個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

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2017/06/30
個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

最近では、子供があとを継がない医院や病院が増えています。
後継者がいないことで医療法人には成らずに、個人事業主として運営を続ける医院や病院もあります。
確かに、持分の定めのない医療法人になると、M&Aで売却する手続きが複雑になりますし、院長先生が希望する手取りにならないこともあり得ます。そのため、診療科目にもよりますが、個人事業主として医院や病院を売却する方が得になることが多いはずです。ただ個人事業主としてM&Aで医院や病院を売却するときにも、注意すべき点があります。

まずは医院や病院のM&Aのときの売却益は、次のように計算します。

個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

取得費とは、院長先生が建物内装や医療機器を購入したときの取得原価から、売却するまでの減価償却費の累計額を差し引いた金額となります。昨年度の12月末までの金額は、個人の確定申告書に記載されています。そこから、M&Aで売却するまでの月数分だけ減価償却費を差し引いた残りが取得費となります。もし医院や病院で使っている土地も売却する場合には、土地は減価償却しないため、「購入した取得原価=取得費」となります。

次に、譲渡費用とは仲介手数料や売却するために直接かかった費用となります。
仲介手数料であればM&Aを斡旋してくれた会社に支払う費用なので分かりやすいのですが、それ以外は買主の希望で駐車場を整備したり、医療機器を廃棄するための運搬費用などが当たります。

普通に考えて、売却益をゼロでよいとする院長先生はいません。では取得費と譲渡費用を上回る売却益とは、どのような性格なのでしょうか?

それは今までの院長先生のノウハウや患者さんの引継ぎなどの営業権のはずです。

この営業権に所得税がかかるのですが、この計算方法が問題となります。もし単純に医院や病院の売上とされてしまうと、事業所得の利益となるので最大で55%の所得税がかかってしまいます。

一方、これが営業権という資産の譲渡と認められれば、譲渡所得となります。

さらに売却した時点で所有期間が5年超であれば、長期譲渡所得となり、下記の計算式で所得を計算できます。医院や病院をM&Aで売却するときには、ほとんどの場合に開業してから5年超となるため、長期譲渡所得となります。

個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

この計算方法であれば売却益が2分の1未満となるため、かなり所得税が安くなり、手取りが大きく違ってきます。院長先生として医院や病院を売却したあとは年金などの収入しかないので、できるだけ手取りは多い方がよいに決まっています。

あなたは、「医院や病院のM&Aの売却益は、営業権の譲渡にきまっているじゃないか?」と思うかもしれません。ところが国税不服審判所や裁判所では、事業所得とみなすという結論も多いのです。

個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

個人医院を売却するときに、注意しないと最大で55%の所得税がかかります。

上記のことから、医院や病院のM&Aを行うときに、看護師や社員が全員辞めてまったく引き継がれず、売買契約書が事業譲渡契約書にもなっておらず、患者を引き継がせるだけのものであれば、譲渡所得とみなされないことになります。

当然ですが、個人でM&Aを行えば多額の売却益が発生するため、税務調査は入りやすくなります。そのときには院長先生は上記の税理士のようないい加減な対応をせずに、証拠や書類を進んで提出するようにしましょう。

裁判で営業権の譲渡として勝訴することもあるかもしれませんが、税務署ともめて、裁判になっている時点で納税者はかなり不利ですし、その労力や手間はかなりのものです。

最後に多額の所得税が取られてしまったら、今まで医院経営や病院経営でがんばってきた院長先生の努力も報われません。

 

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