医療法人は、決算期を変えることで、かなりのメリットがある?

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2013/04/20
医療法人は、決算期を変えることで、かなりのメリットがある?

今年の確定申告の時期も終わり、個人医院の院長先生たちは、今年も所得税が高いことに諦めの気持ちがあるかもしれません。

特に、所得税の予定納税を行っている院長先生が多いとはいえ、医業収益が増えている場合には、3月15日に支払う所得税が一番、大きくなります。振替納税を選択している個人医院の院長先生は、通帳から4月に自動引き落としになります。

このあと、確定申告書は市区町村の役場に回り、住民税や事業税が計算されて、その納付書が5月ぐらいに届くことになります。
これも分割で納付するとはいえ、住民税は所得の約10%もあり、ため息が出るかもしれません。

個人医院であれば、どんな診療科目であっても、交際費や旅費交通費などが多額に発生するはずもありません。他の医師に手伝いに来てもらっていたとしても、アルバイト程度であり、支払う報酬は高くないはずです。

1つだけ、個人医院で節税できる余地があるとすれば、医院経営や病院経営に配偶者や両親を関わらせて、専従者給与を支払うことです。

所得税は累進課税であり、所得が高くなると税率も高くなります。

所得をできるだけ、広く薄く分散させることで、所得税は節税できるのです。
もちろん、医院経営や病院経営に、配偶者や両親がまったく関わっていないと専従者給料を支払うことはできません。

一方で、配偶者や両親などの親族に、医師や看護師の資格は必要ありません。
窓口をやってもらったり、給料の支払い事務、領収書の整理の仕事でも十分、関わっていると言えます。

また、青色申告を選択している場合には、事前に税務署に専従者給与の金額を届出て置く必要があります。
増額するときには、変動させることを事前に税務署に届出をしておかなければ、経費として認められません。

でも本当に、専従者給与を支払うぐらいしか、個人医院の院長先生の所得税を節税する方法はないのでしょうか?

ハッキリ言って、所得税を節税するのは、かなり難しいと言えます。
これは、個人医院に限ったことではありません。
サラリーマンはもちろんのこと、個人で開業している飲食店、不動産投資による賃貸業などの所得税でも、節税は難しいのです。

それでは、あなたは、
「個人医院から、医療法人になれば、節税できるのか?」
と聞くかもしれません。

所得税に比べたら、法人税の方が、節税はやりやすいことは事実です。
例えば、先ほどの確定申告ですが、なぜ、ため息が出るほど、所得税が高くなってしまうのでしょうか?

儲かっているから・・・・・それはそうなんですが、1つの大きな理由に決算日が法律で固定されているからなのです。

個人医院の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの医業収益から経費を差し引いて、所得を計算し、それに所得税がかかります。

「当たり前じゃん!」と思いましたか?

個人医院で開業して、医院経営や病院経営を行ってきたら、それしか知らないので、そう考えて当然です。
もし、あなたが内科という診療科目であれば、医院経営や病院経営において、どのような医業収益の変動がありますか?

医療法人は、決算期を変えることで、かなりのメリットがある?

 この波が医業収益です。

内科という診療科目は、秋の終わりからインフルエンザの予防接種が始まり、1月ぐらいがピークになります。医業収益に季節的な変動があるのです。
そのため、11月も12月も、内科の医業収益はかなり高くなります。

ところが、この11月と12月の医業収益も、経費も、さらに利益も、翌年にならないと計算できません。
11月の医業収益だけは、12月中に分かるかもしれませんが、利益まで計算となると、難しいでしょう。

それで、個人医院の院長先生は、3月15日までに提出された確定申告書を見て、初めて、「ああ、去年はこんなに医業収益と利益が上がっていたのか・・・それで、所得税がこんなに高くなったのか・・・」となるのです。

ここで、個人医院を医療法人に変えて、医院経営と病院経営を行ったらどうなるでしょう。

医療法人は決算日を自由に決定することができます。

12か月以内に決算を行うならば、変更することも自由です。
つまり、12月末決算の医療法人は、翌年の12月末までであれば、どの日を決算日にしてもよいのです。

私が、内科が主な診療科目の医療法人の院長だったらならば、10月末日を決算日にします。
そうすれば、11月や12月の医業収益が翌年の2月ぐらいに判明しても、さらに1月、2月の医業収益(売上)が4月に判明しても、その時点で決算までに半年あるのです。

ピークの医業収益と利益を知ってから、十分な節税対策を練る時間も、実行する余裕もあることになります。

新しい医療機器やレセコンに交換したり、看護師や社員の賞与を調整することもできます。
生命保険や短期前払費用などの節税方法を採用してもよいでしょう。
とにかく、今年度の医療法人の決算書の利益が予想できれば、採用する手段が選べることになるのです。

節税ができれば、医院経営や病院経営の資金繰りは改善します。
借入金があれば、その繰上げ返済に回すこともできます。
支払う金利が減れば、さらに資金繰りはよくなります。

このような医業収益に季節的な変動がある診療科目は、内科に限ったことではありません。
耳鼻咽喉科という診療科目であれば、花粉症が流行る時期、皮膚科であれば、5月から7月ぐらいが、医業収益が最大になることが多いはずです。

さらに、個人医院が医療法人になることで、1つの大きな節税対策があります。

それは、退職金を支払えることです。

先ほど所得税は節税が難しいと言いました。
ただし、所得税は収入をもらう項目によって、税率が違ってきます。

例えば、不動産であれば、譲渡所得、株であれば、株譲渡所得、年金などは雑所得です。
個人医院の利益は、事業所得と呼ばれ、医療法人からもらう給料は、給与所得となります。

先ほどの退職金は、退職所得となるのですが、この税率は事業所得や給与所得に比べて、半分以下の税率になるのです。
退職金についての詳細は、別のブログで解説しますが、とにかく退職金として院長先生がもらうことで、かなりの節税ができます。

ところが、個人医院では、院長先生が事業主であり、自分から自分に退職金を支払うことができません。

一方、医療法人は、あくまで事業主は法人であり、院長先生であっても退職金をもらうことができるのです。個人医院で1億円の利益を稼ぐと、約4700万円の所得税がかかり、手取りは5300万円です。
医療法人に30年勤続したあとに、1億円の退職金をもらうならば、所得税は約1850万円となり、手取りは8150万円です。

たった決算日の変更と退職金の支払いという2つの方法だけで、個人医院と医療法人とは、これほどまでに差が出るのです。
それ以外にも医療法人になることで、採用できる節税方法はたくさんあります。

医院経営や病院経営の資金繰りをよくしたいと考えるならば、個人医院ではなく、医療法人になりましょう。

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