私がお手伝いと言っても、建築士ではないため、最初のビルの企画から入ることよりも、医院や病院が出店する場面で事業計画書や資金調達の相談を受けることがほとんどです。
それでも、今まで医療モールを見てきて、成功するところと、失敗するところの境目が分かってきました。

まず大前提ですが、診療科目によって、医院経営や病院経営の戦略を変えなくてはいけません。

何となく、みんなで出店して、総合受付を作ったり、待合室を共有にすれば、コストが安くなるので、利益が出るはずだと漠然と考えてしまうと失敗します。これは、医療モールに限ったことではないのですが。

【1】患者はどこにいるのか

医療モールに出店するときには、患者が外から来るのか、ビルやモールの中にいるのかを確認しなくてはいけません。

例えば、歯科であれば、外ではなく、医療モールが入っているビルのテナントで働いている人たちだけでも、十分な患者の数になります。つまり、ビルの中にいるのです。
そのため、ショッピングモールで歯科医の出店を募集すると、すごい数の応募があります。

一方、内科などは、風邪をひいたら、ビルで働いている人たちは休んでしまうため、基本的には外から患者を呼び込まなくてはいけません。

このように、対象となる患者が違うため、それぞれの広告方法や看板の出し方が違ってきます。
それなのに、みんな一緒の場所に看板を出し、インターネットのホームページでも、同じような表現を行うと、外から患者を呼び込む医院や病院が不利になり、不平が出てきます。

「医療モールに入ったけれど、診療科目が多いだけで、集患になっているのか疑問だよな」という発言を、院長先生から聞くことがあります。

もちろん、集まっただけではダメで、集患するための広告戦略が、医療モールにもなければいけません。

そのためには、最初から、対象となる患者が違うことを院長に理解してもらい、看板を出す場所を、ビルの中だけではなく、近くの駅にも出すなど、事前に計画をすることです。
ホームページも、そのビルへのアクセス、ビルの中に入った後のアクセスまで分かり易く書いてください。駐車場の場所や数なども大切です。

【2】受付の社員の教育を行う

予約の患者が多い診療科目と、急患が多い診療科目で、総合受付の社員の対応は変えなくてはいけません。

例えば、内科や耳鼻咽喉科は、急患が多い診療科目です。朝、玄関の前で患者が並び、診察券を入れていきます。一杯になると、午後の診察に回されるのです。

一方、整形外科は、患者が予約して何度も通って、骨折やケガを治すことになります。眼科も患者が予約して来院する頻度が高い診療科目でしょう。
この違いを受付の社員に理解させず、教育もせずに、患者への対応を同じように行うと、上手く行きません。

予約が必要ない内科などは急患が多いので、凡その診察が始まる時間を伝えることが大切です。大病院ではない限り、何時間も患者を待たせてはいけません。もしかなり遅くなる場合には、「午後、14:00に、再度、お越しください」という気配りが必要です。

ただ、こちらは、それほど難しくない対応ですみます。

問題は、患者に予約してもらい、何度も来院してもらう診療科目の場合の受付です。
以下の3つのことは、最低限、守ってもらわないといけません。

  • (1)    次回の治療内容と治療時間を患者に伝えて、キャンセルを減らす
  • (2)    1週間の予約を一杯にせずに、急患に対応できるようにする
  • (3)    患者から電話がかかってきたら、すぐに治療経緯が分かるようにする

総合受付はあっても、個別の医院や病院の受付もあるから、そちらで対応すれば大丈夫と考える院長先生もいますが、患者としては、どちらも受付だと考えています。むしろ、総合受付の方が、正式な受付だと思いがちです。

このように、医院経営や病院経営では、受付の社員の教育も大切なのですが、総合受付の社員は、自分だけで教育できないことが欠点となります。

そこで、予約制だけの診療科目を集めて医療モールを作るようにすれば、予約システムを導入したり、効率よく受付ができます。

または、両方の性質を持つ診療科目に入ってもらう場合であっても、最初から総合受付の社員に理解しもらえばよいのです。社員が退社して、新しい社員に仕事を引き継ぐ場合などに注意すれば、それほど難しいことではありません。

これらを行うことさえも難しければ、総合受付という名前をインフォメーションセンターという名称に変更して、患者への道案内、電話での質問事項を取り次ぐだけの場所にしてしまえば、予約などは個々の医院や病院の受付に行くはずです。

【3】連携ができているのか

医療モールのメリットは、患者がそこに行けば、一度に複数の診療科目や専門外来を利用できることです。複数の慢性の病気を持つ患者も多く、それが一ヶ所で治療がすむことになり、大きなメリットです。

ただそのためには、医療モールに出店している医院や病院同士で連携して、患者を紹介し合うことが必要です。
政府も医院や病院同士が紹介することを推薦しています。1人の医師だけでは、治療に限界がありますし、みんなで協力することで足りない知識を補うことにもなります。

「横の医院の院長は、1回も紹介してくれないから、俺も紹介しない」という子供じみた意見を聞いたこともあります。
どちらが最初に紹介するかということは、些細なことです。

そもそも、お互いの院長同士で挨拶をするぐらいで、話をしたこともないというのでは、連携など取れません。
できれば1週間に1回、最低でも1ヶ月に1回は、院長同士で集まって、医療モールの経営について話し合う機会を持ちましょう。
それほど長い時間でなくても、お昼を含めて2時間でも集まって話をすることが大切です。

 

「自分の医院経営や病院経営だけ、上手く行けばいいんだ」と思っていると、医療モールの1つの診療科目の医院や病院が撤退し・・・それによって医療モールの明かりが少なくなり・・・患者の足も遠のき、徐々に抜けていくという事態になります。

つまり、医療モールで出店したら、みんなが同じ船に乗っていると考えましょう。助け合うことで、自分の医院や病院の医業収益も利益も上がるのです。

実際に、上手く行っている医療モールは明るい雰囲気で、患者も多く、こんな場所に出店できたらいいなと他の院長先生に思わせます。みんなで盛り上げることが大切なのです。

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