M&Aの手順のうち、大事なポイントを見誤らない

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医療関連のコンサルティング
2012/01/22
M&Aの手順のうち、大事なポイントを見誤らない

医院経営や病院経営では、M&Aによって、事業を拡大していくことが増えました。
ただ、M&Aという行為が、院長にとって、初めて経験であることも多く、具体的にどのように進めていくべきか、迷うかもしれません。
ここでは、M&Aの手順と、その注意点を考えます。

(1) 買い手候補、売り手候補への打診

(2) 医院経営の基本情報の交換

(3) 医院経営の条件、及び価格の交渉

(4) 基本合意書、及び秘密保持契約書等の締結

(5) 医院経営のデューデリジェンス(財務調査)の実行

(6) 看護師や社員との面談や雇用契約等の確認

(7) 医院経営の条件及び価格の修正

(8) 正式なM&Aの契約

(9) 医院の出資持分等の引渡し及び代金決済

(10) 医療法人であれば、登記等の手続き

これらのすべての手順が大事であり、1つでも飛ばせば、あとで、問題になります。
また、デューデリジェンスという、聞きなれない言葉が出ていますが、医院や病院の決算書と税務申告書を、第三者にチェックしてもらうことです。 

「うちの決算書が、間違っているはずがない」と主張する院長もいます。
決算書としては正しいと思うのですが、M&Aでは、注目点が違ってくるのです。

(1)医院経営や病院経営で借りているビルの大家に、敷金や保証金を差し入れているが、全額返還される賃貸契約なのか?

(2)医院経営や病院経営では、医療機器をリースしていることが多いが、決算書には計上されておらず、その残りの支払いは、どのくらいあるのか?

(3)医院経営や病院経営では、税務調査が入ることも多く、将来の税務調査で、指摘される可能性がある項目はないのか? 

結果的に、決算書や税務申告書とは、過去の医院経営や病院経営を表している書類と言えるのです。 M&Aとは、将来の医業収益と利益を売買する行為であり、それに影響を及ぼす項目をチェックしなければいけないのです。 デューデリジェンスは手続きなので、間違えることはあまりないでしょう。 それよりも、MA&を成功させるために、上記の手順の中で、(3)と(6)に注目しなければいけません。 

医院経営の条件、及び価格の交渉

いきなり、M&Aの条件や価格を主張するのは、相手に対して失礼だという人がいますが、それは間違いです。  最初に、条件や価格が合わなければ、交渉時間が無駄になりますし、そもそも、相手も本気でM&Aのテーブルにつきません。

できるだけ、早い段階で、売り手としては売却価格、買い手としては、条件と指値の価格を提示しましょう。 ここで、買い手の「条件」とは、退職する役員に対する退職金について、看護師や社員の給料について、医療機器のリースの引継ぎについてなど、将来に発生する支払いに関することになります。

看護師や社員との面談や雇用契約書等の確認

医院や病院のM&Aとは、単なる院長同士の取引ではありません。
特に、医院経営や病院経営は、工場とは違い、サービスを患者に提供する業種です。
そのサービスは、院長だけで行うものではなく、看護師や受付の社員も一体となって、提供しているのです。つまり、みんなの協力なくしては、医院経営も病院経営も成り立たないのです。

m&a一般の事業会社のM&Aであっても、敵対的M&Aは成功しません。特に、日本では、社員が反対する中で強行されたM&Aで、成功したものは、私が知る限りでは1つです。これは、大げさに言っているわけではありません。その中で、特にサービス業は、人的な要素が大事になるのです。  そのためにも、事前に看護師や社員に、M&Aを十分理解してもらい、合意して上で、実行することになります。

そのため、一般の事業のM&Aよりも、時間がかかるでしょう。 結果、M&Aが実行されたことで、今よりもよい医療サービスを、その地域に提供できるようになることが、さらなる医院経営と病院経営の発展に繋がるのです。

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